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寄付するお金を奪う婚約者、でもその寄付先は…。<後>
「施設!?」
「私はT・Kグループの先代社長に、養子として引き取られたんだ。でもあの施設には、ずいぶんお世話になったからね。私は今でも、あそこへの寄付を欠かしはしない。それは、彼女も同じだ。」
「…そうよ。あそこには、私たちと同じような身の上の子供がたくさん居る。だから私は、毎月寄付を欠かさなかったのに…それをあなたは奪って行った。しかもそのお金を、女の人との遊びに使ったでしょう?私、あなたのこと絶対に許さない!」
「いくら婚約しているとはいえ、金を奪い取り勝手に使うのは経済DVだ。そのあげく、浮気とは…。うちには優秀な弁護士を何人も抱えているからね。今回のこと、訴えさせてもらうよ。」
「そんな…!そんなことされたら、俺はこの会社に居られない。どうか、許してくれ…!」
「私の家族を傷つけた罪は、償ってもらうよ─。」
※※※
「心配かけてごめんね。」
「いいんだ。それより、まだ頬は痛むかい?」
「ううん。…私、やっと自分の家庭を持てるって思ったんだけど、上手くいかなかった。本当に、ダメね…。」
「君はダメじゃないよ。私は小さいころから君を見て来たから、君の良い所をいっぱい知ってる。…私じゃダメか?私は、君と本当の家族になりたい。ずっと昔から、そう思ってきた。君が彼と付き合い始めた時は、君が選んだ男ならと思い身を引いたが、もうあの男は居ない。私は今日、君を迎えに来たんだ。君の王子様として。」
そう言って手を差し伸べ微笑む彼は、まるで本物の王子様の様だった。
…王子様?
そういえば、幼いころに施設で彼と一緒に絵本を読んでて─。
『王子様って素敵ね…。私もお姫様になりたい。』
『王子様が、お金持ちだから?』
『違うよ。王子様とお姫様は、結ばれたら家族になるのよ。それで自分たちのお城に住んで、仲良く暮らすの。そういうの、いいなって…。』
『じゃあ俺が大きくなったら、王子様になって迎えに行くよ、待ってて!』
「…あの話、覚えててくれたの?」
「勿論。だから、どうか姫君…私の元へ来て下さい。」
私は差し出されたその手を取り、彼の胸に飛びこんだ─。
※※※
こうして、心優しいお姫様は、同じく心優しい王子様と結ばれました。
一方、金に卑しい男は、自らの行いにより自滅したのです─。
「私はT・Kグループの先代社長に、養子として引き取られたんだ。でもあの施設には、ずいぶんお世話になったからね。私は今でも、あそこへの寄付を欠かしはしない。それは、彼女も同じだ。」
「…そうよ。あそこには、私たちと同じような身の上の子供がたくさん居る。だから私は、毎月寄付を欠かさなかったのに…それをあなたは奪って行った。しかもそのお金を、女の人との遊びに使ったでしょう?私、あなたのこと絶対に許さない!」
「いくら婚約しているとはいえ、金を奪い取り勝手に使うのは経済DVだ。そのあげく、浮気とは…。うちには優秀な弁護士を何人も抱えているからね。今回のこと、訴えさせてもらうよ。」
「そんな…!そんなことされたら、俺はこの会社に居られない。どうか、許してくれ…!」
「私の家族を傷つけた罪は、償ってもらうよ─。」
※※※
「心配かけてごめんね。」
「いいんだ。それより、まだ頬は痛むかい?」
「ううん。…私、やっと自分の家庭を持てるって思ったんだけど、上手くいかなかった。本当に、ダメね…。」
「君はダメじゃないよ。私は小さいころから君を見て来たから、君の良い所をいっぱい知ってる。…私じゃダメか?私は、君と本当の家族になりたい。ずっと昔から、そう思ってきた。君が彼と付き合い始めた時は、君が選んだ男ならと思い身を引いたが、もうあの男は居ない。私は今日、君を迎えに来たんだ。君の王子様として。」
そう言って手を差し伸べ微笑む彼は、まるで本物の王子様の様だった。
…王子様?
そういえば、幼いころに施設で彼と一緒に絵本を読んでて─。
『王子様って素敵ね…。私もお姫様になりたい。』
『王子様が、お金持ちだから?』
『違うよ。王子様とお姫様は、結ばれたら家族になるのよ。それで自分たちのお城に住んで、仲良く暮らすの。そういうの、いいなって…。』
『じゃあ俺が大きくなったら、王子様になって迎えに行くよ、待ってて!』
「…あの話、覚えててくれたの?」
「勿論。だから、どうか姫君…私の元へ来て下さい。」
私は差し出されたその手を取り、彼の胸に飛びこんだ─。
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こうして、心優しいお姫様は、同じく心優しい王子様と結ばれました。
一方、金に卑しい男は、自らの行いにより自滅したのです─。
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