15 / 36
第十五話過去とお隣さん③
しおりを挟む
千乃さんが自分の過去や彼氏を作らない理由を話してくれたのに僕だけ話さないのはよくないと思った。
「僕の話も聞いてくれます?」
「いいよ、私ばっか話してたから」
「僕の家は少し変わっているんです」
「うん、知ってる」
「え?なんで知ってるすか?」
「文也くんが風邪で寝込んでいるときに青星ちゃんから聞いたの」
「姉さん勝手にそんな事話してたのかよ、まったく」
「だから頼れる人がいないって聞いた」
「そうか、じゃあ僕たちの母さんの事も知ってるんだよね?」
「知ってるね」
「僕たちの母さんは突然姿を消したんだ。僕はその時小学校低学年だったからよく分からなかった。でもその少し後に分かったよ。下校中に母さんを見つけた、僕が母さんのとこに駆け寄ろうとしたら姉さんが僕を止めた。その時母さんは僕たちの知らない男と話していた。その瞬間僕はすべて理解した。母さんが浮気をしているという事、僕たちは捨てられたという事それから僕は女性が苦手になった。そんなこんなで今があるんですよ」
「そんな事があったんだ。なんか私たち似てるね」
「確かにそうですね」
私たち、僕たちはお互いのことを少しずつ知り始めていった。
「私そろそろ帰るわ、今日はありがとね」
「いえいえ、こちらこそ」
「じゃあこれからよろしくね、私の彼氏君」
「偽ですけどね、分かりました」
それから千乃さんが帰った後に今日のことを色々と思い返してみた。考えても仕方ないな風呂でも入るかと思ったが風呂の中でもずっとボーっとしてしまった。その日は布団に入っても根付きが悪かった。
私は文也くんの事を少しずつ知っていける気がした。そんな事を考えたりしたらなんだか楽しくなってきた。今夜はいい夢が見れそうだ。
「僕の話も聞いてくれます?」
「いいよ、私ばっか話してたから」
「僕の家は少し変わっているんです」
「うん、知ってる」
「え?なんで知ってるすか?」
「文也くんが風邪で寝込んでいるときに青星ちゃんから聞いたの」
「姉さん勝手にそんな事話してたのかよ、まったく」
「だから頼れる人がいないって聞いた」
「そうか、じゃあ僕たちの母さんの事も知ってるんだよね?」
「知ってるね」
「僕たちの母さんは突然姿を消したんだ。僕はその時小学校低学年だったからよく分からなかった。でもその少し後に分かったよ。下校中に母さんを見つけた、僕が母さんのとこに駆け寄ろうとしたら姉さんが僕を止めた。その時母さんは僕たちの知らない男と話していた。その瞬間僕はすべて理解した。母さんが浮気をしているという事、僕たちは捨てられたという事それから僕は女性が苦手になった。そんなこんなで今があるんですよ」
「そんな事があったんだ。なんか私たち似てるね」
「確かにそうですね」
私たち、僕たちはお互いのことを少しずつ知り始めていった。
「私そろそろ帰るわ、今日はありがとね」
「いえいえ、こちらこそ」
「じゃあこれからよろしくね、私の彼氏君」
「偽ですけどね、分かりました」
それから千乃さんが帰った後に今日のことを色々と思い返してみた。考えても仕方ないな風呂でも入るかと思ったが風呂の中でもずっとボーっとしてしまった。その日は布団に入っても根付きが悪かった。
私は文也くんの事を少しずつ知っていける気がした。そんな事を考えたりしたらなんだか楽しくなってきた。今夜はいい夢が見れそうだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる