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幕間 『暗躍』
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双子の兄、ルカ・フォーチュンと、その弟、ルキ・フォーチュンは、二人で占い師をしている。
彼等の店には滅多に人が集まることはないし、看板も何も置いてない。
ただあるのは独特な存在感と紫色の幕だけ。
それでもここは、彼らの大切な店であり、素晴らしい店だ。
「困ったことになったね、ルキ」
「そうだねそうだね。でも、僕は後悔してないよ。ルカ」
「それはその通りだよ。僕だって、彼を助けたことには何の後悔もない。けど…、僕等でアズバード様を黙らせることが出来るかな。」
「出来るさ。アルフレイド君は、とっても優しい子だって教えてあげれば、きっと。」
「そっか、そうだね。それじゃあ、早く行かないと。明日、アルフレイド君や勇者様を、占うためにも。」
「そうだよ。そのために僕等は、ああ言ったんだから。」
「アルフレイド君から感じた気配って多分、シークさんのものだよね。ルカ」
「うん、あれは確かにシークさんの気配だった。多分、彼はもう石に還ったんだ。」
「アルフレイド君や、勇者様たちが殺したのかな…」
「いいや、アルフレイド君達からは『魔導士』達のようなにおいはしなかった。多分、シークさんを殺したのは、アズバード様だ。」
「つまり僕等は、シークさんを殺した奴に、直談判しに行くってわけだ。ひゅー、緊張するね、ルカ」
「まあね。」
ルカはルキの問いに答えながら、自分達に下された命令を頭の中で反芻していた。
『貴方達への命令はここの占い師として、勇者と一緒にいるエルフの青年をここに誘い込み、捕らえてあの方に差し出すことです。わかりましたね?』
僕等がどうしてその子を捕まえなきゃいけないんだと聞いたら、『材料だからですよ』と、冷たい声で言われた。
「僕、アズバード様は間違ってると思うよ、ルキ」
「うん。それは僕も同じだよ、ルカ」
「じゃあ、行こうか、ルキ」
「うん、行こう、ルカ」
そうして、二人が店を出ようとした時、ゾッとするほど冷たい空気が、店の中を満たした。
「貴方達から行く必要はございませんよ。私が、先に来ましたから」
「「アズバード様…――!!」」
「いったい誰が、間違ってると言うのですか?私は、あの方々の命で、こうして動いているのです。その私が間違っているということは、あの方々が間違っていると言っているようなもの。
貴方達ひょっとして、……死にたいんですか?せっかく蘇らせて頂けたのに。」
アズバードは口元では笑みを浮かべているが、目が笑っていない。射殺しそうな視線で、ルカとルキを睨み付けている。
「はは、死にたいって、そんなわけないじゃん。ただ、アズバード様が間違ってるっていうのは本当の事だよ。実験の材料にするなんて、絶対ダメだ。」
「ああ、自ら死にたいわけでは無いんですね。困りましたねー、命令違反をした上に、死にたくないとは。…殺さなきゃいけないじゃないですか」
彼等の店には滅多に人が集まることはないし、看板も何も置いてない。
ただあるのは独特な存在感と紫色の幕だけ。
それでもここは、彼らの大切な店であり、素晴らしい店だ。
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「そうだねそうだね。でも、僕は後悔してないよ。ルカ」
「それはその通りだよ。僕だって、彼を助けたことには何の後悔もない。けど…、僕等でアズバード様を黙らせることが出来るかな。」
「出来るさ。アルフレイド君は、とっても優しい子だって教えてあげれば、きっと。」
「そっか、そうだね。それじゃあ、早く行かないと。明日、アルフレイド君や勇者様を、占うためにも。」
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「アルフレイド君や、勇者様たちが殺したのかな…」
「いいや、アルフレイド君達からは『魔導士』達のようなにおいはしなかった。多分、シークさんを殺したのは、アズバード様だ。」
「つまり僕等は、シークさんを殺した奴に、直談判しに行くってわけだ。ひゅー、緊張するね、ルカ」
「まあね。」
ルカはルキの問いに答えながら、自分達に下された命令を頭の中で反芻していた。
『貴方達への命令はここの占い師として、勇者と一緒にいるエルフの青年をここに誘い込み、捕らえてあの方に差し出すことです。わかりましたね?』
僕等がどうしてその子を捕まえなきゃいけないんだと聞いたら、『材料だからですよ』と、冷たい声で言われた。
「僕、アズバード様は間違ってると思うよ、ルキ」
「うん。それは僕も同じだよ、ルカ」
「じゃあ、行こうか、ルキ」
「うん、行こう、ルカ」
そうして、二人が店を出ようとした時、ゾッとするほど冷たい空気が、店の中を満たした。
「貴方達から行く必要はございませんよ。私が、先に来ましたから」
「「アズバード様…――!!」」
「いったい誰が、間違ってると言うのですか?私は、あの方々の命で、こうして動いているのです。その私が間違っているということは、あの方々が間違っていると言っているようなもの。
貴方達ひょっとして、……死にたいんですか?せっかく蘇らせて頂けたのに。」
アズバードは口元では笑みを浮かべているが、目が笑っていない。射殺しそうな視線で、ルカとルキを睨み付けている。
「はは、死にたいって、そんなわけないじゃん。ただ、アズバード様が間違ってるっていうのは本当の事だよ。実験の材料にするなんて、絶対ダメだ。」
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