8 / 66
2.遭遇
7
ボスッ、と音を立てて自分の体に何かが覆い被さった。
「あれ、ルドルフさん……?!なに、これ…、ひっ……、ルドルフさ、!
血、血が!血が出てるッ!止めないと、止めないと、止めないと…!!あ、ぁ、止まって、止まって、止まって……!!」
自分に覆い被さってきたのがルドルフさんの体だと気付くのにさほど時間はかからなかった。
彼の背に手を回すと、ベチョ、と、嫌な感触がして、自分の手を見ると、僕の手は真っ赤に染まっていた。
突然のことに驚きと恐怖で手が震えて、血が出ている場所を抑えようとしてもわからずに混乱してしまう。
レオンさんがエルフの治癒魔法は万能だと言っていた。
けれど、僕には魔法が分からない。
ルドルフさんも母も僕に魔法を教えてくれたことはなかった。
ルドルフさんの体の下からそっと抜けて、体勢を楽にさせる。
はっ、はっ、と過呼吸になる僕の耳にルドルフさんの弱弱しい声が微かだが聞こえてきた。
「ア、ル…フ…、逃げ、る…ん、じゃ。…リア、フォー、ド、が、来る…前、に…!」
「!…リアフォードとは誰ですか?そいつに襲われたのですか??ルドルフさん、ルドルフさん、しっかり、して下さい!!!」
僕は声を震わせ、必死にルドルフさんの言葉を拾った。
「とに、かく…逃げ、なさい…。たの、む…。生きて、おくれ……。」
「…僕は、まだ16歳で、全然、一人じゃ生きていけませんッ…」
「だいじょう、ぶ、じゃ。そな、た、は、母に、よく、にとるし、のぉ」
「でも、でも、僕には、僕にはあなたが、ルドルフさんが、必要です、必要なんです、ッ!」
「ふぉ、ふぉ、そうか…ぁ。嬉し、の…ぉ。…でも、わしで、は…、もう、そなたを…、まも、って、あげられん…。―ゴホッ、ゴホッ……!…そ、ろ、そろ、ダメ、みたい、じゃな……。アル、フ…わしは、そなた、が…だいす――「話が長いんだよ、この老いぼれが。」」
グサリと、ルドルフさんの背中に刀が突き刺さり、目の前に血飛沫が舞った。
「あれ、ルドルフさん……?!なに、これ…、ひっ……、ルドルフさ、!
血、血が!血が出てるッ!止めないと、止めないと、止めないと…!!あ、ぁ、止まって、止まって、止まって……!!」
自分に覆い被さってきたのがルドルフさんの体だと気付くのにさほど時間はかからなかった。
彼の背に手を回すと、ベチョ、と、嫌な感触がして、自分の手を見ると、僕の手は真っ赤に染まっていた。
突然のことに驚きと恐怖で手が震えて、血が出ている場所を抑えようとしてもわからずに混乱してしまう。
レオンさんがエルフの治癒魔法は万能だと言っていた。
けれど、僕には魔法が分からない。
ルドルフさんも母も僕に魔法を教えてくれたことはなかった。
ルドルフさんの体の下からそっと抜けて、体勢を楽にさせる。
はっ、はっ、と過呼吸になる僕の耳にルドルフさんの弱弱しい声が微かだが聞こえてきた。
「ア、ル…フ…、逃げ、る…ん、じゃ。…リア、フォー、ド、が、来る…前、に…!」
「!…リアフォードとは誰ですか?そいつに襲われたのですか??ルドルフさん、ルドルフさん、しっかり、して下さい!!!」
僕は声を震わせ、必死にルドルフさんの言葉を拾った。
「とに、かく…逃げ、なさい…。たの、む…。生きて、おくれ……。」
「…僕は、まだ16歳で、全然、一人じゃ生きていけませんッ…」
「だいじょう、ぶ、じゃ。そな、た、は、母に、よく、にとるし、のぉ」
「でも、でも、僕には、僕にはあなたが、ルドルフさんが、必要です、必要なんです、ッ!」
「ふぉ、ふぉ、そうか…ぁ。嬉し、の…ぉ。…でも、わしで、は…、もう、そなたを…、まも、って、あげられん…。―ゴホッ、ゴホッ……!…そ、ろ、そろ、ダメ、みたい、じゃな……。アル、フ…わしは、そなた、が…だいす――「話が長いんだよ、この老いぼれが。」」
グサリと、ルドルフさんの背中に刀が突き刺さり、目の前に血飛沫が舞った。
あなたにおすすめの小説
ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!
由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。
しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。
そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。
「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」
やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って?
いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている
青緑三月
BL
主人公は、BLが好きな腐男子
ただ自分は、関わらずに見ているのが好きなだけ
そんな主人公が、BLゲームの世界で
モブになり主人公とキャラのイベントが起こるのを
楽しみにしていた。
だが攻略キャラはいるのに、かんじんの主人公があらわれない……
そんな中、主人公があらわれるのを、まちながら日々を送っているはなし
BL要素は、軽めです。
【柳原学園】いやいや、俺は『俺様生徒会長』だから
西園 斎
BL
家の都合で『俺様』を演じてる生徒会長が、生徒会やら風紀やら教師やらから好かれるお話。
演技俺様会長総受け(愛され)/後固定CP
*10年以上前の作品を、やや加筆修正していきます
クールな義兄の愛が重すぎる ~有能なおにいさまに次期当主の座を譲ったら、求婚されてしまいました~
槿 資紀
BL
イェント公爵令息のリエル・シャイデンは、生まれたときから虚弱体質を抱えていた。
公爵家の当主を継ぐ日まで生きていられるか分からないと、どの医師も口を揃えて言うほどだった。
そのため、リエルの代わりに当主を継ぐべく、分家筋から養子をとることになった。そうしてリエルの前に表れたのがアウレールだった。
アウレールはリエルに献身的に寄り添い、懸命の看病にあたった。
その甲斐あって、リエルは奇跡の回復を果たした。
そして、リエルは、誰よりも自分の生存を諦めなかった義兄の虜になった。
義兄は容姿も能力も完全無欠で、公爵家の次期当主として文句のつけようがない逸材だった。
そんな義兄に憧れ、その後を追って、難関の王立学院に合格を果たしたリエルだったが、入学直前のある日、現公爵の父に「跡継ぎをアウレールからお前に戻す」と告げられ――――。
完璧な義兄×虚弱受け すれ違いラブロマンス
異世界転生してひっそり薬草売りをしていたのに、チート能力のせいでみんなから溺愛されてます
ひと息
BL
突然の過労死。そして転生。
休む間もなく働き、あっけなく死んでしまった廉(れん)は、気が付くと神を名乗る男と出会う。
転生するなら?そんなの、のんびりした暮らしに決まってる。
そして転生した先では、廉の思い描いたスローライフが待っていた・・・はずだったのに・・・
知らぬ間にチート能力を授けられ、知らぬ間に噂が広まりみんなから溺愛されてしまって・・・!?
【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
※2026年半ば過ぎ完結予定→七月に完結(決定)