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第九話
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鶴さんが来てくれると、私達のお話しを聞いてくれた。
「そうか、氷柱はもう随分と文字の読み書きが出来る様になったのじゃな。」
「はい、これも全部暁光さんのお陰です。」
「そうっすか。」
何時の間にかお家に来ていた雀さんが鶴さんの横にうつ伏せで寝っ転がって頬杖を突いていた。
それにしても鶴さん人気者だな。皆鶴さんにお話しする順番を待ってるから。
「それにしても、随分と賑やかになったのう。」
そう言って鶴さんは槿花さんの頭を撫でた。槿花さんは嬉しそうに笑ってる。良いな、私も頭撫でられたい。出来れば暁光さんに……………………
(はっ!!!私は何を考えてるんですか!!!)
恥ずかしい。
「氷柱さん?如何かしたっすか?顔が真っ赤っすよ?」
「ぷぁい!?」
「いや、本当に顔真っ赤っす。と言うか今の声何っすか?」
私は慌てて手で顔を隠した。あぁ、凄く熱い。これは確かに赤くなってて当然です。と言うか今隣の部屋から暁光さんが何か変な声を出した様な気が。
少し怖いなと思いながらも私は念の為隣の部屋へ暁光さんの様子を見に行った。
「暁光さん?大丈夫ですか?」
声を掛けながら部屋の中を見ると、暁光さんが血を流して倒れていた。
「暁光さん!!?」
慌てて駆け寄って暁光さんの身体を揺すった。
「暁光さん大丈夫ですか!?」
「お前本当に何なん。氷柱お前、お前一々可愛い。」
「暁光さん!!?」
「何じゃ氷柱、まだ暁光のそれに慣れておらんかったのか。」
振り返ると多分様子を見に来てくれたであろう鶴さんが、苦笑いを浮かべながら私と暁光さんを見ていた。
鶴さんはそう言いましたが、普通誰かが血を吐いて倒れている光景に慣れるものなんでしょうか。あ、だけど以前私の常識は基本的には通用しない事があったから、もしかしたら今回のこれもそうなのかも。
そんな事を考えていると鶴さんがお部屋の中に入って来て、暁光さんの額を軽く叩いた。
「ほれ暁光、何時までもそうしておったら氷柱が安心出来ぬであろう。」
「あ?お前氷柱の可愛さはその時に叫ばないと駄目なんだよ。」
「それで一々氷柱を心配させて何を言うておるのか。」
溜め息交じりで鶴さんがそう言うと、暁光さんは私の方を見た。
「氷柱………………ごめんな。」
「あ、えと、大丈夫です。」
私はそんなに気にしていないので。
「そうか、氷柱はもう随分と文字の読み書きが出来る様になったのじゃな。」
「はい、これも全部暁光さんのお陰です。」
「そうっすか。」
何時の間にかお家に来ていた雀さんが鶴さんの横にうつ伏せで寝っ転がって頬杖を突いていた。
それにしても鶴さん人気者だな。皆鶴さんにお話しする順番を待ってるから。
「それにしても、随分と賑やかになったのう。」
そう言って鶴さんは槿花さんの頭を撫でた。槿花さんは嬉しそうに笑ってる。良いな、私も頭撫でられたい。出来れば暁光さんに……………………
(はっ!!!私は何を考えてるんですか!!!)
恥ずかしい。
「氷柱さん?如何かしたっすか?顔が真っ赤っすよ?」
「ぷぁい!?」
「いや、本当に顔真っ赤っす。と言うか今の声何っすか?」
私は慌てて手で顔を隠した。あぁ、凄く熱い。これは確かに赤くなってて当然です。と言うか今隣の部屋から暁光さんが何か変な声を出した様な気が。
少し怖いなと思いながらも私は念の為隣の部屋へ暁光さんの様子を見に行った。
「暁光さん?大丈夫ですか?」
声を掛けながら部屋の中を見ると、暁光さんが血を流して倒れていた。
「暁光さん!!?」
慌てて駆け寄って暁光さんの身体を揺すった。
「暁光さん大丈夫ですか!?」
「お前本当に何なん。氷柱お前、お前一々可愛い。」
「暁光さん!!?」
「何じゃ氷柱、まだ暁光のそれに慣れておらんかったのか。」
振り返ると多分様子を見に来てくれたであろう鶴さんが、苦笑いを浮かべながら私と暁光さんを見ていた。
鶴さんはそう言いましたが、普通誰かが血を吐いて倒れている光景に慣れるものなんでしょうか。あ、だけど以前私の常識は基本的には通用しない事があったから、もしかしたら今回のこれもそうなのかも。
そんな事を考えていると鶴さんがお部屋の中に入って来て、暁光さんの額を軽く叩いた。
「ほれ暁光、何時までもそうしておったら氷柱が安心出来ぬであろう。」
「あ?お前氷柱の可愛さはその時に叫ばないと駄目なんだよ。」
「それで一々氷柱を心配させて何を言うておるのか。」
溜め息交じりで鶴さんがそう言うと、暁光さんは私の方を見た。
「氷柱………………ごめんな。」
「あ、えと、大丈夫です。」
私はそんなに気にしていないので。
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