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世の中は都合良くできちゃいねえんだよ!
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チトが町から出ると、後ろから次々に兵士達が姿を現しました。
チト「監視なんて付けなくても、逃げないし」ぶーぶー
不満を口にするチトの前に立って、騎士が淡々と言います。
騎士「行くか」
チト「その馬に乗せてちょうだい」
騎士「それは何故か」
チト「私、子供なわけ。すぐに疲れて歩けなくなるわ。それは、あなた達にとって、とても困ることでしょう」
騎士「こいつは、我以外の人間を乗せないのだが、果たして貴様は乗れるか」
チト「ぐずぐずしてないで、ほら行くよ」
チトは馬にまたがって、そう言いました。
騎士「乗れたか……」
チトの後ろに騎士がまたがり、それを先頭に、一行は列をなして進みます。
チト「どれくらいかかるの?」
騎士「おおよそ、五日ほどか」
チト「うわあ……。よく、わざわざ五日もかけて、ここまで来たね」
騎士「我々は、忠誠を誓って王の命に従っており、いつ死のうとも、それは変わらぬものか」
チト「かーかーかーかー、お前はカラスか」
騎士「それはどうか」
チト「そうなの。だから、かまどで焼かれて焼鳥になれ」
騎士「またいつか」
チト「ちっ」
長い間、一行は休むことなく進み、起伏のまばらな広い森の中へとやって来ました。
それから月明かりが照らす頃になって、ようやく腰を下ろしました。
チト「飯」
騎士「食いたいか」
チト「もちろん。人権くらい大切にしなさいよ、騎士なんだし」
騎士「そろそろ飯にするか!いいか!」
騎士が、そう大声で呼び掛けると、兵士達はせっせと支度を始めました。
チト「今夜の食事は?」
騎士「今残っているは、エンドウ豆と麦か」
チト「何で町で調達しなかったのよ」
騎士「何か、豆の粥は嫌か」
チト「そういうことじゃなくて……ほら豪勢に……。まいいわ、我慢してあげる」
食事の支度が済むと、チトは、粥を口に入れる度に文句を口から出して、結局、粥を三杯も平らげました。
チト「じゃ、私は木の上にいるから」
騎士「何故か」
チト「いやらしいオオカミさんに囲まれちゃあ、可愛い羊さんは、安心して眠れないじゃないの」
騎士「そうなのか。ならいいが、逃げたらどうなるか」
チト「はいはい、逃げませんよ」
チトはそう言った後、スルスルと木の上に登り、カフェに静かに話しかけました。
チト「早く猫になって」
カフェ「どうしたか」
チト「あいつの真似するな」いら
カフェ「で、何用よ。勝手に道連れにしといて」
チト「おまじないをかけなさい」
カフェ「やだし」
チト「私だって、本当はやだし」
カフェ「そうなの?」
チト「都合のいいおまじないなんて、本当は大嫌いよ。でもね、私は町へ帰らなくちゃいけないの」
カフェ「ココが待」
チト「私としたことが。おばさんから、賃金を貰い損ねたわ」
カフェ「…………」じとー
チト「さ。奴等を折檻する為に、おまじないをかけなさい」
カフェ「絶対やだし。何度も同じことを言わせるんじゃないよ」
チト「はいでた!また説教する気!」
騎士「どうしたかー!」ずざあっ!
カフェ「にゃーん」
騎士「何か、猫と話しているのか」すたすた
チト「おまじないを使うと、何が起きるって言うのよ」
カフェ「こういうことよ」
チト「は?」
カフェ「あんたが魔女に関わっていて、おまじないを使える。そんな話を誰かが王様の耳に入れたんでしょう。だからこうして、あんたを捕らえに来たのよ」
チト「わざわざ五日もかけたり、いちいち町の大人を拐ってまで?」
カフェ「ええ、全て計画された事でしょう。それに、これから先もきっと、繰り返し来るでしょうね」
チト「来るなら来なさい。その度に、何度だって返り討ちにしてやるわ」
カフェ「今は利用する為に親切にしてくれているけれど、見限られたら、それこそ国を挙げて殺されるわよ」
チト「それは、魔女狩りのことね」
カフェ「!」
チト「火炙りにされるのよね」
カフェ「そう……そうよ。生きたまま杭に縛られて燃やされるの!誰も助けてはくれないのよ!!」
チト「しっー!」
カフェ「そんなことはさせない……」
チト「え?」
カフェ「あんたも、ココも死なせやしない」
チト「カフェ……?」
カフェ「いい?今回限りよ。あたしはこの先、おまじないを、もう二度とあんたにかけない」
カフェは強い眼差しで語り、続けて言いました。
カフェ「あたしが、あんたが嫌うメルヘンのような、ハッピーエンドに導いてあげる」
チト「調子に乗らないで。そんなの死んでもごめんよ」
カフェ「チト」
チト「私はね、ご都合主義なメルヘンが大嫌い。世の中をなめすぎだし、現実を見てみろっての。どんなに努力しても奇跡なんて起こらないし!神様も助けてやくれないし!メルヘンなんてクソくらえ!!」
カフェ「しっー!」
騎士「何事かーーー!」ずざしゃあ!
チト「てめえのせいでイラついんてだよこっちは!うっとおしい!ストレス溜まるから離れてろ!!」
騎士「お、怒っているか。ならそうするか……みんないいかー……」とぼとぼ
チト「でもね……ただひとつだけ。共感出来ることがあるわ」
カフェ「それは何?」
チト「悪には情けも容赦もいらない。残酷で無惨凄惨な罰を受けて想像を絶する痛みに悶えて絶望を味わって死んだら地獄へ真っ直ぐ堕ちて一生苦しめクソ野郎。ってとこ」
カフェ「あんた、メルヘンをかなり読んだわね」
チト「小さい頃にね。それしか娯楽がなかったし、それに、ココによく読んであげてたし」
カフェ「そう」かたぽん
チト「何よそのカタポン。ここから突き落とすよ」
カフェ「今、そんなことをしている場合かしら」
チト「作戦会議よ」
カフェ「ええ、そうしましょう」
それから、皆が寝静まった真夜中。
チト「私には戦う力も、現実を変える力もないのが、本当に悔やしい」
カフェ「そう悲観しない、あんたはよくやっているわ。それにおまじないは、今日で最後だから我慢なさい」
チト「最後……になるといいけど」
カフェ「さあ、かけるよ」
カフェは唱えます。
グリムグリムゴボウノササガキカイパンイッチョウ。
無駄に長いおまじないを。
チト「お?」ぴょこん
そうしたら。
チトに猫耳と猫尻尾が生え、爪も少し伸びました。
カフェ「これであんたは、猫の能力を得たはずよ」
チト「不思議、暗闇なのによく見えるわ」しっぽふいふい
カフェ「猫だからね」
チト「でも、これはいらない」ぷちっ
カフェ「ちょっと!尻尾はバランスを取るために大事なのよ!」
チト「それを早く言いなさいよ」ぺた
カフェ「あと、これも」はいにゃ
カフェは、木の枝を一本、シダのしゅもく杖に変えて渡しました。
チト「こんなので、鉄砲や槍に勝てると思うわけ?」
カフェ「シダの木は、鉄の木と呼ばれるくらい堅いのよ。鉄砲の方は頑張って避けなさい」
チト「ちぇ。やっぱり役立たずね」
カフェ「今なんて?」いら
チト「たくさん頭のあるドラゴンを出しなさいよ」ほらほら
カフェ「そんなの出せるか!」しゃー!
チト「はあ……仕方ない。これで殺るしかないなら、これで殺るか」
チトはそう言って、しゅもく杖を握り締めました。
カフェ「殺す気?」
チト「あなたと一緒にしないで」
カフェ「そう」
チト「いい?遅れないでよ」
カフェ「ふんっ。そっちこそしくじらないでよ」
二人は、一度笑顔を交わすと。
同時に飛び降りましたとさ。
戦え!
チト「監視なんて付けなくても、逃げないし」ぶーぶー
不満を口にするチトの前に立って、騎士が淡々と言います。
騎士「行くか」
チト「その馬に乗せてちょうだい」
騎士「それは何故か」
チト「私、子供なわけ。すぐに疲れて歩けなくなるわ。それは、あなた達にとって、とても困ることでしょう」
騎士「こいつは、我以外の人間を乗せないのだが、果たして貴様は乗れるか」
チト「ぐずぐずしてないで、ほら行くよ」
チトは馬にまたがって、そう言いました。
騎士「乗れたか……」
チトの後ろに騎士がまたがり、それを先頭に、一行は列をなして進みます。
チト「どれくらいかかるの?」
騎士「おおよそ、五日ほどか」
チト「うわあ……。よく、わざわざ五日もかけて、ここまで来たね」
騎士「我々は、忠誠を誓って王の命に従っており、いつ死のうとも、それは変わらぬものか」
チト「かーかーかーかー、お前はカラスか」
騎士「それはどうか」
チト「そうなの。だから、かまどで焼かれて焼鳥になれ」
騎士「またいつか」
チト「ちっ」
長い間、一行は休むことなく進み、起伏のまばらな広い森の中へとやって来ました。
それから月明かりが照らす頃になって、ようやく腰を下ろしました。
チト「飯」
騎士「食いたいか」
チト「もちろん。人権くらい大切にしなさいよ、騎士なんだし」
騎士「そろそろ飯にするか!いいか!」
騎士が、そう大声で呼び掛けると、兵士達はせっせと支度を始めました。
チト「今夜の食事は?」
騎士「今残っているは、エンドウ豆と麦か」
チト「何で町で調達しなかったのよ」
騎士「何か、豆の粥は嫌か」
チト「そういうことじゃなくて……ほら豪勢に……。まいいわ、我慢してあげる」
食事の支度が済むと、チトは、粥を口に入れる度に文句を口から出して、結局、粥を三杯も平らげました。
チト「じゃ、私は木の上にいるから」
騎士「何故か」
チト「いやらしいオオカミさんに囲まれちゃあ、可愛い羊さんは、安心して眠れないじゃないの」
騎士「そうなのか。ならいいが、逃げたらどうなるか」
チト「はいはい、逃げませんよ」
チトはそう言った後、スルスルと木の上に登り、カフェに静かに話しかけました。
チト「早く猫になって」
カフェ「どうしたか」
チト「あいつの真似するな」いら
カフェ「で、何用よ。勝手に道連れにしといて」
チト「おまじないをかけなさい」
カフェ「やだし」
チト「私だって、本当はやだし」
カフェ「そうなの?」
チト「都合のいいおまじないなんて、本当は大嫌いよ。でもね、私は町へ帰らなくちゃいけないの」
カフェ「ココが待」
チト「私としたことが。おばさんから、賃金を貰い損ねたわ」
カフェ「…………」じとー
チト「さ。奴等を折檻する為に、おまじないをかけなさい」
カフェ「絶対やだし。何度も同じことを言わせるんじゃないよ」
チト「はいでた!また説教する気!」
騎士「どうしたかー!」ずざあっ!
カフェ「にゃーん」
騎士「何か、猫と話しているのか」すたすた
チト「おまじないを使うと、何が起きるって言うのよ」
カフェ「こういうことよ」
チト「は?」
カフェ「あんたが魔女に関わっていて、おまじないを使える。そんな話を誰かが王様の耳に入れたんでしょう。だからこうして、あんたを捕らえに来たのよ」
チト「わざわざ五日もかけたり、いちいち町の大人を拐ってまで?」
カフェ「ええ、全て計画された事でしょう。それに、これから先もきっと、繰り返し来るでしょうね」
チト「来るなら来なさい。その度に、何度だって返り討ちにしてやるわ」
カフェ「今は利用する為に親切にしてくれているけれど、見限られたら、それこそ国を挙げて殺されるわよ」
チト「それは、魔女狩りのことね」
カフェ「!」
チト「火炙りにされるのよね」
カフェ「そう……そうよ。生きたまま杭に縛られて燃やされるの!誰も助けてはくれないのよ!!」
チト「しっー!」
カフェ「そんなことはさせない……」
チト「え?」
カフェ「あんたも、ココも死なせやしない」
チト「カフェ……?」
カフェ「いい?今回限りよ。あたしはこの先、おまじないを、もう二度とあんたにかけない」
カフェは強い眼差しで語り、続けて言いました。
カフェ「あたしが、あんたが嫌うメルヘンのような、ハッピーエンドに導いてあげる」
チト「調子に乗らないで。そんなの死んでもごめんよ」
カフェ「チト」
チト「私はね、ご都合主義なメルヘンが大嫌い。世の中をなめすぎだし、現実を見てみろっての。どんなに努力しても奇跡なんて起こらないし!神様も助けてやくれないし!メルヘンなんてクソくらえ!!」
カフェ「しっー!」
騎士「何事かーーー!」ずざしゃあ!
チト「てめえのせいでイラついんてだよこっちは!うっとおしい!ストレス溜まるから離れてろ!!」
騎士「お、怒っているか。ならそうするか……みんないいかー……」とぼとぼ
チト「でもね……ただひとつだけ。共感出来ることがあるわ」
カフェ「それは何?」
チト「悪には情けも容赦もいらない。残酷で無惨凄惨な罰を受けて想像を絶する痛みに悶えて絶望を味わって死んだら地獄へ真っ直ぐ堕ちて一生苦しめクソ野郎。ってとこ」
カフェ「あんた、メルヘンをかなり読んだわね」
チト「小さい頃にね。それしか娯楽がなかったし、それに、ココによく読んであげてたし」
カフェ「そう」かたぽん
チト「何よそのカタポン。ここから突き落とすよ」
カフェ「今、そんなことをしている場合かしら」
チト「作戦会議よ」
カフェ「ええ、そうしましょう」
それから、皆が寝静まった真夜中。
チト「私には戦う力も、現実を変える力もないのが、本当に悔やしい」
カフェ「そう悲観しない、あんたはよくやっているわ。それにおまじないは、今日で最後だから我慢なさい」
チト「最後……になるといいけど」
カフェ「さあ、かけるよ」
カフェは唱えます。
グリムグリムゴボウノササガキカイパンイッチョウ。
無駄に長いおまじないを。
チト「お?」ぴょこん
そうしたら。
チトに猫耳と猫尻尾が生え、爪も少し伸びました。
カフェ「これであんたは、猫の能力を得たはずよ」
チト「不思議、暗闇なのによく見えるわ」しっぽふいふい
カフェ「猫だからね」
チト「でも、これはいらない」ぷちっ
カフェ「ちょっと!尻尾はバランスを取るために大事なのよ!」
チト「それを早く言いなさいよ」ぺた
カフェ「あと、これも」はいにゃ
カフェは、木の枝を一本、シダのしゅもく杖に変えて渡しました。
チト「こんなので、鉄砲や槍に勝てると思うわけ?」
カフェ「シダの木は、鉄の木と呼ばれるくらい堅いのよ。鉄砲の方は頑張って避けなさい」
チト「ちぇ。やっぱり役立たずね」
カフェ「今なんて?」いら
チト「たくさん頭のあるドラゴンを出しなさいよ」ほらほら
カフェ「そんなの出せるか!」しゃー!
チト「はあ……仕方ない。これで殺るしかないなら、これで殺るか」
チトはそう言って、しゅもく杖を握り締めました。
カフェ「殺す気?」
チト「あなたと一緒にしないで」
カフェ「そう」
チト「いい?遅れないでよ」
カフェ「ふんっ。そっちこそしくじらないでよ」
二人は、一度笑顔を交わすと。
同時に飛び降りましたとさ。
戦え!
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