光輪学院高等部・『オカルト研究部』

hosimure

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全員集合

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「あ~、もう…イヤ」




神無月は部室で、机に倒れ込んでいた。




「もう……動けません」




続いて九曜も青い顔で呟く。




こちらはイスにぐったりと体を預けて。




「二人ともしっかり。……っと、三人とも、かな?」




ソファーに倒れ込み、顔をしかめながらうなっている雛を見ながら、依琉は苦笑した。




「……何で依琉だけ無事なのよ?」




「別に無事ではないけどね。慣れ、かな?」




そう言いつつ冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを全員に配る。




「一応護身術として、武術・体術は取得してるから」




「くっ……。金持ちのボンボンめ」




「ウチはただの成金。雛のように先祖代々の権力者の家ではありません」




「……依琉、それって嫌味ぃ?」


雛が白い顔をしながら、軽く依琉を睨み付ける。




「とんでもない。謙遜だよ」




「依琉先輩が言うと、どーしても嫌味にしか聞こえないのが不思議ですよね」




「九曜くんまで……」




「まっ、そんなことより、部長はまだかしらね? 講堂の封印は、他の封印よりも安全だと思ったんだけど」




「えっ? そうなんですか?」




九曜がぎょっとして、神無月に向き直った。




「うん。講堂の封印は大人しいんだって、前部長が言ってたの。でも時間はかかるんだって」




「ああ、ボクも聞いたな。危険は無いけど、ちょっとめんどくさいって」




「でも危険よりはマシじゃないですか! 良いなぁ、部長」


「部長は私達と違って、戦う術が無いから仕方無いじゃない。変なところでうらやましがらないの!」




「……神無月先輩に言われると、効きますね。分かりましたよ」




「じゃあ来年も、九曜くんは同じ担当場所で」




「それは待ったをかけます!」




「う~ん。でも神無月やボク、それに雛の所なんて思いっきり攻撃的だけど良いの?」




「うっ……!」




九曜は青い顔で、神無月と雛の二人を見た。




「九曜くんの所はこう言っちゃなんだけど、本体を見つけるまでが勝負だから。寄って来るのは低級だけなんだろう?」




「ううっ!」




<視>られたことに、九曜はダメージを受けた。


「私の所なんて、黒い手に襲われるわよ?」




「ぐっ」




「ボクの所は水が襲い掛かってくるよ」




「うぐっ」




「あたしの所はぁ、植物が襲い掛かってきたよぉ」




「うぐぐぐぐ~」




「九曜は低級の、しかも実体のあるモノに襲われるのよね。でも私達のとこよりは、レベルも低いんだからガマンなさい」




バタッ、と九曜は机に倒れ込んだ。




「まっ、来年の新入生のレベルにもよるだろうけど、九曜には同じ所を担当してもらいたいわ」




「……分かりましたよ。神無月先輩」




九曜はノロノロと起き上がった。




「来年になれば、俺も先輩ですからね。楽な所は後輩に譲りますよ」




「……九曜くん、顔が納得してないよ?」


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