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亡霊
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樋「姫木花梨…。」
康平の言葉に周りの空気は変わった。
樋「12年前、姫木は死んだ。崖から飛び降りて、そう思ってた」
神「…何が言いたい?」
樋「…もし、姫木が本当は死んでなかったとしたら?本当は生きてて、俺たちに復讐しようとしてるんだとしたら…。」
神「そんなわけないだろ!」
陽介は突然大声を出した。
神「…あそこの川は流れも早い。あんなところから飛び降りて生きてられるはずがない。」
樋「…けど、死体は見つかってない。」
そう、12年経った今も、死体は見つかっていなかった。
樋「それに、俺たち全員に恨みを持ってるのは姫木か…。」
矢「樋口君?」
樋「…姫木か、副園長先生しかいない。」
高「副園長って園長先生の旦那さん?」
樋「ああ。」
本「…あの。」
その時、慶太が口を開いた。
本「副園長先生が犯人ということはないと思います。」
樋「どういうことだ?」
本「実は、去年副園長先生に偶然会ったんです。」
神「それ本当か!?」
本「はい。そのときの先生、車椅子に乗ってました。それに、僕たちのこと覚えてないようでした。」
樋「覚えてない?」
本「なんでかは分からないですけど。とてもこんなことできるようには見えませんでした。」
樋「…。」
高「じゃあ、やっぱり姫木さんが犯人?」
神「いや、でも…。」
ポーン。
『皆様、やっと思い出されたようですね。』
その時、機長が出てきた。
さっきと違い画面が暗くなっており、そこに佇む機長はより恐ろしく見えた。
『施設が閉鎖になってから12年。皆さんたくさんの事を経験されたことでしょう。』
機長は画面内をゆっくりと歩く。
『高校生活、就職、恋愛…。しかし、彼女はそのどれも味わうことなく人生を終えてしまった…。』
神「ち、ちょっと待ってくれよ!虐めてたのは五十嵐と柴宮だろ!?」
高「そ、そうだよ!私たちなにもしてないし!」
『何もしていない?彼女を無視し続けていたのはいったい誰でしょう?』
高「…。」
『彼女は助けを求め続けていました。痛みに耐えながら、毎日毎日「誰か、誰か助けて」って涙を流しながら、毎日毎日毎日!…しかし、貴方たちはその気持ちに気づくことはなかった。』
康平たちは何も言うことができなかった。
『さて、もうすぐ3時間が経ちます。皆様、頑張って答えを導き出してください。』
そう言うと画面は消えた。
康平たちの中には確信が生まれていた。
これは12年前の復讐だと。
12年間止まっていた時間が動き出そうとしていた。
残り2時間。
康平たちは未だに答えが導き出せずにいた。
美織の彼氏、康平の母、副園長の華園英寿、そして死んだと思われていた姫木花梨。
ここまで自分の過去に触れてきた康平たちは、これ以上の答えを出すことに躊躇いがあった。
しかし、答えを出さなければ死ぬことになる。
康平たちは葛藤していた。
神「ど、どうする?もう姫木が犯人だって言っちゃおうか?」
樋「だ、ダメだ!」
康平は大声で陽介の考えを否定した。
樋「情報が少なすぎる。下手にボタン押して間違えたら、死ぬことになるんだ!」
神「わ、悪い…。」
樋「慌てちゃダメだ。まだ2時間ある。皆で協力して考えよう。」
康平は落ち着いて今までの状況を整理していた。
樋「(落ち着け、落ち着け。最初からよく思い出すんだ。まず、俺たちは飲み会のあとに拉致されそれから…。)」
康平はそこで妙なことに気付いた。
樋「…あれ?」
神「どうした?」
樋「なぁ、俺たちって飲み会帰りに襲われたんだよな?」
神「ああ。」
樋「そもそも俺たちって何で飲み会することになったんだ?」
高「えっ?」
神「いや、そりゃ五十嵐に「皆で飲み会に行こう」って久しぶりに誘われて…。」
樋「五十嵐とは前から連絡取ってたのか?」
神「いや、飲み会の日に久しぶりに…。それ以前は連絡先すら知らなかったよ。」
樋「他の皆は?」
高「私は陽介に誘われたから…。」
矢「…私は本城君から電話があって。」
本「ぼ、僕も五十嵐君から連絡もらって…。」
樋「…俺は陽介に誘われた。五十嵐と会ってない。」
神「どういうことだ?」
樋「今回のことは、五十嵐に誘われたことから起きてる。偶然とは思えない。」
高「五十嵐君が犯人ってこと?」
樋「いや、五十嵐は既に死んでる。けど、今回のことに関わっている可能性は否定できない。」
高「そんな…。」
康平も仲間を疑いたくなかった。
しかし、状況的に考えて自分たちの中に犯人がいると考えるしかなかった。
果たして翼が犯人なのか、それと別に犯人がいるのか。
康平はさらに考えを巡らせた。
康平の言葉に周りの空気は変わった。
樋「12年前、姫木は死んだ。崖から飛び降りて、そう思ってた」
神「…何が言いたい?」
樋「…もし、姫木が本当は死んでなかったとしたら?本当は生きてて、俺たちに復讐しようとしてるんだとしたら…。」
神「そんなわけないだろ!」
陽介は突然大声を出した。
神「…あそこの川は流れも早い。あんなところから飛び降りて生きてられるはずがない。」
樋「…けど、死体は見つかってない。」
そう、12年経った今も、死体は見つかっていなかった。
樋「それに、俺たち全員に恨みを持ってるのは姫木か…。」
矢「樋口君?」
樋「…姫木か、副園長先生しかいない。」
高「副園長って園長先生の旦那さん?」
樋「ああ。」
本「…あの。」
その時、慶太が口を開いた。
本「副園長先生が犯人ということはないと思います。」
樋「どういうことだ?」
本「実は、去年副園長先生に偶然会ったんです。」
神「それ本当か!?」
本「はい。そのときの先生、車椅子に乗ってました。それに、僕たちのこと覚えてないようでした。」
樋「覚えてない?」
本「なんでかは分からないですけど。とてもこんなことできるようには見えませんでした。」
樋「…。」
高「じゃあ、やっぱり姫木さんが犯人?」
神「いや、でも…。」
ポーン。
『皆様、やっと思い出されたようですね。』
その時、機長が出てきた。
さっきと違い画面が暗くなっており、そこに佇む機長はより恐ろしく見えた。
『施設が閉鎖になってから12年。皆さんたくさんの事を経験されたことでしょう。』
機長は画面内をゆっくりと歩く。
『高校生活、就職、恋愛…。しかし、彼女はそのどれも味わうことなく人生を終えてしまった…。』
神「ち、ちょっと待ってくれよ!虐めてたのは五十嵐と柴宮だろ!?」
高「そ、そうだよ!私たちなにもしてないし!」
『何もしていない?彼女を無視し続けていたのはいったい誰でしょう?』
高「…。」
『彼女は助けを求め続けていました。痛みに耐えながら、毎日毎日「誰か、誰か助けて」って涙を流しながら、毎日毎日毎日!…しかし、貴方たちはその気持ちに気づくことはなかった。』
康平たちは何も言うことができなかった。
『さて、もうすぐ3時間が経ちます。皆様、頑張って答えを導き出してください。』
そう言うと画面は消えた。
康平たちの中には確信が生まれていた。
これは12年前の復讐だと。
12年間止まっていた時間が動き出そうとしていた。
残り2時間。
康平たちは未だに答えが導き出せずにいた。
美織の彼氏、康平の母、副園長の華園英寿、そして死んだと思われていた姫木花梨。
ここまで自分の過去に触れてきた康平たちは、これ以上の答えを出すことに躊躇いがあった。
しかし、答えを出さなければ死ぬことになる。
康平たちは葛藤していた。
神「ど、どうする?もう姫木が犯人だって言っちゃおうか?」
樋「だ、ダメだ!」
康平は大声で陽介の考えを否定した。
樋「情報が少なすぎる。下手にボタン押して間違えたら、死ぬことになるんだ!」
神「わ、悪い…。」
樋「慌てちゃダメだ。まだ2時間ある。皆で協力して考えよう。」
康平は落ち着いて今までの状況を整理していた。
樋「(落ち着け、落ち着け。最初からよく思い出すんだ。まず、俺たちは飲み会のあとに拉致されそれから…。)」
康平はそこで妙なことに気付いた。
樋「…あれ?」
神「どうした?」
樋「なぁ、俺たちって飲み会帰りに襲われたんだよな?」
神「ああ。」
樋「そもそも俺たちって何で飲み会することになったんだ?」
高「えっ?」
神「いや、そりゃ五十嵐に「皆で飲み会に行こう」って久しぶりに誘われて…。」
樋「五十嵐とは前から連絡取ってたのか?」
神「いや、飲み会の日に久しぶりに…。それ以前は連絡先すら知らなかったよ。」
樋「他の皆は?」
高「私は陽介に誘われたから…。」
矢「…私は本城君から電話があって。」
本「ぼ、僕も五十嵐君から連絡もらって…。」
樋「…俺は陽介に誘われた。五十嵐と会ってない。」
神「どういうことだ?」
樋「今回のことは、五十嵐に誘われたことから起きてる。偶然とは思えない。」
高「五十嵐君が犯人ってこと?」
樋「いや、五十嵐は既に死んでる。けど、今回のことに関わっている可能性は否定できない。」
高「そんな…。」
康平も仲間を疑いたくなかった。
しかし、状況的に考えて自分たちの中に犯人がいると考えるしかなかった。
果たして翼が犯人なのか、それと別に犯人がいるのか。
康平はさらに考えを巡らせた。
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