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攫われたあの日僕はに死んだ
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ニヤニヤとして近づいてくる大男
忘れもしない
僕をイジメていたグループのリーダーで、僕の…裸体の写真を撮った張本人、角藤 哲也
「…」
「おいおい挨拶もねぇのかよ
仲良くしてやってたのによぉ、子豚ちゃぁん?」
「…君と仲良くした事なんてないよ」
「あ''ぁ"ん?」
角藤は苛立たしげに眉を潜めたが、透は目を逸らさない
「チィッ…んだ、その目は」
「…」
「す、角藤君、喧嘩は…」
「てめぇは黙ってろや」
止めようとした橋山君は凄まれ、身体をビクリと跳ねさせてオロオロし始めた
あのときの僕はこんな感じだったのかな…いや、もっと酷かったんだろうな
「もっぺん躾け直しが必要みてぇだなぁ、上宮ぁ」
「君に躾けられるいわれはない!
僕はもう、君にいじめられてた時とは違う!」
「んだ!生意気に!!」
すでに酔っ払っていたのだろう
酒の匂いを漂わせた息で怒鳴り散らす
そして…
「危ない!」
「「キヤァー」」
「ちょ?!」
拳を振り上げた角藤に皆がそれぞれの反応をする
でも僕は目を逸らさない
怖くなんてない
だって
パシッ
「ねぇ、何してんの」
「あ''ぁ"ん?
誰だてめぇ?!」
「伸弥さん」
「透君、お金忘れてたよ」
伸弥さんは角藤君の手を掴んだまま、僕の腰を抱き寄せ頭にキスをし、微笑んで言った
「え、うそ?!」
「ほら」
慌てて確認しようとした僕に差し出されたのは、伸弥さんが使ってるスペアの財布
あぁ、盗聴してて助けに来てくれたのか
「ありがとう
危うく支払いができないところだった」
だから僕も笑顔で合わせる
「ふふ、気をつけてね?」
「うん」
「てぇな!離しやがれ!!」
さっきから騒いでいた角藤君に、さっきまで笑みだった伸弥さんはまるで温度のない冷たい瞳で見る
さすがの角藤君もなにか思うところがあるのか、押し黙った
「ねぇ…誰が誰を躾けるって?」
「なっ?!」
「俺の透に手ぇ出して…
死にたいの?」
角藤君の耳に顔を寄せ、抱き寄せられていた僕にしか聞こえないくらいの声で言った
僕に言われた訳じゃないのに…ちょっとだけ怖かった…
「っ…」
角藤君もそう思ったのか、顔を青ざめさせている
きっと酔いは覚めたかな?
ぱっと角藤君から手を離した伸弥さんはニコッと笑い
「あまり悪酔いするのは危険だよ?
透君も気をつけてね」
と言った
「うん」
その返答にニッコリと笑みを深めた伸弥さんは
「じゃあ、また後でね」
と言って帰っていった
と言っても、多分近くに居るんだろうけどね
その後の同窓会は微妙な感じだったけど、そこまで悪いものではなかった
「どうだった?」
迎えに来てくれた伸弥さんが聞いてきた
「うーん、微妙な感じだった笑
でも…うん、とっても有意義だったと思う」
「そっか」
「うん…」
静かな空間
でも、苦痛じゃない
とても心地良い静寂
ねぇ、伸弥さん
なんで伸弥さんが僕を誘拐したのか、なんで僕だったのかわからない
けど…僕を誘拐してくれてありがとう
きっと伸弥さんに攫われたあの日に僕は死んだんだ
いじめられるだけの、臆病な僕は
いじめられて、死のうとしてた僕
今の僕は…とても幸せだよ
忘れもしない
僕をイジメていたグループのリーダーで、僕の…裸体の写真を撮った張本人、角藤 哲也
「…」
「おいおい挨拶もねぇのかよ
仲良くしてやってたのによぉ、子豚ちゃぁん?」
「…君と仲良くした事なんてないよ」
「あ''ぁ"ん?」
角藤は苛立たしげに眉を潜めたが、透は目を逸らさない
「チィッ…んだ、その目は」
「…」
「す、角藤君、喧嘩は…」
「てめぇは黙ってろや」
止めようとした橋山君は凄まれ、身体をビクリと跳ねさせてオロオロし始めた
あのときの僕はこんな感じだったのかな…いや、もっと酷かったんだろうな
「もっぺん躾け直しが必要みてぇだなぁ、上宮ぁ」
「君に躾けられるいわれはない!
僕はもう、君にいじめられてた時とは違う!」
「んだ!生意気に!!」
すでに酔っ払っていたのだろう
酒の匂いを漂わせた息で怒鳴り散らす
そして…
「危ない!」
「「キヤァー」」
「ちょ?!」
拳を振り上げた角藤に皆がそれぞれの反応をする
でも僕は目を逸らさない
怖くなんてない
だって
パシッ
「ねぇ、何してんの」
「あ''ぁ"ん?
誰だてめぇ?!」
「伸弥さん」
「透君、お金忘れてたよ」
伸弥さんは角藤君の手を掴んだまま、僕の腰を抱き寄せ頭にキスをし、微笑んで言った
「え、うそ?!」
「ほら」
慌てて確認しようとした僕に差し出されたのは、伸弥さんが使ってるスペアの財布
あぁ、盗聴してて助けに来てくれたのか
「ありがとう
危うく支払いができないところだった」
だから僕も笑顔で合わせる
「ふふ、気をつけてね?」
「うん」
「てぇな!離しやがれ!!」
さっきから騒いでいた角藤君に、さっきまで笑みだった伸弥さんはまるで温度のない冷たい瞳で見る
さすがの角藤君もなにか思うところがあるのか、押し黙った
「ねぇ…誰が誰を躾けるって?」
「なっ?!」
「俺の透に手ぇ出して…
死にたいの?」
角藤君の耳に顔を寄せ、抱き寄せられていた僕にしか聞こえないくらいの声で言った
僕に言われた訳じゃないのに…ちょっとだけ怖かった…
「っ…」
角藤君もそう思ったのか、顔を青ざめさせている
きっと酔いは覚めたかな?
ぱっと角藤君から手を離した伸弥さんはニコッと笑い
「あまり悪酔いするのは危険だよ?
透君も気をつけてね」
と言った
「うん」
その返答にニッコリと笑みを深めた伸弥さんは
「じゃあ、また後でね」
と言って帰っていった
と言っても、多分近くに居るんだろうけどね
その後の同窓会は微妙な感じだったけど、そこまで悪いものではなかった
「どうだった?」
迎えに来てくれた伸弥さんが聞いてきた
「うーん、微妙な感じだった笑
でも…うん、とっても有意義だったと思う」
「そっか」
「うん…」
静かな空間
でも、苦痛じゃない
とても心地良い静寂
ねぇ、伸弥さん
なんで伸弥さんが僕を誘拐したのか、なんで僕だったのかわからない
けど…僕を誘拐してくれてありがとう
きっと伸弥さんに攫われたあの日に僕は死んだんだ
いじめられるだけの、臆病な僕は
いじめられて、死のうとしてた僕
今の僕は…とても幸せだよ
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