不幸を呼ぶ令嬢なので婚約破棄だと言われましたが、それは私のせいではありません。

coco

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不幸を呼ぶ令嬢なので婚約破棄だと言われましたが、それは私のせいではありません。<前>

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「お前と居ると不幸ふこうが続く、婚約破棄こんやくはきしろ!」

「待って下さい、あれは─。」

「言いのがれをするな、お前は不幸を令嬢れいじょうだ!」

 最近の彼は、いつもイライラして機嫌きげんが悪かった。

 というのも、少し前から彼の周囲しゅういで良くない事が立て続けに起きていたからだ。

 だれかに階段かいだんから突き落されそうになったり、上から落ちてきた物に当たりそうになったり、家に何者かが入り込み私物しぶつぬすまれたり、夜道を歩いている所をおそわれたり…数えればきりがない。

 そしてその不幸が続くのは、私のせいだと彼は言う。
 その不幸からのがれる為に、彼は婚約破棄を要求ようきゅうしてきた。

「そんな不幸が続く様になったのは、お前との婚約が決まってからだ。お前と別れないと、俺はこの先死んでしまうかも知れん。」

 …かなり被害妄想ひがいもうそうが入っているわね。

 私は知っている、その不幸は私のせいでは無い事を。
 
 私は、不幸を呼ぶ令嬢なんかじゃない。
 不幸をまねいている者は、他に居る。

「婚約破棄はかまいませんが、このままうたがいをかけられたままではしゃくなので、あなたに真実しんじつを教えてあげます。その前に、あなた浮気うわきしてるでしょう?」

「…え!?」

※※※

『あなたね、彼との婚約が決まった女は。』

『そうですが、あなたは…?』

『私はね、彼の恋人よ。私の方が、先に彼と付き合ってるんだから。彼はあなたの事なんか好きじゃない、家柄いえがらであなたを選んだだけよ。だから、いい気にならないで!』

『私、いい気だなんて…。』

『彼があなたと付き合うのは我慢がまんしてたけど、婚約はゆるせない。彼と婚約するのは、私の方でないといけないの。…だから、彼が私をえらぶようにしてやるわ。あなたはきっと彼にきらわれる、行き着く先は婚約破棄よ─!』
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