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専門学校
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「…徹夜で登校はキッツイわね」
「頑張ってくださいよ。犯人を早く逮捕したいでしょう?」
それを言われると…。
眠い目を擦りながら、アタシとキシは学校へ来た。
街中にある7階建ての建物が、アタシ達の学校だった。
どの階からも、美味しそうな匂いがする。
朝食はここに来る前に、キシが作ってくれた。
キシの得意な洋食料理、とても美味しかった。
「とりあえず、職員室から回りますか。ボクに料理教室を教えた先生を教えますから」
「何人ぐらいいるの?」
「5人ですよ。肉料理に詳しい人を尋ねましたから」
…何だかイヤな尋ね方だ。
職員室は3階にある。
まるごとフロア全てが職員室。それに事務室も含まれている。
「まずはボクに肉料理を教えてくれるカミナ先生」
「カミナ先生ならアタシも知ってるわ。和食の方でも肉料理を教えてくれる先生だもん」
「ええ。女性ならではの繊細さと、彼女のアイディアから生み出される数々の肉料理はとても評判が良いですからね。今も有名所から声がかかっているぐらいですから」
まだ30代になったばかりのカミナ先生は、明るくてハキハキしている。
決して怒鳴ったりせず、ちゃんと生徒のペースで進んでくれる良い先生だ。
お姉さんタイプで、アタシも懐いているけど…。
「アラ、二人とも。おはよう!」
「っ!?」
ウワサをすれば何とやら。
ちょうどエレベータから出てきたカミナ先生は、今日もキレイ。
「おっおはようございます、カミナ先生」
「おはようございます、カミナ先生」
どもったアタシとは違い、キシは笑顔で言った。
「二人とも、職員室に何の用事? 課題の提出にでも来たの?」
「いえ、ホラ、カミナ先生に以前教えてもらった料理教室のことなんですけど、ヒミカも通いたいと言い出しましてね」
ぎょっとしたが、声には出さなかった。
「あのチラシ、貰えますか? ボク、無くしてしまって…」
「ええ、良いわよ。にしても珍しいわね。ヒミカが料理教室に通うなんて。あなたはどっちかと言えば、料理を知識と考えているところあるから」
アイタっ!
…確かにアタシは、自分の欲求を満たす為に料理教室に通っている。
でっでも料理は好きだし、美味しい食べ物も好きだし…。
「実はボク達、付き合っているんですよ」
そう言っていきなりキシはアタシの肩を抱き寄せた。
「っ!?」
「なのでずっと一緒にいたいって言われましてね」
「あらあら、まあ」
何かを言いたかった…。
でもこれもキシの作戦だって分かっていたから、あえて黙っていた。
「それなら納得できるわね。ふふっ、ヒミカにも可愛いところあるじゃない」
「ヒミカは元々可愛いですよ」
「~~~っ!」
カミナ先生は持っていたファイルから、一枚の紙を取り出した。
「はい、どうぞ。あたしの友人がやっている料理教室なの。場所はここから駅3つ先、駅ビル2階で毎週金曜日の午後にやっているわ。家庭的な料理が多いけど、勉強になるわよ」
「あっありがとう、ございます」
アタシは震える手で受け取った。
「それじゃ、頑張ってね!」
カミナ先生は笑顔で自分の席へ行った。
なのでアタシはキシを睨み付ける。
「…キぃ~シぃ~」
「言いたいことは分かりますけど、今は堪えてください。犯人はアナタの正体を知っているかもしれないんですよ?」
小声で囁かれ、アタシは口を閉じた。
「とりあえず、次、行きましょう」
「頑張ってくださいよ。犯人を早く逮捕したいでしょう?」
それを言われると…。
眠い目を擦りながら、アタシとキシは学校へ来た。
街中にある7階建ての建物が、アタシ達の学校だった。
どの階からも、美味しそうな匂いがする。
朝食はここに来る前に、キシが作ってくれた。
キシの得意な洋食料理、とても美味しかった。
「とりあえず、職員室から回りますか。ボクに料理教室を教えた先生を教えますから」
「何人ぐらいいるの?」
「5人ですよ。肉料理に詳しい人を尋ねましたから」
…何だかイヤな尋ね方だ。
職員室は3階にある。
まるごとフロア全てが職員室。それに事務室も含まれている。
「まずはボクに肉料理を教えてくれるカミナ先生」
「カミナ先生ならアタシも知ってるわ。和食の方でも肉料理を教えてくれる先生だもん」
「ええ。女性ならではの繊細さと、彼女のアイディアから生み出される数々の肉料理はとても評判が良いですからね。今も有名所から声がかかっているぐらいですから」
まだ30代になったばかりのカミナ先生は、明るくてハキハキしている。
決して怒鳴ったりせず、ちゃんと生徒のペースで進んでくれる良い先生だ。
お姉さんタイプで、アタシも懐いているけど…。
「アラ、二人とも。おはよう!」
「っ!?」
ウワサをすれば何とやら。
ちょうどエレベータから出てきたカミナ先生は、今日もキレイ。
「おっおはようございます、カミナ先生」
「おはようございます、カミナ先生」
どもったアタシとは違い、キシは笑顔で言った。
「二人とも、職員室に何の用事? 課題の提出にでも来たの?」
「いえ、ホラ、カミナ先生に以前教えてもらった料理教室のことなんですけど、ヒミカも通いたいと言い出しましてね」
ぎょっとしたが、声には出さなかった。
「あのチラシ、貰えますか? ボク、無くしてしまって…」
「ええ、良いわよ。にしても珍しいわね。ヒミカが料理教室に通うなんて。あなたはどっちかと言えば、料理を知識と考えているところあるから」
アイタっ!
…確かにアタシは、自分の欲求を満たす為に料理教室に通っている。
でっでも料理は好きだし、美味しい食べ物も好きだし…。
「実はボク達、付き合っているんですよ」
そう言っていきなりキシはアタシの肩を抱き寄せた。
「っ!?」
「なのでずっと一緒にいたいって言われましてね」
「あらあら、まあ」
何かを言いたかった…。
でもこれもキシの作戦だって分かっていたから、あえて黙っていた。
「それなら納得できるわね。ふふっ、ヒミカにも可愛いところあるじゃない」
「ヒミカは元々可愛いですよ」
「~~~っ!」
カミナ先生は持っていたファイルから、一枚の紙を取り出した。
「はい、どうぞ。あたしの友人がやっている料理教室なの。場所はここから駅3つ先、駅ビル2階で毎週金曜日の午後にやっているわ。家庭的な料理が多いけど、勉強になるわよ」
「あっありがとう、ございます」
アタシは震える手で受け取った。
「それじゃ、頑張ってね!」
カミナ先生は笑顔で自分の席へ行った。
なのでアタシはキシを睨み付ける。
「…キぃ~シぃ~」
「言いたいことは分かりますけど、今は堪えてください。犯人はアナタの正体を知っているかもしれないんですよ?」
小声で囁かれ、アタシは口を閉じた。
「とりあえず、次、行きましょう」
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