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義妹と一緒になり邪魔者扱いしてきた婚約者は…私の家出により、罰を受ける事になりました。
「今は、俺とこの子が楽しく過ごしてるんだ!」
「本当に邪魔なんだから…あなたは、あっちに行って!」
「俺の婚約者がごめんな、どうか機嫌を直してくれ。」
私は、あなたの婚約者でしょう?
なのにどうして私を邪魔者扱いし、その子の機嫌を取るの…?
彼女は、彼の義妹だ。
彼女は、とても可愛らしい女で…周りの男たちの心を掴んで離さない。
彼は、そんな義妹をとても気に入っていた。
いや…気に入っていると言うより、もはや一人の異性として愛しているのではないかと思う…。
だって…彼はお酒に酔うと、いつもこう口にする。
『あいつと血が繋がって居なくて良かった…いつかあいつを、俺のものに─。』
それを聞く度に、私は彼に愛されていない事を実感するのだ─。
※※※
婚約し半年、私はこの状況に耐えた。
でも、全く改善されなくて…それどころか─。
「もう泣くな。元気になるまで、いくらだってこの家に居ていいから。」
「でもあの人が、私の事を邪魔だって言うに決まってるわ。」
「そんな事、俺が言わせないよ。むしろ…あいつの方が邪魔者だから。」
「そっか…だって私たちは、あの人がお兄様の婚約者に決まる前から家族だものね。そう思うと、邪魔者はあの人の方よね。」
信じられない…婚約者と喧嘩したからといきなり転がり込んできた癖に、何を言うのよ。
邪魔者は、あなたの方じゃないの…!
二人からあんな事を言われては…もう、ここに居るのが嫌になってしまった。
私も、家を飛び出してみようかしら、あの子のように─。
※※※
「ねぇ、あの人の姿が見えないわよ?」
「えぇ?ちょっと部屋を見てくる。」
俺は、彼女の部屋に向かった。
荷物が減っている…それに、置手紙?
「私は家出します、もうあなたたちの仕打ちに耐えられません…何だ、これは?俺たちが何をしたって言うんだ!」
でも待てよ…?
こいつが勝手に出て行ったんだ。
このまま婚約破棄したって、俺の父も何も言えまい─!
「…出て行った!?でもあの人、ここを出てどこへ行ったのかしら?」
「確かに…あいつの親も亡くなっていて、家は人の手に渡ってしまった。他に誰に頼る事も…。」
「お兄様…私、あの女がお城に入って行くのを見た事があるわ。」
「城!?そんな所へ、一体何しに?」
「知らない。だってお城には、私は入れないもの。でも…門番にも止められてなかったし、むしろ歓迎されてたわ。」
すると俺の父が、血相を変えて部屋に飛び込んで来た。
「父上、丁度いい所へ…あいつが家出しました。だからこれを機に、あいつと婚約破棄を─」
「馬鹿者!せっかくこの父が、お前の為に彼女を…もういい、お前は妹と共に城に行け!」
「お城に行けるの?私、新しいドレスに着替えて来るわね!」
「…あんな娘を大事にし、彼女を粗末に扱うとは…お前はもう、この家の息子ではない。王にも、そう申してある。」
「ち、父上、それは一体…?」
俺の質問を父は無視し…その後は、一度も振り返る事は無かった─。
そして俺と妹は、王の前に平伏していた。
「お前たちのせいで、一人の女が家を出る事になったそうだな?」
「まさか!私たちは、あの人をとても大事にしていました。ねぇ、お兄様?」
「あ、あぁ…。」
「王に嘘を述べるとは…あなたたち、罰を受ける覚悟は出来ているのですか?」
※※※
「お前、やはり城に居たのか!?」
「彼女は以前から、我が城に仕えている聖女でもあるのだ。だが…お前たちの酷い仕打ちで心が傷ついた彼女は、家出を考えた。しかし、自分が出て行ってはこの国に迷惑がかかる。でも、あの家には居られないと言うから…ならば、この城で預かろうという話になったんだ。」
「聖女って…だから父は、お前との婚約を勧めたのか!」
「あなたのお父様は、あなたの為を考えてくれていたと言うのに…。」
「お、お兄様とあなたの揉め事なら…私はこれで失礼するわ!」
「待て、誰が帰っていいと言った。お前たちの帰る場所はあの家じゃない、牢だ。」
「な、何でよ!?」
「彼女は聖女…その力は、まさにこの国の宝だ。そんな者を、お前たちの行いによって失いかけたんだ。彼女が家出した上にこの国まで出て行ったら、とんでもない事になっていたんだぞ?お前たちには、国を危機に晒した罪を償う必要がある。」
「どうかお許しを!」
「こんなの嫌─!」
※※※
二人は捕らえられ、牢に入れられた。
そして、国外追放される事が決まっている。
彼はお父様から勘当されてしまったし、あの女は婚約者と喧嘩中で家出してたから、居なくなっても誰も困らないわね。
お坊ちゃま育ちの彼と、世間知らずのお嬢様…そんな二人が、誰の助けもなく生きていけるかしら─。
そして私はというと…あれから、ずっとお城で暮らしている。
というのも…私は少し前、王から求婚されていたのだ。
あんな出来事があって、少し考えさせて貰っていたのだけど…漸く、私の心は決まった。
これからは聖女ではなく、お妃様として王と二人、この国を守って行こう。
そして、今度こそ幸せになってみせるわ─。
「本当に邪魔なんだから…あなたは、あっちに行って!」
「俺の婚約者がごめんな、どうか機嫌を直してくれ。」
私は、あなたの婚約者でしょう?
なのにどうして私を邪魔者扱いし、その子の機嫌を取るの…?
彼女は、彼の義妹だ。
彼女は、とても可愛らしい女で…周りの男たちの心を掴んで離さない。
彼は、そんな義妹をとても気に入っていた。
いや…気に入っていると言うより、もはや一人の異性として愛しているのではないかと思う…。
だって…彼はお酒に酔うと、いつもこう口にする。
『あいつと血が繋がって居なくて良かった…いつかあいつを、俺のものに─。』
それを聞く度に、私は彼に愛されていない事を実感するのだ─。
※※※
婚約し半年、私はこの状況に耐えた。
でも、全く改善されなくて…それどころか─。
「もう泣くな。元気になるまで、いくらだってこの家に居ていいから。」
「でもあの人が、私の事を邪魔だって言うに決まってるわ。」
「そんな事、俺が言わせないよ。むしろ…あいつの方が邪魔者だから。」
「そっか…だって私たちは、あの人がお兄様の婚約者に決まる前から家族だものね。そう思うと、邪魔者はあの人の方よね。」
信じられない…婚約者と喧嘩したからといきなり転がり込んできた癖に、何を言うのよ。
邪魔者は、あなたの方じゃないの…!
二人からあんな事を言われては…もう、ここに居るのが嫌になってしまった。
私も、家を飛び出してみようかしら、あの子のように─。
※※※
「ねぇ、あの人の姿が見えないわよ?」
「えぇ?ちょっと部屋を見てくる。」
俺は、彼女の部屋に向かった。
荷物が減っている…それに、置手紙?
「私は家出します、もうあなたたちの仕打ちに耐えられません…何だ、これは?俺たちが何をしたって言うんだ!」
でも待てよ…?
こいつが勝手に出て行ったんだ。
このまま婚約破棄したって、俺の父も何も言えまい─!
「…出て行った!?でもあの人、ここを出てどこへ行ったのかしら?」
「確かに…あいつの親も亡くなっていて、家は人の手に渡ってしまった。他に誰に頼る事も…。」
「お兄様…私、あの女がお城に入って行くのを見た事があるわ。」
「城!?そんな所へ、一体何しに?」
「知らない。だってお城には、私は入れないもの。でも…門番にも止められてなかったし、むしろ歓迎されてたわ。」
すると俺の父が、血相を変えて部屋に飛び込んで来た。
「父上、丁度いい所へ…あいつが家出しました。だからこれを機に、あいつと婚約破棄を─」
「馬鹿者!せっかくこの父が、お前の為に彼女を…もういい、お前は妹と共に城に行け!」
「お城に行けるの?私、新しいドレスに着替えて来るわね!」
「…あんな娘を大事にし、彼女を粗末に扱うとは…お前はもう、この家の息子ではない。王にも、そう申してある。」
「ち、父上、それは一体…?」
俺の質問を父は無視し…その後は、一度も振り返る事は無かった─。
そして俺と妹は、王の前に平伏していた。
「お前たちのせいで、一人の女が家を出る事になったそうだな?」
「まさか!私たちは、あの人をとても大事にしていました。ねぇ、お兄様?」
「あ、あぁ…。」
「王に嘘を述べるとは…あなたたち、罰を受ける覚悟は出来ているのですか?」
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「お前、やはり城に居たのか!?」
「彼女は以前から、我が城に仕えている聖女でもあるのだ。だが…お前たちの酷い仕打ちで心が傷ついた彼女は、家出を考えた。しかし、自分が出て行ってはこの国に迷惑がかかる。でも、あの家には居られないと言うから…ならば、この城で預かろうという話になったんだ。」
「聖女って…だから父は、お前との婚約を勧めたのか!」
「あなたのお父様は、あなたの為を考えてくれていたと言うのに…。」
「お、お兄様とあなたの揉め事なら…私はこれで失礼するわ!」
「待て、誰が帰っていいと言った。お前たちの帰る場所はあの家じゃない、牢だ。」
「な、何でよ!?」
「彼女は聖女…その力は、まさにこの国の宝だ。そんな者を、お前たちの行いによって失いかけたんだ。彼女が家出した上にこの国まで出て行ったら、とんでもない事になっていたんだぞ?お前たちには、国を危機に晒した罪を償う必要がある。」
「どうかお許しを!」
「こんなの嫌─!」
※※※
二人は捕らえられ、牢に入れられた。
そして、国外追放される事が決まっている。
彼はお父様から勘当されてしまったし、あの女は婚約者と喧嘩中で家出してたから、居なくなっても誰も困らないわね。
お坊ちゃま育ちの彼と、世間知らずのお嬢様…そんな二人が、誰の助けもなく生きていけるかしら─。
そして私はというと…あれから、ずっとお城で暮らしている。
というのも…私は少し前、王から求婚されていたのだ。
あんな出来事があって、少し考えさせて貰っていたのだけど…漸く、私の心は決まった。
これからは聖女ではなく、お妃様として王と二人、この国を守って行こう。
そして、今度こそ幸せになってみせるわ─。
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