メルヘンなんてクソくらえ!

旭ガ丘ひつじ

文字の大きさ
27 / 37

夢ってのは使い捨ての燃料なんだぜ!

しおりを挟む
この町での残り少ない夜の一つ。
ベッドの上に、二人の姉弟と、その間に猫が一匹。

ココ「カフェ!お話を読んで!」

カフェ「もう自分で読めるでしょう」

ココ「読んでほしいの!」

カフェ「お姉ちゃんに頼みなさいな」

ココ「無理言わないでよ」ひそ

チト「今なんて?」

ココ「ごめんなさい!」ひぃ!

チト「貸しなさい」

ココ「え?読んでくれるの?」

チト「何よ」じとー

ココ「だってメルヘンだよ!チトが嫌いなメルヘンなんだよ!」

チト「えーと。藁と炭と豆の笑える話、短いしこれにしよ」ぺら

カフェ「良かったわね」

ココ「うん!」


ある家のババアが、腹減って豆を煮て食おうとした。

かまどに火を起こして、よく燃えるように藁を掴んで放り込んで、水を入れた深鍋を沸かした。

で、沸いたら深皿いっぱいの豆をぶち込んでやった。

豆が一つ、バレないように逃げた。
てかぶっちゃけ、たまたま落ちた。

ついでに、藁も一本逃げてた。
てかぶっちゃけ、たまたま落ちてた。

その先に、真っ先に逃げ出していた炭がいて。
「どこからきたの?」
て聞いた。

豆(低い声)「深皿から、こぼれ落ちたのよ」

藁(高い声)「ババ、お婆さんの指の間を、すり抜けて落ちたの」

炭は言いました。

炭(カフェ)「てかさ、力づくで逃げなかったら、危うく、燃え尽きてしまうところだったわ」

藁(高い声)「私の仲間は、六百本、六百本てひひひ、も、も燃やされたわ。私も逃げて良かった」

豆(低い声)「私も同じ。私の仲間なんて全滅よ。全滅ー!はは……ふぅ」

じゃ、もうこんな哀しい事が起きないような、どこか遠い所へ行こうと皆は決めて外に出ました。

で、その先。川があったわけ。
渡ろうにも、橋がねえ板もねえ。
そこで、藁が言った。

藁(高い声)「私が橋になるわ!あなた達は私を渡りなさい!」

豆(低い声)「そんな!そんなこと!」

藁(高い声)「いいから行って!」

そうして、せっかちな炭が先に渡ることになりました。
で、真ん中辺りで下見て。

炭(カフェ)「凄い流れ。私恐いわ……」

と足を止めたもんだから、はは、藁が燃えやがっ、へへっひっ、燃え上がって落ちたきっきっきっきっきっ!


ココ「もう!チト!」

チト「はーあ……はいはい」


したら炭まで落ちて、えっへっへっへっ!
ジュッて息絶えたってはっはっはっはっはっ!

でさ、それ見た豆。
腹かかえて大爆笑よ。
したら、はひゅっ……パンッてはじけて危うくおだぶつーうっふっふっふっ!

ふぅーう……ふっ。
そこに優しい小人が通りがかって、豆を黒い糸で縫ったから、ソラマメには黒い縫い跡があるんだってよ。


チト「おしまい!」

ココ「もー」

チト「何よ。文句あるの?」ぷくー

ココ「ううん、ありがとう。はい次はカフェお願い!」

カフェ「ええー」

ココ「読んで!」

カフェ「じゃ、金の球ね」


ある木こりの家に、男三兄弟がいました。
一番下の弟は何やってもドジばかりで、のろまと、家族からも町の人からもそう呼ばれていました。

さて、そんなある日。
三兄弟は浮気して出て行った父の代わりに、木こりの仕事をすると言いました。
母は、一番目と二番目の兄にパンと酒を持たせて見送りました。
一番下の弟はのろまなので、行かせませんでした。

それから二人の兄弟が森に入ると、ある木の根で、一人の小人が休んでいました。
小人は、二人を見るとこう言いました。

「ひもじいので、パンとお酒を少しでも分けておくれ」

兄弟はそれに対して、口を揃えて答えました。

兄弟(チト)「死んでもやだし」

すると、小人は呪いの言葉を吐き捨て、森の奥へ消えました。

その後、仕事を始めた二人でしたが、斧で怪我をして家に血塗れで帰りました。

数日後。
下の弟があまりにも口煩いものですから、母は、カビたパンとお酢を持たせて、下の弟を仕事に行かせました。

こうして森へ入った弟の前に、あの小人が、同じ場所に現れました。
小人は、上の兄二人に言ったことと、まったく同じことを言いました。
それに対して下の弟は。

のろま(ココ)「分けてあげたいけれど、僕が持っているのはカビたパンだけだよ」

それでも小人は、いいから頂戴と言いました。
下の弟が仕方なくカビたパンを出すと、それは立派なパンケーキが出てきました。
しかも空のお酢のビンには、上等なワインが入っていました。

二人は大騒ぎの大盛り上がり。
そして別れ際、小人は下の弟に、あそこにある木を切るといい。
と残して、森の奥へ消えました。

下の弟がそれに従って、ある木を切ると、根本から金の球が出てきました。

下の弟は大喜びして、とりあえず近くにあった宿で休みました。
下の弟が眠っている間、宿屋の娘の一人が部屋に忍び込んで、男の金の球を盗もうとしました。
ところが、なんということでしょう。
男の金の球から手が離れないのです。
そこへ姉がやって来て、引き離そうと妹を掴んだら、同じく、妹から手が離れなくなりました。

ところで、下の弟は一度も起きることなく、ぐっすりと翌朝まで眠っていたのですが。
起きてびっくり。
金の球からたくさんの人が伸びていたのです。

でも、まあいいや。
これを王様にやって、美しいお姫様をもらおうと、下の弟はお城に向かいました。

その頃。
お城では、一度も笑わない姫を笑わせよ大会が開催しておりました。
成功者は、姫と結婚することができます。

そこへ、下の弟が乱入しました。
いきなり登場した下の弟を見て、お姫様は腹筋崩壊。
なぜなら、男の金の球から、たくさんの人が伸びていたからです。

でも、王様は。
のろまで有名な奴に娘はやりたくないと、下の弟にこう命じました。

「私が作った激辛パンを食える奴と、激酸っぱワインを飲める奴を連れてまいれえ!」

下の弟は困って、小人と出会った場所へ行きました。
そこには小人がいて、任せてもらっても構わんのだよ、と言いました。
連れていきました、小人は食べて飲みました。

王様はムキになって、新たにこう命じました。

王様(ココ)「陸も空も海も走る船を持ってこい!」

それは簡単と、小人がその船を出すと、王様はとうとう観念して下の弟に娘をやりました。
それから下の弟は、老衰するまで有頂天。


カフェ「ふぅ……」

ココ「最後!もうひとつ読んで!」

チト「もう寝なさい……ふあーあ……ねむ」ねむー…

ココ「チト、お願い!」

チト「カフェがいるのにーなんでー」

カフェ「甘ったれんじゃにゃいよ!あんたお姉ちゃんでしょう!」

チト「ちっ、真似するなし」

カフェ「別にしてないし」べー

チト「この野郎……!」いら

ココ「お姉ちゃん!」

チト「はいはい。えー……あ、家に寄生する小人の話」ぺら


ある靴屋が、靴片方しか作れないくらい金無しでピンチ。
靴片方作って寝たら、翌朝両方揃っててびっくり。
それからも片方作ったら、翌朝両方揃ってて大繁盛。
しばらくして、夫婦で夜中、誰のおかげか覗き見したら、全裸の小人男性がいて。
翌日、お礼におブラジャーとおパンティをプレゼントしたら喜んでくれた話!


チト「しゃあ!おやすみ!」

ココ「えー……」

カフェ「あんたも苦労するねえ」ぽふ

チト「すっー……すっー……」すや…

ココ「そんなことないよ。お姉ちゃんのおかげで、僕は不自由なく、ひもじい思いもせずに、毎日楽しく暮らしているんだから」

カフェ「じゃあ、お礼に何かプレゼントしてあげたら?さっきの話みたいに」

ココ「そうだね。お姉ちゃん、いつもありがとう」ちゅ

カフェ「あらま、微笑ましいねえ」にこにこ

チト「まだ起きてるし……」てれ

ココ「お!お休みなさい!」

二人の優しい想い、愛情は。
カフェの中で、そっと溶けていきましたとさ。

続け!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

ねえ、テレジア。君も愛人を囲って構わない。

夏目
恋愛
愛している王子が愛人を連れてきた。私も愛人をつくっていいと言われた。私は、あなたが好きなのに。 (小説家になろう様にも投稿しています)

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」

歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。 「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは 泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析 能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り 続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。 婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

処理中です...