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家出して一ヶ月になるよ

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神父「お帰りなさい。そして、お疲れ様です」

イチゴ「ただいまー!おつかれー!」

ココア「また、へとへとでーす」

ミルク「すぐご飯食べて寝たいでーす」

神父「話は聞きました。今度もまた大変でしたね。クリスタルスカルの方々が側にいらっしゃって良かったです。君達が無事に帰ってきてくれたことが、私は何より嬉しいです」

イチゴ「神父さんみたいに、優しい人達じゃった。わしら友達になったんじゃぞ。また会えるかのう」

神父「彼らは世界を旅しながら仕事しています。それに、これからしばらく仕事を休むそうです」

イチゴ「何でじゃ」

神父「結婚の準備だそうです。それもダブル結婚です」

イチゴ「結婚か。ドリアンさんは可愛くて、マリアンさんは恥ずかしがりやじゃけど、べっぴんさんじゃった」

神父「マリアンさんは、元、映画の女優さんで、あまり人前に出たがらないのです。彗星のように現れて消えたので織姫や、かぐや姫と呼ばれて親しまれています」

イチゴ「ええのう。わしも何とか姫になりたい」

神父「なれるよう努力を続けなさい。困った時には、また彼らが助けに現れてくれるでしょう」

イチゴ「ほんまけ!」

神父「はい。そして、会えない時も見守ってくれているはずです」

イチゴ「そんなこと言うとった気がする」

神父「それが人と人の繋がり、絆です」

イチゴ「ミズナかあ」

神父「違う違う。キズナ」

ココア「ねえ、神父さん。部屋に戻って先にお風呂に入っていいですか」

神父「どうぞ。その間にご飯の用意をしておきます」

ミルク「今日の夜ご飯なに?」

神父「んー唐揚げにしようかなって考えてます」

イチゴ「やったー!やった!やった!」

神父「たくさん食べてください」

イチゴ「うん。いっぱい食べるけえ、いっぱい作ってくれ」

ココア「では、私はお先に失礼します」

イチゴ「おう!ブラウニーの風呂はわしに任せとけ」

ミルク「ちゃんと綺麗にしてあげてね」

イチゴ「ピカピカにしてやるぞ!」

ココア「どうしてこんなに元気なのでしょう」

ミルク「体力が凄いよね。筋トレの成果じゃない?」

ココア「あーそれですか」

神父「あ!待って三人とも!」

ココア「どうしました?」

神父「これを渡し忘れるところでした。はいどうぞ」

イチゴ「封筒?お小遣いけ?」

ミルク「あ!これ今日撮った写真だよ!」

ココア「いつの間に?」

神父「ああ、仕組みを知らないのですね。至急品のカメラは、撮影したその瞬間に、写真が教会へと自動的に電送される仕組みになっているのです。つまり、写真がすぐに教会へ届くということです」

ミルク「教会の偉い人達は怒ってなかったですか?」

神父「貴重な写真に感謝していましたよ。特に大型アンデットを間近で撮影した写真は珍しく、もしかしたらそのうち雑誌とかで紹介されちゃうかも」

イチゴ「それわしじゃ!わしが撮ったのじゃ!」

神父「イチゴさんは度胸がありますね。私も確認しましたが、とても迫力のある写真でした」

ココア「命知らずのバカなだけです」

イチゴ「悔しいんけ」

ココア「はあ?ぜんっぜんどーでもいい」

ミルク「余計に疲れるから喧嘩しないで」

神父「仲良しですね」

ココア「どーこーが?」

イチゴ「わしら仲良しじゃよ」

ココア「だからどこが?」

イチゴ「え、分からんのけ」

ココア「あー言えばこー言う」

ミルク「やめてーもう泣く体力もないからー」

神父「そうそう、特に素敵な写真がありました。最後の一枚です」

イチゴ「ジョーンさん達と一緒に撮った写真のことけ」

神父「その次です」

ミルク「あ、三人で撮ってもらった写真だ」

神父「大きな夕陽を背に輝く三つの笑顔は、まるで天使の微笑みでした」

ココア「神父さんらしいこと言って。けど、残念ながら私のは苦笑いです」

イチゴ「神父さんの前で嘘はあかん。いちばん嬉しそうにしとったじゃろう」

神父「写真を見ればわかりますよ。それでは、私は美味しい唐揚げの下準備をして待っていますね」

イチゴ「じゃ、わしはウンコ洗おう。違う、ブラウニーを洗ってやろう」

ココア「仕方ない。早く唐揚げが食べたいから手伝ってあげます」

ミルク「私も。みんなでやれば早く終わるからね」

イチゴ「じゃ、手え繋いで行こう」

ココア「何のために?」

イチゴ「明日でファミリーになって一ヶ月じゃ」

ミルク「うん、そうだね。そうしよう」

ココア「仕方ありませんね」

イチゴ「はい」

ココア「グローブは外してください」

ミルク「先にシスターさんに預けてきて」

イチゴ「うへえー面倒くさい」
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