長く短い1週間

レイティア

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出会い

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堤防に登り、堤防下を見下ろす

昔家族で花見をした堤防下の公園とは違い、ポツンポツンと桜の木が生えている

病院から一番近い桜のもとに降りてみると、そこには先客がいた

病衣にカーディガンを着た、まだ幼さの残る少年

夕暮れに桜を見上げるその少年に何故か心が惹かれた

ふと、少年がこちらを振り向き少し驚いた後、ふわりと笑った

「こんにちは、お兄さん
お兄さんもお花見抜け出してきたの?」
「…あ、いや、俺は参加してない」
「そうなの?
なら、ここで一緒に桜見ようよ‼︎」

少年は無邪気に笑い、俺を手招きした

「あ、あぁ」

俺は花見をする気もないのに、少年の手招きに応じていた

俺と少年は桜の下に腰掛け、桜を見上げていた

静寂

だが、嫌な静けさじゃない

ここ最近感じる事のなかった穏やかな時間

また、堤防下の桜を人と一緒に見るなんて思わなかった

俺は、ブラック企業を辞める勇気もなく、あのまま働いて死ぬんだろうと思っていた

まぁ、結局はリストラされて会社を辞める事になったが

それに、母さんは俺が大学を卒業してすぐに事故で死んだ

父さんも昨年癌で死んでしまった

家族ももういない

俺を必要としてくれる人も

あぁ、すげぇ惨めだな

俺、生きてる意味あんのかな…
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