メルヘンなんてクソくらえ!

旭ガ丘ひつじ

文字の大きさ
6 / 37

腹くくって覚悟しやがれ!

しおりを挟む
明くる朝。
ココに家の一階の掃除を任せ、チトは金稼ぎの情報を探しに町に出ました。

チト「ちっ、どこもしけてやがる」

カフェ「にゃーん」

チト「その時報やめろ」

チトは色々な店を調査しましたが、どいつもこいつも死んだような顔しやがって、とてもヘドが出る思いでした。

チト「はあ……ここしかないか」

チトは魔女の助言に、ものすごく嫌々従って、かなり渋々と町役場へとやってきました。

チト「子供は相手にしない?上等よ、逆に相手してやるわ」

結果というか結局。
チトは追い出されることになりましたが、そこへ、ヒゲを好き勝手に生やした汚い大きなおじさんが話しかけてきました。

おじさん「どうした。仕事を探しているのか?」

チト「だったら何よ。おじさんみたいな人間が、まともな仕事を紹介してくれるわけないよね?」

おじさん「ああ、おじさんには紹介できない」

チト「だったら失せな」

おじさん「そう言わずに、ひとつ聞いてくれないか」

チト「何よ」

おじさん「この町に唯一ある、カフェ・プリンセスを知っているか?」

チト「で?」

おじさん「そこではいつも、様々な仕事の町人達が集まって、色々な情報を交わしているんだ。実はカフェとは、人と人が交流する場所なんだよ」

チト「へー、それマジ?」

おじさん「一度行ってみるといい。ただし、危ない人には近づいちゃ駄目だぞ」

チト「おじさんみたいな?」

おじさん「ははは!そうそう」

チト「ま、ありがとう。そしてさようなら」すたすた

おじさん「待ちなさい」

チト「もー何よ」くるり

おじさん「これを、君にプレゼントしよう」

チトは羊毛で作られた、可愛い女の子のお人形さんを、一体もらいました。

フェルトおじさん「おじさんはそいつを作るのが仕事でね。出会いの記念にどうぞ」

チト「いいの?」ぎゅ

フェルトおじさん「大切にしてあげてね」

チト「うん。約束します」ぎゅう

フェルトおじさん「では、気を付けて」すたすた

おじさんは、とてもいい人でした。
チトは、少しは態度を改めるべきだな、と。
ほんの少しだけ思いました。

カフェ「にゃーん」

チト「お、丁度お昼ね」

チトは一度家に帰ると、ココを連れて、カフェ・プリンセスへと向かいました。

ココ「サンドウィッチだって、美味しそう!」

チト「財宝も売り切った。ここで必ず仕事見つけないとね」

チトはサンドウィッチを貪りながら、耳を最大限に活用しました。

ゴロツキ「おい、今夜だぜ」

ゴロツキー「ああ、馬鹿共の殴り合いか」

ゴロツキ「金持ちがお忍びで訪れて、賞金をくれるんだぞ」

ゴロツキー「だからって参加したら、命がいくつあっても足らんよ」

チト「右手が疼くわ」

ココ「え?」

チトは直感いえ本能的に、これは金になる、と確信しました。
そして家に帰り夜を待って、カフェに相談をしました。

チト「私は殴り合う。おまじないをかけろ」

ココ「チト、それはやめてよ!」

カフェ「そう。やめなさい」

チト「やるってもう決めたのよ」

カフェ「そもそもあんた、魔女もおまじないも嫌いでしょう」

チト「金の為なら、何だってするわ。あの時みたいにね」

カフェ「あたしの家でのこと?」

チト「そ」

カフェ「はぁ……。駄目なものは駄目よ」

ココ「そうだよ、やめてよ」

ぺちん!

チト「私はね、覚悟してここにいるの!」

ココ「でもお……」グスッ

チト「お姉ちゃんが傷つくのが嫌か」

ココ「うん……」しくしく

チト「私は、ココが鳥かごに入れられても、一ヶ月、死ぬ気で働いた。辛いけれど覚悟して、耐えて耐えてね!」

ココ「うう……」しくしく

チト「泣くな!強くなりなさい!」

ココ「ん……」ぐすっ

チト「男でしょう。ほら、シャキッとしなさい」なでなで

ココ「はい!」シャキッ

チト「覚悟はできたね」

ココ「うん!」

チト「よし!さすが私の弟!」

カフェ「チト」

チト「やれ」

カフェ「……嫌」ぷい

チト「さあやれ!私達姉弟の覚悟を無駄にするか!」

カフェ「嫌な予感がするのよ!」

チト「どんな残酷な運命も受け入れて乗り越える。今までだって、これからもね!」

カフェ「もう、わかりました。いいでしょう」

カフェが例のおまじないを唱えると、チトの中で力がたぎりましたとさ。

続け!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

あなたが決めたことよ

アーエル
恋愛
その日は私の誕生日パーティーの三日前のことでした。 前触れもなく「婚約の話は無かったことにしよう」と言われたのです。 ‪✰他社でも公開

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」

歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。 「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは 泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析 能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り 続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。 婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

生きるために逃げだした。幸せになりたい。

白水緑
ファンタジー
屋敷内に軟禁状態だったリリアは、宝物を取り戻したことをきっかけに屋敷から逃げ出した。幸せになるために。体力も力もない。成り行きに身を任せる結果になっても、自分の道は自分で選びたい。 2020/9/19 第一章終了 続きが書け次第また連載再開します。 2021/2/14 第二章開幕 2021/2/28 完結

公爵令嬢は結婚式当日に死んだ

白雲八鈴
恋愛
 今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。 「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」  突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。 婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。  そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。  その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……  生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。  婚約者とその番という女性に 『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』 そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。 *タグ注意 *不快であれば閉じてください。

処理中です...