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19.愛情※
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(一応※)
[〇△年 〇月〇×日
今日はリューロウ王国の服屋に、レオンさんと二人で行った。
綺麗なドレスや華やかな装飾がされた服がたくさん合って、こちらの世界にもそういうものがあるのだなぁ、と感動した。]
「……ふぅー…」
一つ息を吐いてから、羽ペンを置き、日記帳を閉じる。
そうして、日々を思い出す様に軽く目を伏せた。
昨日は、…ルドルフさんの命日だった。つまり、僕がレオンさん達に出会ってから、もう一年が経っていた。
瞬く間に過ぎていった日々だけど、どれも鮮明に覚えている。
「―――アル、今日は何て書いたんだ?」
そうすることが当たり前のように、後ろから抱き締められる。
「内緒です」
僕は柔く微笑んで、唇の前で人差し指を立てた。
「アルは絶対日記の事について話さないな。そうやって秘密にされると……暴いてみたくなる。」
そう言うと同時に、レオンさんは僕の両頬を掴んで自分の方に向けると、綺麗な藍色の目を細めて、僕にキスをした。
にゅるりと入り込んでくる舌を僕は受け入れて、愛し合っていることを確かめるように絡め合う。
「今日は……続きをしよう」
「…続き?」
キスをされてすっかり蕩けた瞳でレオンさんを見る。
いつもなら寝る前にこうしてキスをするだけで終わりだ。
続きも何も、他に何をするというのだ。
そう思って僕は首を傾げると、レオンさんはニヤリと口元に弧を描いて、僕の体をお姫様抱っこの形で抱き上げ、そのまま部屋のベッドまで運んだ。
「…アルの身体はどこも美味しそうだから、どこから喰らうか迷うな。
とはいえ、獲物を目の前にしていつまでも"マテ"が出来るほど、俺も利口じゃないんだ」
ドサッとベッドの上で押し倒され、耳朶に触れられる。
くすぐったくて身を捩るが、レオンさんはお構いなしに、今度はふぅーっと耳に息を吹きかけてきた。
「んっ…!それ、やっ…」
「嫌か?」
「なん、か…へん…っ…」
「……可愛い」
低音の美声が耳元に囁かれ、恥ずかしさに顔が熱くなる。
「…教えてくれ、俺にどこを責められたいかを。」
深い藍色の瞳をギラギラとさせ、内なる獣の本性を垣間見せるレオンさんに、僕はこれから何が起きるかわからなくて、不安と期待に胸を躍らせた。
[〇△年 〇月〇×日
今日はリューロウ王国の服屋に、レオンさんと二人で行った。
綺麗なドレスや華やかな装飾がされた服がたくさん合って、こちらの世界にもそういうものがあるのだなぁ、と感動した。]
「……ふぅー…」
一つ息を吐いてから、羽ペンを置き、日記帳を閉じる。
そうして、日々を思い出す様に軽く目を伏せた。
昨日は、…ルドルフさんの命日だった。つまり、僕がレオンさん達に出会ってから、もう一年が経っていた。
瞬く間に過ぎていった日々だけど、どれも鮮明に覚えている。
「―――アル、今日は何て書いたんだ?」
そうすることが当たり前のように、後ろから抱き締められる。
「内緒です」
僕は柔く微笑んで、唇の前で人差し指を立てた。
「アルは絶対日記の事について話さないな。そうやって秘密にされると……暴いてみたくなる。」
そう言うと同時に、レオンさんは僕の両頬を掴んで自分の方に向けると、綺麗な藍色の目を細めて、僕にキスをした。
にゅるりと入り込んでくる舌を僕は受け入れて、愛し合っていることを確かめるように絡め合う。
「今日は……続きをしよう」
「…続き?」
キスをされてすっかり蕩けた瞳でレオンさんを見る。
いつもなら寝る前にこうしてキスをするだけで終わりだ。
続きも何も、他に何をするというのだ。
そう思って僕は首を傾げると、レオンさんはニヤリと口元に弧を描いて、僕の体をお姫様抱っこの形で抱き上げ、そのまま部屋のベッドまで運んだ。
「…アルの身体はどこも美味しそうだから、どこから喰らうか迷うな。
とはいえ、獲物を目の前にしていつまでも"マテ"が出来るほど、俺も利口じゃないんだ」
ドサッとベッドの上で押し倒され、耳朶に触れられる。
くすぐったくて身を捩るが、レオンさんはお構いなしに、今度はふぅーっと耳に息を吹きかけてきた。
「んっ…!それ、やっ…」
「嫌か?」
「なん、か…へん…っ…」
「……可愛い」
低音の美声が耳元に囁かれ、恥ずかしさに顔が熱くなる。
「…教えてくれ、俺にどこを責められたいかを。」
深い藍色の瞳をギラギラとさせ、内なる獣の本性を垣間見せるレオンさんに、僕はこれから何が起きるかわからなくて、不安と期待に胸を躍らせた。
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