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二人のはじまり
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「あっあのっ、月花陽菜子さん!」
月花
つきか
陽菜子
ひなこ
。わたしの名前だ。
「はっはい」
突然呼び止められたわたしは、足を止めて振り返った。
真っ黒の髪に、顔を真っ赤に染めた男の子が立っている。
…見たことの無い顔だ。
「あのっ、オレっ、夜上正義って言います」
「はあ…」
夜上
やかみ
正義
まさよし
。…聞いたことの無い名前だ。
「ずっ…ずっとアナタのことが好きでした! オレと付き合ってください!」
そう言って深々と頭を下げ、右手をわたしに差し出した。
「…えっ、えーっと」
告白、だ。
「ダメ…ですか?」
夜上正義くんは恐る恐る顔を上げた。
…可愛い顔をしているな。
もしかして…。
「あの、失礼ですけど、年齢は…」
「あっ、一つ年下の高校1年です」
やっぱり…。
「とっ年下はダメですか?」
「そういうワケじゃないけど…」
別に好きな人も付き合っている人もいない。
この子は真面目そうだし、可愛い。
だけどわたしは…。
「う~ん…」
思わずうなって、腕組してしまう。
「やっやっぱりダメ、ですか…?」
だんだん暗い表情になっていく。
「ダメ…と言うか。わたし、まともに恋人作ったことないし…」
「構いません! てか安心しました!」
「女の子らしいところ、あんまり無いし…」
「いいです! オレはそういうところが良いんです!」
…それはわたしにとってはあまり良くはないんだけど。
「…かっ家族がウルサイし…」
「おっオレ、静かにしてます大人しくしてます! しつこくしませんからっ!」
……いや、もうウルサイし、しつこい段階だけど…。
でもこれだけわたしのことを好きでいてくれる証拠かもしれない。
「それじゃあ、一つだけ、約束してくれる?」
「はいっ! 何でも!」
「わたしのことを、深く知ろうとしないで」
「…えっ?」
彼の笑顔が固まった。
「わたしが言うこと以上のことを、知ろうとしないでほしいの。えっと、ホラ。詮索しないでほしいってことよ」
束縛を嫌う女の子が使う言葉だ。
説得力があるはず。
「そっそれならOKです! オレも知られたくないことがありますから!」
…ハッキリ言ったな。この子。
思いっきり自分が怪しいってことを。
「それでも良いなら、付き合ってくださるんですよね?」
「まあ…良いケド」
「いっ…」
あっ、ヤバイ!
わたしはとっさに耳を塞いで彼から離れた。
「ヤッター!」
ビリビリッと鼓膜が震えた。
「うっ…」
…予想通りの展開。
彼…正義は満面の笑顔で、素直に喜んでいた。
その様子を見て、まいっかなんて思ってしまった。
…お互いにとんでもない秘密を抱えていることを知らずに。
月花
つきか
陽菜子
ひなこ
。わたしの名前だ。
「はっはい」
突然呼び止められたわたしは、足を止めて振り返った。
真っ黒の髪に、顔を真っ赤に染めた男の子が立っている。
…見たことの無い顔だ。
「あのっ、オレっ、夜上正義って言います」
「はあ…」
夜上
やかみ
正義
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。…聞いたことの無い名前だ。
「ずっ…ずっとアナタのことが好きでした! オレと付き合ってください!」
そう言って深々と頭を下げ、右手をわたしに差し出した。
「…えっ、えーっと」
告白、だ。
「ダメ…ですか?」
夜上正義くんは恐る恐る顔を上げた。
…可愛い顔をしているな。
もしかして…。
「あの、失礼ですけど、年齢は…」
「あっ、一つ年下の高校1年です」
やっぱり…。
「とっ年下はダメですか?」
「そういうワケじゃないけど…」
別に好きな人も付き合っている人もいない。
この子は真面目そうだし、可愛い。
だけどわたしは…。
「う~ん…」
思わずうなって、腕組してしまう。
「やっやっぱりダメ、ですか…?」
だんだん暗い表情になっていく。
「ダメ…と言うか。わたし、まともに恋人作ったことないし…」
「構いません! てか安心しました!」
「女の子らしいところ、あんまり無いし…」
「いいです! オレはそういうところが良いんです!」
…それはわたしにとってはあまり良くはないんだけど。
「…かっ家族がウルサイし…」
「おっオレ、静かにしてます大人しくしてます! しつこくしませんからっ!」
……いや、もうウルサイし、しつこい段階だけど…。
でもこれだけわたしのことを好きでいてくれる証拠かもしれない。
「それじゃあ、一つだけ、約束してくれる?」
「はいっ! 何でも!」
「わたしのことを、深く知ろうとしないで」
「…えっ?」
彼の笑顔が固まった。
「わたしが言うこと以上のことを、知ろうとしないでほしいの。えっと、ホラ。詮索しないでほしいってことよ」
束縛を嫌う女の子が使う言葉だ。
説得力があるはず。
「そっそれならOKです! オレも知られたくないことがありますから!」
…ハッキリ言ったな。この子。
思いっきり自分が怪しいってことを。
「それでも良いなら、付き合ってくださるんですよね?」
「まあ…良いケド」
「いっ…」
あっ、ヤバイ!
わたしはとっさに耳を塞いで彼から離れた。
「ヤッター!」
ビリビリッと鼓膜が震えた。
「うっ…」
…予想通りの展開。
彼…正義は満面の笑顔で、素直に喜んでいた。
その様子を見て、まいっかなんて思ってしまった。
…お互いにとんでもない秘密を抱えていることを知らずに。
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