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16.病名
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「すごい……」
ヨルネの街の夜は、想像以上に賑やかだった。
居酒屋で飲み交わしたりつまみを食べたりしている者や、広場の中央で踊る踊り子達と、それを見物する者。
どこを見ても、人ばっかりだ。
夜の街に一人で出るのはどちらの世界でも初めてだが、こんなにも鮮やかだとは知らなかった。
目に映るものすべてが初めて見る物ばかりで、魅了される。
きょろきょろと周りを見渡しながら歩いていると、ドンッ、と前を歩いていた誰かにぶつかってしまった。
「あ、すみません…!」
「ううん、大丈夫だよ~。ルキも痛くないでしょ?」
「うん、大丈夫~!ルカも怪我してないでしょ?」
見ると、自分と同い年くらいの二人の麗人男性がニコニコと笑いながら立っていた。
その容姿と声がそっくりで、少し驚く。
「こんな時間に子供が一人で歩いてたら危ないよ?俺達みたいなのにぶつかったからまだ良かったけど、酔っ払った人間とかにぶつかってたら、君みたいな子は簡単に――」
グッと体を寄せられ、耳元で囁かれた言葉にゾッとする。
「!………でも、僕は男で…」
「君はそう思っていても、いざというときに性別なんて関係ないの。…わかったら、早く家に帰った方がいいよ。ね、ルキ」
「そうだよそうだよ。君のことを待っている人がいるでしょ?そういう人達の為にも、自分のことはもっと大事にしないと。ね、ルカ」
待っている、人……。
その言葉を聞いた途端、モヤモヤとしていた胸の中の黒い塊が、暴れ出した。
「どうせ、いませんよ…。だって僕は、いつだって、どんなときだって、誰かに迷惑しかかけない、邪魔者なんですから…!!」
「「あ、ちょっと!!」」
そんなことはないと、いつか言ってくれた皆さんのことをまるで否定しまっているようで、胸が苦しくなる。息がしづらい。
何とも言えない思いが、頭の中でうごめいて気持ちが悪い。
気付いたら僕は、前にいた二人に背を向けて走り出していた。
ヨルネの街の夜は、想像以上に賑やかだった。
居酒屋で飲み交わしたりつまみを食べたりしている者や、広場の中央で踊る踊り子達と、それを見物する者。
どこを見ても、人ばっかりだ。
夜の街に一人で出るのはどちらの世界でも初めてだが、こんなにも鮮やかだとは知らなかった。
目に映るものすべてが初めて見る物ばかりで、魅了される。
きょろきょろと周りを見渡しながら歩いていると、ドンッ、と前を歩いていた誰かにぶつかってしまった。
「あ、すみません…!」
「ううん、大丈夫だよ~。ルキも痛くないでしょ?」
「うん、大丈夫~!ルカも怪我してないでしょ?」
見ると、自分と同い年くらいの二人の麗人男性がニコニコと笑いながら立っていた。
その容姿と声がそっくりで、少し驚く。
「こんな時間に子供が一人で歩いてたら危ないよ?俺達みたいなのにぶつかったからまだ良かったけど、酔っ払った人間とかにぶつかってたら、君みたいな子は簡単に――」
グッと体を寄せられ、耳元で囁かれた言葉にゾッとする。
「!………でも、僕は男で…」
「君はそう思っていても、いざというときに性別なんて関係ないの。…わかったら、早く家に帰った方がいいよ。ね、ルキ」
「そうだよそうだよ。君のことを待っている人がいるでしょ?そういう人達の為にも、自分のことはもっと大事にしないと。ね、ルカ」
待っている、人……。
その言葉を聞いた途端、モヤモヤとしていた胸の中の黒い塊が、暴れ出した。
「どうせ、いませんよ…。だって僕は、いつだって、どんなときだって、誰かに迷惑しかかけない、邪魔者なんですから…!!」
「「あ、ちょっと!!」」
そんなことはないと、いつか言ってくれた皆さんのことをまるで否定しまっているようで、胸が苦しくなる。息がしづらい。
何とも言えない思いが、頭の中でうごめいて気持ちが悪い。
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