親友が奪ったのは美形の婚約者、でもそれは偽の姿なので後悔しても知りませんよ?

coco

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親友が奪ったのは美形の婚約者、でもそれは偽の姿なので後悔しても知りませんよ?<後>

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「俺の一族の男は、まれにこんな顔で生まれてくる。でもある一族の娘と一緒いっしょに居れば、どういうわけか顔が美しく見えるんだ。その一族というのが、あの元婚約者の女だ。」

「あ、あの子が…だから、あなたにずっとくっ付いてたのね。」

 好きでこの男と居ると思ってたら、まさかそんな事情じじょうが…!

「顔を美しくしてくれる代わりに、タイプでもない女を選ぶのは嫌だった。俺は君のように美しくはなのある女が好きなんだ。君があなたの全てが好きと言ってくれて嬉しかったよ…それって、俺の本当の顔も好きって事だろう?」

 彼は不気味ぶきみな顔でニヤニヤ笑うと、私に口づけをせまって来た。

 私はたまらず平手打ひらてうちを喰らわせた。

「気持ち悪い顔を近づけるんじゃないわよ、誰があんたみたいなブサイク好きになるもんですか!」

 彼は呆然ぼうぜんとした顔で私を見た。

「私が全てって言ったのは、あんたの地位と権力けんりょくと金と…何より美しかった顔よ!こんな顔と知ってたら、誰が好きになるもんですか!」

「待て、どこへ行く!」

「あんたとはもうお別れよ。」

 私は彼にを向けた。

「…行かせるか。」

 背後はいごで彼のつぶやきが聞こえ振り返った瞬間しゅんかん、私の顔にものすごい激痛げきつうが走った─。

※※※

「…うう。」

 な、何が起こったの?

「目が覚めたか?」

「あ、あんた、何したのよ…。」

「知りたければこれを見ろ。」

 彼が渡したのは…手鏡てかがみ
 
「な、何よこの顔…!」

 そこには、彼と全く同じ顔になった私がこちらを見ていた。

「君はもうのがしはしない。俺たち一族の男は、将来を共にすると決めた相手を同じ顔に変える事ができるんだ。これで君は俺のもの…ここまでしないと、君は俺のものになってくれないだろう?美醜びしゅうにこだわる君だ、こんな顔じゃあもうどこにも行けないはず…これで、ずっと一緒に居られるな。」

 そんな…私はもうずっとこの顔で、こいつと一緒に居るって事?

「い、いやあぁぁぁぁ!」

※※※

「─そういえばとなりの領主から聞いたんだが、どうも最近その地でバケモノが出るらしいんだ。」

「まぁ…。」

「山の中にある屋敷やしきでね、そこに住んでいる2人の男女がそう言われてるみたいなんだ。」

「そう…でも、仲良く暮らしているならいいんじゃない?そっとしておいてあげればいいわ。」

 その2人っていうのはおそらく…どうやらあの女は、彼と同じ顔に変えられてしまったようね。

 本体なら私がそうなるはずだったんだけど…あの女がうばっていってくれたから助かったわ。

 もう2度と会う事は無いだろうけど、あなたはその男と幸せになってね─。 
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