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おつかい
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「では2人とも、よろしくお願いしますね」
「あいよ」
「分かった。任せてくれ」
ハズミとマミヤは笑顔のソウマに見送られ、店を出た。
そして街に出て、
「ん~っと。やっぱり騒がしい方がオレは好きだな」
「俺は静かな方が良いんだがな」
ハズミは笑顔で背伸びをして、マミヤは憂い顔でため息をついた。
「あっ、マミヤは人ごみ苦手なんだっけ?」
「ああ…。だから早目に終わらそう」
マミヤはソウマから預かったメモを取り出し、見ながら歩き出した。
「あっ、待てよ~」
その後を、ハズミが慌てて追いかける。
「最初はコーヒー屋か。ソウマさんはコーヒー党だったか?」
「コーヒーはヒミカとルカ、それにキシが飲むんだよ」
「ああ、なるほど。…って最近、小物屋から喫茶店に変わっているな」
「マカが何か事件起こった時、あそこで会議するからな。すっかりお茶飲み場になっちゃって」
「ソウマさんも止めないから…」
「止められないって。相手、マカだよ?」
ハズミが笑い飛ばした時、
「ぶわっくしょんっ! はっくしょいっ!」
「きゃあ! マカ、あなた女の子なのになんてクシャミをするのよぉ!」
「大丈夫ですか?」
ルナとアオイと一緒にいたマカは、大きなクシャミを2連発した。
「この悪寒は…ハズミだな。後で問いただしてやる」
「…どうやったら悪寒でウワサの張本人が分かるのよ?」
「何となくだ」
呆れ顔で質問してきたルナに、マカは大真面目に返答した。
「うっ! 何か悪寒が!」
「マカじゃないのか? あの人、勘がスゴク働くから」
「かもな…。ヤベ、ウワサしてたのバレたか?」
「後ですぐに謝れ。それより店がこの辺りなんだが…」
2人がキョロキョロと辺りを見回した時、ハズミが足を何かに引っ掛けた。
「おわっ!」
「大丈夫か?」
マミヤはすぐに気付き、ハズミの方を見た。
「ったた…。ああ、何とかな」
すぐに体勢を直したハズミは、つまずいたモノを見た。
「―ゴメンなさいね」
ハズミが足を引っ掛けたのは、女の子の足だった。
その場に座り込み、2人を見上げている。
見た目は17歳ぐらいの女の子だ。長い髪が印象的。
「…いや、オレも余所見してたし」
「うん。でもあたし、ここから動けないからさ」
そう言って女の子は遠い目をした。
「いつもここにいるんだ? 行きたい所、ないの?」
「…今は分かんない。ここに来て、そう長くもないし」
女の子は深く息を吐いた。
「そっか。じゃ、オレ達行くから」
「うん、悪かったわね」
女の子は最後に笑顔で手を振った。
…だがマミヤの表情は暗かった。
「あいよ」
「分かった。任せてくれ」
ハズミとマミヤは笑顔のソウマに見送られ、店を出た。
そして街に出て、
「ん~っと。やっぱり騒がしい方がオレは好きだな」
「俺は静かな方が良いんだがな」
ハズミは笑顔で背伸びをして、マミヤは憂い顔でため息をついた。
「あっ、マミヤは人ごみ苦手なんだっけ?」
「ああ…。だから早目に終わらそう」
マミヤはソウマから預かったメモを取り出し、見ながら歩き出した。
「あっ、待てよ~」
その後を、ハズミが慌てて追いかける。
「最初はコーヒー屋か。ソウマさんはコーヒー党だったか?」
「コーヒーはヒミカとルカ、それにキシが飲むんだよ」
「ああ、なるほど。…って最近、小物屋から喫茶店に変わっているな」
「マカが何か事件起こった時、あそこで会議するからな。すっかりお茶飲み場になっちゃって」
「ソウマさんも止めないから…」
「止められないって。相手、マカだよ?」
ハズミが笑い飛ばした時、
「ぶわっくしょんっ! はっくしょいっ!」
「きゃあ! マカ、あなた女の子なのになんてクシャミをするのよぉ!」
「大丈夫ですか?」
ルナとアオイと一緒にいたマカは、大きなクシャミを2連発した。
「この悪寒は…ハズミだな。後で問いただしてやる」
「…どうやったら悪寒でウワサの張本人が分かるのよ?」
「何となくだ」
呆れ顔で質問してきたルナに、マカは大真面目に返答した。
「うっ! 何か悪寒が!」
「マカじゃないのか? あの人、勘がスゴク働くから」
「かもな…。ヤベ、ウワサしてたのバレたか?」
「後ですぐに謝れ。それより店がこの辺りなんだが…」
2人がキョロキョロと辺りを見回した時、ハズミが足を何かに引っ掛けた。
「おわっ!」
「大丈夫か?」
マミヤはすぐに気付き、ハズミの方を見た。
「ったた…。ああ、何とかな」
すぐに体勢を直したハズミは、つまずいたモノを見た。
「―ゴメンなさいね」
ハズミが足を引っ掛けたのは、女の子の足だった。
その場に座り込み、2人を見上げている。
見た目は17歳ぐらいの女の子だ。長い髪が印象的。
「…いや、オレも余所見してたし」
「うん。でもあたし、ここから動けないからさ」
そう言って女の子は遠い目をした。
「いつもここにいるんだ? 行きたい所、ないの?」
「…今は分かんない。ここに来て、そう長くもないし」
女の子は深く息を吐いた。
「そっか。じゃ、オレ達行くから」
「うん、悪かったわね」
女の子は最後に笑顔で手を振った。
…だがマミヤの表情は暗かった。
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