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Phase Ⅵ
Colony Ⅰ
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ライト、ウェルバー、パメラ、セーラの四人は、第1コロニー管轄の森まで移動してきた。
その道中、木の皮や藁、動物の毛皮などで衣類を作るForesterらしき風貌の子供が鹿や猪を捕らえる用の罠に足を捕られて怪我をし、そのまま罠を抜けれずに脱水症状で死にかけていた。
その罠とは人の背丈ほどの縦に穴を掘り、その上に枯れ木や葉を敷き詰め一見では分からないようにする簡単な罠なのだが、念のためご丁寧にに底には尖らせた木杭や竹、鋭利に砕いた岩を敷き詰めて足を負傷させ、安易に穴から抜け出せないようにしたものだった。
声を掛けても返事がなく、足などが血で汚れている。四人は居ても経ってもいられずにその子を救助した。
そしてどうしたものかと考え話し合ったが、四人も急ぎの旅路になり十分な備えなどなく飛び出した身であるために、パメラ達が傷の応急処置をしてからそのままウェルバーが担いで共に第1までやって来た。
「この子、熱があるし急がないと、危ないな」
「でも、一旦は第1へ誰かが偵察してからの方が・・・・・・」
「その時間が無い。こいつ・・・汗を一切かいていない。確実に三日以上はあそこに放置されていたんだ。このままだと内臓か脳に血液が凝固して死んでしまう。それに俺たちの現状も大丈夫とは言えない。足跡を消しながらの警戒移動でもう二日も経ってしまった。このまま何ごとも無かったように正面から乗り込もう。こいつの今の衣類は脱がせてフォレスターであることを隠し、救助を逆に求めてみる。普通のコロニーであれば外壁の見張りはただのセンターで過激派のセントラルではないのが定石だ。まだ子供だし、見張りに良心さえあれば救助を優先してくれるだろう」
「そう・・・だといいんですが」
「その流れで俺たちも中へと入っていき、騒動に紛れて消えよう」
四人は冷静を装い気持ちを落ち着かせてから第1の外部入口、木組みで作られた外壁の中央にある大きな大門の前へとやってきた。
「・・・おぉい!誰か居ないか?!子供が重症なんだ!開けてくれぇ!!」
・・・・・・
特に誰からも返事が無い。
「すみませぇん!!」
セーラが変わりに声を掛けるが、扉からは同じく静寂しか返答が無い。
ライトが恐るおそる扉まで近づき、聞き耳を立ててみる。肩をすかし、両手を左右で空を持ち上げた。どうやら見張りは一人も居ないようだった。
「どうします?」
「・・・仕方がないな」
ウェルバーは生き倒れている少年をパメラとセーラに任せて、木組みの壁をライトと一緒に登り始めた。
壁の頂上まで到着すると、ミシミシミシ・・・とロープが突っ張る音と共に、ガコンッ!と重そうな木柱を組んだ扉が奥側へと動き、地面に食い込んだ下から持ち上がり出した。
パメラとセーラは二人で少年の肩を両側から抱えながら、背丈程度に開いた大門から第1コロニー内へと入って行った。
ウェルバーはその様子を上から確認すると、ライトに合図して巻型のハンドルブレーキを解除する。
・・・ガコォォォォン!!!
人が潜れる程度にしか開けなかった木組み扉だったが、その重さ故にけたたましく音を立てて閉まる。その衝撃を足から揺れを感じ、ライトが少しふら付く。
「大丈夫か?・・・よし、降りよう」
ウェルバーの背後には外側の様によじ登らなくてもいいように、簡単に組まれた昇降用のスペースがあった。そこから二人は素早く降りて女性陣と合流する。
四人はガランとした第1の集落を眺めながら、少しだけ唖然とした。人の姿は疎か、気配すらない。廃れたどころか、これはもはや廃墟、廃村状態であった。
「・・・行こう」
思考停止状態だったみんなを、ライトが起こす。
「・・・誰も居ないのでしょうか?」
「いや・・・そんな訳はないだろう。とにかく、水と清潔な布、安全な場所を確保しよう」
一応に息を潜めながら、コロニー外側の木や藁で簡素に建てられた家を物色していく。
その道中、木の皮や藁、動物の毛皮などで衣類を作るForesterらしき風貌の子供が鹿や猪を捕らえる用の罠に足を捕られて怪我をし、そのまま罠を抜けれずに脱水症状で死にかけていた。
その罠とは人の背丈ほどの縦に穴を掘り、その上に枯れ木や葉を敷き詰め一見では分からないようにする簡単な罠なのだが、念のためご丁寧にに底には尖らせた木杭や竹、鋭利に砕いた岩を敷き詰めて足を負傷させ、安易に穴から抜け出せないようにしたものだった。
声を掛けても返事がなく、足などが血で汚れている。四人は居ても経ってもいられずにその子を救助した。
そしてどうしたものかと考え話し合ったが、四人も急ぎの旅路になり十分な備えなどなく飛び出した身であるために、パメラ達が傷の応急処置をしてからそのままウェルバーが担いで共に第1までやって来た。
「この子、熱があるし急がないと、危ないな」
「でも、一旦は第1へ誰かが偵察してからの方が・・・・・・」
「その時間が無い。こいつ・・・汗を一切かいていない。確実に三日以上はあそこに放置されていたんだ。このままだと内臓か脳に血液が凝固して死んでしまう。それに俺たちの現状も大丈夫とは言えない。足跡を消しながらの警戒移動でもう二日も経ってしまった。このまま何ごとも無かったように正面から乗り込もう。こいつの今の衣類は脱がせてフォレスターであることを隠し、救助を逆に求めてみる。普通のコロニーであれば外壁の見張りはただのセンターで過激派のセントラルではないのが定石だ。まだ子供だし、見張りに良心さえあれば救助を優先してくれるだろう」
「そう・・・だといいんですが」
「その流れで俺たちも中へと入っていき、騒動に紛れて消えよう」
四人は冷静を装い気持ちを落ち着かせてから第1の外部入口、木組みで作られた外壁の中央にある大きな大門の前へとやってきた。
「・・・おぉい!誰か居ないか?!子供が重症なんだ!開けてくれぇ!!」
・・・・・・
特に誰からも返事が無い。
「すみませぇん!!」
セーラが変わりに声を掛けるが、扉からは同じく静寂しか返答が無い。
ライトが恐るおそる扉まで近づき、聞き耳を立ててみる。肩をすかし、両手を左右で空を持ち上げた。どうやら見張りは一人も居ないようだった。
「どうします?」
「・・・仕方がないな」
ウェルバーは生き倒れている少年をパメラとセーラに任せて、木組みの壁をライトと一緒に登り始めた。
壁の頂上まで到着すると、ミシミシミシ・・・とロープが突っ張る音と共に、ガコンッ!と重そうな木柱を組んだ扉が奥側へと動き、地面に食い込んだ下から持ち上がり出した。
パメラとセーラは二人で少年の肩を両側から抱えながら、背丈程度に開いた大門から第1コロニー内へと入って行った。
ウェルバーはその様子を上から確認すると、ライトに合図して巻型のハンドルブレーキを解除する。
・・・ガコォォォォン!!!
人が潜れる程度にしか開けなかった木組み扉だったが、その重さ故にけたたましく音を立てて閉まる。その衝撃を足から揺れを感じ、ライトが少しふら付く。
「大丈夫か?・・・よし、降りよう」
ウェルバーの背後には外側の様によじ登らなくてもいいように、簡単に組まれた昇降用のスペースがあった。そこから二人は素早く降りて女性陣と合流する。
四人はガランとした第1の集落を眺めながら、少しだけ唖然とした。人の姿は疎か、気配すらない。廃れたどころか、これはもはや廃墟、廃村状態であった。
「・・・行こう」
思考停止状態だったみんなを、ライトが起こす。
「・・・誰も居ないのでしょうか?」
「いや・・・そんな訳はないだろう。とにかく、水と清潔な布、安全な場所を確保しよう」
一応に息を潜めながら、コロニー外側の木や藁で簡素に建てられた家を物色していく。
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