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旅立ち
20 海賊戦
しおりを挟む猫研究同好会のメンバーはヒラメとカレイのネコツキを召喚した
過去にモノノケと呼ばれた彼らをまるで使役したのだ
一様に細長い猫尾をコブラみたいな逆S字に立てて、鎌首をもたげて威嚇する
観光客達は悲鳴を上げて船底へ迅速に避難した
一方、そのどさくさに紛れてアルバートが海賊船へ逃げる
アルバートを追って海賊船を奪おう
という面白い指示が出た
船と船を架ける鉄板の上に、先へ進むよう矢印が表示されている
息子は一目散にそこへ向かったが、桜桃はさきほど手に入れた新しい大剣、桃剣ヒナマツリを構えた
雄叫びを上げて必死にヒラメとカレイに立ち向かう
息子が戦わなくていいイベントだと鉄板の上から何度伝えても、ネコツキに全身をかじられようとも戦いをやめようとしない
責任感が強いようだ
数十分後
敵は全滅した
成長した桜桃は一度もリタイアすることがなかった
桜桃は大きく腕を振って、こっちへ来いと息子を呼ぶ
もう大丈夫だ!
と嬉しそうに満足顔
息子からすればイベントが進まないので大丈ばない
やっとのことで二人は海賊船へ乗り込んだ
当然、猫研究同好会の面々が待ち構えている
今度は海老海賊団が立ちはだかる
もちろん鯛砲もいるよ
まーたあいつらか!
と叫んで桜桃は肩を落とした
残念、この戦いは避けられない
息子は不憫に思いアドバイスしてやる
威力は劣るけど、スカイハリ剣の必殺技を使うといいよ
範囲技でたくさん巻き込めるから楽になる
盾も装備できる
何だそれ
親父が初めてのボス戦で使った片手剣だよ
初めてのボス戦?
トーテムポールの敵と戦っただろう
あーあん時のな
売った
は?なんで?
バトルスタート!
息子は勝手に戦闘を始めるなと怒るがもう遅い
バカンスコーデのポニーテール美少女がお気にの桃剣ヒナマツリをぶん回して突撃する
なんと不器用な扱いだろうか
しかし、親父は確かに成長していた
敵の行動を学び、踊るように軽やかに身を翻す
それが一対一なら良いものの、多勢を相手にするなら問題が出てくる
考えなしに戦うからすぐ囲まれてダメージを余計にもらうのだ
大剣はガードが甘くなるのが欠点
そこで息子がCランクの桜島花火銃で援護してやる
親父!下がれって!
突っ込みすぎ!
わあ!俺を撃つんじゃない!
当たんないから心配すんな
そう言う問題じゃない!親に向かって撃つ奴があるか!
うえっ!
集中して!またリタイアするぞ!
うるさい!分かってら!
チームワーク最悪
それでも何とか蹴散らすことに成功した
最後に、桜桃がパステルカラーのエフェクトで飾るスキル雛霰を発動して残る二体を切り伏せた
直後、振り向いて無言で息子を睨む
何だよ
お父さんは疲れた
このゲームは疲れないよ
息するのが大変だ
仕方ないな
休憩にしよう
二人は目前に立つ大きな体躯の中ボスを前に一休みすることにした
ゲームだからこそ融通が利くのだ
親父が毎度99個ストックする回復薬をくたびれた猫研究同好会の面々に配ろうとしたのを息子は止めた
あのボスの頭に帽子みたいに舵が付いてるだろ
それをあそこにハメて船を動かすんだ
おっ!海賊船を運転出来るのか!
と桜桃が歓喜の声を上げる
出来るよ、あの中ボスを倒したら
お前が船を動かせ
いい、親父がやって
一緒にやろう
何でだよ
嫌だよ気持っち悪い
体格差からして美少女になった親父を後ろから抱く形で操舵することになりかねない
そんなドキドキサービスは超絶に嫌だと口には出せない
親父がやりゃいいんだよ
別に大したことじゃないし
それに、親父の為のゲームだろう
ううん、、、そうか
悩む必要ないぜ
お前がまだ小さい頃、船を運転したい、てワガママ言ったことがあってな
いつの話だよ
いいって
ゲームの中ならいつでも出来るから
分かった
ならお父さんに任せとけ
すぐ側で中ボスが二人の仲を見守っている
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