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第一章
序章 『漆黒と沈黙の森』
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どこまでも深い暗い森……ずっと続いている。
木々の葉に覆われ空さえ見えない。
闇の中一筋の青白い光だけが見える。それだけをたよりに道なき道を使命おびた者達が進んで行く。目指すは青白い光の下、後どのくらいでたどり着くのか……。
かなりの時間、暗い闇の中を歩いていた。その一行の中でフードを被った若い黒髪の女性は痛む足を擦った。足はいつのまにか鉛のようにとても重くなっている。
彼女は、青白い光の方向を眺めた。
青白い光の下へたどり着つけば彼女の旅は終わる。彼女は自分の世界に帰る。この世界への想いを断ち切って……。
**********
此所は、精霊が住む国プリメルダと人間が住む国で最も近い国アフェーロとの堺に作られた森。
古の昔、精霊の国美しいプリメルダ……。その国を人間の国アフェーロがあろうことか精霊を略奪し、殺戮をしてまでも支配しようとした。
精霊の国プロメルダの王であり、この世界を司る女神ダイアの神獣にて黒竜プリメスターは怒り狂った。そしてプリメルダとアフェーロの間に行き交うことが出来ないように呪縛をかけた。
それが――『漆黒と沈黙の森』
木々で覆い尽くし天の光りさえ届かないようにした。漆黒の闇に踏み入れれば、悪き幻影に襲われ声さえ奪われる。そして永遠に眠り、いつしか木々の肥やしとして朽ち果てる―――。
足を踏み入れた者は呪縛に囚われた。
その呪縛をかけたプリメスターさえとくことが出来ない――。
この世界を司る女神ダイアも呪縛に囚われてしまった者を開放することは出来なかった。
それでも女神ダイアの祝福を受ければ、一時だけ呪縛から逃れその森に留まることが出来た。
だがただ一つだけ方法があった。それは『地、風、水、火、光、闇』の精霊石を集めその力を使うこと。だがそれを使うことが出来るのは、それぞれの精霊の長(おさ)の本人とその力を色濃く受け継いだ者のみ……。それだけが呪縛に囚われた者をとき放なす方法だった。
だがそれは不可能に等しい。もうすでに失われてしまった力があるからだ……。
干渉地帯――『漆黒と沈黙の森』が出来たことでプリメルダとアフェーロは断絶した。
時が過ぎ精霊の浄化の力が衰えた人間の国には魔物が現れるようになった。そして残されたのは精霊と人間の間に生まれた者。中には精霊の力を己の魔力の糧として色濃く受け継ぐ者が何人か現れた。
**********
「大丈夫?疲れた?」
黒髪の女性は、ただ無言で首を左右に振った。それから曖昧に口角だけを上げる。
彼女に手を差し伸べたのは水色の瞳を持った少年ジュリアンヌだった。いつもの人懐こい瞳は彼女を心配そうに見つめている。アフェーロの創設より続く大地に豊かな恵みを齎す、地の精霊の血を魔力として受け継ぐ、名門テッラ侯爵家の次男だった。侯爵が他所でもうけた子だがその魔力は絶大だ。少年ながら指折りの魔導師であった。
木々が生茂る暗闇の中は弱い青白い光り一筋だけだ。
その弱い光の中で彼女の表情がジュリアンヌに見えたか分からない。彼女は自分よりも五歳も年下の少年に気遣われて心苦しかった。でも疲労した状態を彼女はジュリアンヌに隠しきれるとも思わなかった。ここはこの少年に甘えることにした。差し出されたジュリアンヌの手を取る。手の大きさはほとんど変わらないことに気付いた。ジュリアンヌの手の温もりが彼女につたわり、少しホッとした。
「精霊の祝福を」
耳に心地よい声がした。緑色の魔法陣が浮かび、彼女とジュリアンヌを覆う。先程までの感じていた酷く辛い疲労感が嘘みたいに和らいでいく。
二人に回復魔法を施したのはジュリアンヌの異母兄のマリウスだ。二人の前を歩いていた。身に付けたローブの下には鍛え上げられた肉体が隠されている。深い緑色髪と金色かかった緑色の瞳は地の精霊の長(おさ)の直系だと直ぐに分かる。見た目だけではなく、その力も強く受け継いでいた。彼は、アフェーロ国王家、光の精霊の長(おさ)の血を引くアーセラの光の姫、次期女王の許婚(いいなずけ)でもあった。
精霊の血を受け継いでいる者達は皆整った魅力的な容姿をしていた。
「……兄上、ありがとうございます」
ジュリアンヌは、彼女の手を握りながらマリウスに礼を言った。
「ジュリアンヌ、ジーノ、もう少し頑張ってくれ、女神ダイアの祝福があと半日で切れる。それまでに、目的を果して『漆黒と沈黙の森』を出なければならない」
マリウスは彼女の名を呼びながらも、視線も合わせようとしなかった。それは敢えて避けているように見える。彼女はその理由を分かっていた。ただ淡々と返事を返すだけだ。
「ありがとう、マリ分かっている」
それでも彼女は、呼び慣れた愛称で呼ぶ。それは彼が彼女にだけ許したもの。二人の親しさ窺い知れた。無言でマリウスは頷く。また伏せ目がちに前を向き歩き始めた。
「マリウス樣お待ち下さい。大分長い間歩みを進めておる。しかし一向にたどり着かない。何か理由が有るのではないかと……」
後ろから、一緒に旅をして来た女神ダイアに仕える大神官ニコが口を開く。そしてマリウスに問う。
「……」
だがマリウスは無言で答えない。そんな兄の代わりにジュリアンヌが答えた。
「ニコ殿には、何か思いあたる事があるのですか?」
「わしがみなまで言わなくてはなりませぬか……」
何か含んだ口調で答えると横目でマリウスを見た。思案するように自慢の銀色の顎の毛をさする。
深い溜め息を漏らすとここで大神官ニコは休憩を取るように促す。
一行は一旦足を止めることにした。
「まずは、少し休みましょう……」
大神官ニコが呪文を唱えると暗い森の一角が急に明るくなった。そこには暖かそうな焚き火があらわれた。
皆はおのおのにその場所に座り休み始めた。
彼女もジュリアンヌの隣に座る。そうすると大神官ニコが彼女の近くに来ると腰を下ろした。
「お疲れのようですが大丈夫ですかな?神獣の黒竜プリスターの妻であった、安らぎと静粛を齎す―――闇の精霊の長(おさ)の生まれ代わり―――ジーノ=リレイ様」
大神官ニコは彼女の名を呼んだ。
ジーノ=リレイ―――神野 利麗
それが彼女の名だった。この世界とは異なるところに存在していた彼女は、ごく普通の女子大生だった。それが大学一年のとき、バイト帰りにこの世界へ召喚された。彼女が闇の精霊の長(おさ)の生まれ変わりだったからだ。失われた闇の精霊の長(おさ)の力――。その血脈はこの世界には残っていない。
「―――ニコ様、すいません。マリも私もその辺は、弁えています。ご心配お掛けいたしました。」
彼女はゆっくりと答えた。
「ではこの休憩後、青白い光の下、アースラの光の姫の下へ行けるよう―――。女神ダイヤに祈ろう……女神ダイヤの心は貴方と共にある、どうか忘れないでほしい、このひと時をゆっくり休まれよ」
彼女は感じていた。大神官ニコは、すべてを分かって言葉をかけたと。
そう言い残し彼女とジュリアンヌの近くから立ち去った。
傍で聞いていたジュリアンヌは、大神官ニコと彼女のやり取りに触れることはなかった。でも水色の瞳を細められていた。ジュリアンヌは労るように彼女に声をかけた。
「ジーノ、僕に寄りかかりなよ、少し眠るといいよ」
「ふふ……。ジュリアいつもありがとう。でもマリに、さっき回復魔法をかけてもらったから」
彼女は微笑みながらジュリアンヌの申し出をやんわりと断った。マリウス同様、彼女はジュリアンヌも愛称で呼ぶ。彼女とジュリアンヌも親しい間柄だった。彼女は、ジュリアンヌに弟みたいに思っていた。
「……さっきだって本当は僕が回復魔法をジーノにかけたっかったのに、兄上が先にかけてしまって、僕だってジーノにいいところ見せたい」
ジュリアンヌは、不貞腐れたように言う。最近なにかとマリウスに対抗しようとするなと彼女は思った。でもテッラ兄弟は仲が悪い訳ではない。いつも兄マリウスにジュリアンヌは忠実だ。思春期の男の子はこうなのかも知れないと感じていた。
彼女は少し考えたが、好意を有難く受けることにした。ジュリアンヌの右肩に頭を遠慮がちに預けた。
「じゃ甘えさせてもらいます、少し眠るわ」
「そうして、ジーノ」
ジュリアンヌは右肩をかす。その彼女に向けた眼差しは何処か切なそうだった。
彼女はジュリアンヌの優しさに感謝した。ゆらゆらと揺れる焚き火の火を眺めた。そしてこの旅を思い出し想いを巡らせた。
これから告げるであろう――『さようなら』を……。
木々の葉に覆われ空さえ見えない。
闇の中一筋の青白い光だけが見える。それだけをたよりに道なき道を使命おびた者達が進んで行く。目指すは青白い光の下、後どのくらいでたどり着くのか……。
かなりの時間、暗い闇の中を歩いていた。その一行の中でフードを被った若い黒髪の女性は痛む足を擦った。足はいつのまにか鉛のようにとても重くなっている。
彼女は、青白い光の方向を眺めた。
青白い光の下へたどり着つけば彼女の旅は終わる。彼女は自分の世界に帰る。この世界への想いを断ち切って……。
**********
此所は、精霊が住む国プリメルダと人間が住む国で最も近い国アフェーロとの堺に作られた森。
古の昔、精霊の国美しいプリメルダ……。その国を人間の国アフェーロがあろうことか精霊を略奪し、殺戮をしてまでも支配しようとした。
精霊の国プロメルダの王であり、この世界を司る女神ダイアの神獣にて黒竜プリメスターは怒り狂った。そしてプリメルダとアフェーロの間に行き交うことが出来ないように呪縛をかけた。
それが――『漆黒と沈黙の森』
木々で覆い尽くし天の光りさえ届かないようにした。漆黒の闇に踏み入れれば、悪き幻影に襲われ声さえ奪われる。そして永遠に眠り、いつしか木々の肥やしとして朽ち果てる―――。
足を踏み入れた者は呪縛に囚われた。
その呪縛をかけたプリメスターさえとくことが出来ない――。
この世界を司る女神ダイアも呪縛に囚われてしまった者を開放することは出来なかった。
それでも女神ダイアの祝福を受ければ、一時だけ呪縛から逃れその森に留まることが出来た。
だがただ一つだけ方法があった。それは『地、風、水、火、光、闇』の精霊石を集めその力を使うこと。だがそれを使うことが出来るのは、それぞれの精霊の長(おさ)の本人とその力を色濃く受け継いだ者のみ……。それだけが呪縛に囚われた者をとき放なす方法だった。
だがそれは不可能に等しい。もうすでに失われてしまった力があるからだ……。
干渉地帯――『漆黒と沈黙の森』が出来たことでプリメルダとアフェーロは断絶した。
時が過ぎ精霊の浄化の力が衰えた人間の国には魔物が現れるようになった。そして残されたのは精霊と人間の間に生まれた者。中には精霊の力を己の魔力の糧として色濃く受け継ぐ者が何人か現れた。
**********
「大丈夫?疲れた?」
黒髪の女性は、ただ無言で首を左右に振った。それから曖昧に口角だけを上げる。
彼女に手を差し伸べたのは水色の瞳を持った少年ジュリアンヌだった。いつもの人懐こい瞳は彼女を心配そうに見つめている。アフェーロの創設より続く大地に豊かな恵みを齎す、地の精霊の血を魔力として受け継ぐ、名門テッラ侯爵家の次男だった。侯爵が他所でもうけた子だがその魔力は絶大だ。少年ながら指折りの魔導師であった。
木々が生茂る暗闇の中は弱い青白い光り一筋だけだ。
その弱い光の中で彼女の表情がジュリアンヌに見えたか分からない。彼女は自分よりも五歳も年下の少年に気遣われて心苦しかった。でも疲労した状態を彼女はジュリアンヌに隠しきれるとも思わなかった。ここはこの少年に甘えることにした。差し出されたジュリアンヌの手を取る。手の大きさはほとんど変わらないことに気付いた。ジュリアンヌの手の温もりが彼女につたわり、少しホッとした。
「精霊の祝福を」
耳に心地よい声がした。緑色の魔法陣が浮かび、彼女とジュリアンヌを覆う。先程までの感じていた酷く辛い疲労感が嘘みたいに和らいでいく。
二人に回復魔法を施したのはジュリアンヌの異母兄のマリウスだ。二人の前を歩いていた。身に付けたローブの下には鍛え上げられた肉体が隠されている。深い緑色髪と金色かかった緑色の瞳は地の精霊の長(おさ)の直系だと直ぐに分かる。見た目だけではなく、その力も強く受け継いでいた。彼は、アフェーロ国王家、光の精霊の長(おさ)の血を引くアーセラの光の姫、次期女王の許婚(いいなずけ)でもあった。
精霊の血を受け継いでいる者達は皆整った魅力的な容姿をしていた。
「……兄上、ありがとうございます」
ジュリアンヌは、彼女の手を握りながらマリウスに礼を言った。
「ジュリアンヌ、ジーノ、もう少し頑張ってくれ、女神ダイアの祝福があと半日で切れる。それまでに、目的を果して『漆黒と沈黙の森』を出なければならない」
マリウスは彼女の名を呼びながらも、視線も合わせようとしなかった。それは敢えて避けているように見える。彼女はその理由を分かっていた。ただ淡々と返事を返すだけだ。
「ありがとう、マリ分かっている」
それでも彼女は、呼び慣れた愛称で呼ぶ。それは彼が彼女にだけ許したもの。二人の親しさ窺い知れた。無言でマリウスは頷く。また伏せ目がちに前を向き歩き始めた。
「マリウス樣お待ち下さい。大分長い間歩みを進めておる。しかし一向にたどり着かない。何か理由が有るのではないかと……」
後ろから、一緒に旅をして来た女神ダイアに仕える大神官ニコが口を開く。そしてマリウスに問う。
「……」
だがマリウスは無言で答えない。そんな兄の代わりにジュリアンヌが答えた。
「ニコ殿には、何か思いあたる事があるのですか?」
「わしがみなまで言わなくてはなりませぬか……」
何か含んだ口調で答えると横目でマリウスを見た。思案するように自慢の銀色の顎の毛をさする。
深い溜め息を漏らすとここで大神官ニコは休憩を取るように促す。
一行は一旦足を止めることにした。
「まずは、少し休みましょう……」
大神官ニコが呪文を唱えると暗い森の一角が急に明るくなった。そこには暖かそうな焚き火があらわれた。
皆はおのおのにその場所に座り休み始めた。
彼女もジュリアンヌの隣に座る。そうすると大神官ニコが彼女の近くに来ると腰を下ろした。
「お疲れのようですが大丈夫ですかな?神獣の黒竜プリスターの妻であった、安らぎと静粛を齎す―――闇の精霊の長(おさ)の生まれ代わり―――ジーノ=リレイ様」
大神官ニコは彼女の名を呼んだ。
ジーノ=リレイ―――神野 利麗
それが彼女の名だった。この世界とは異なるところに存在していた彼女は、ごく普通の女子大生だった。それが大学一年のとき、バイト帰りにこの世界へ召喚された。彼女が闇の精霊の長(おさ)の生まれ変わりだったからだ。失われた闇の精霊の長(おさ)の力――。その血脈はこの世界には残っていない。
「―――ニコ様、すいません。マリも私もその辺は、弁えています。ご心配お掛けいたしました。」
彼女はゆっくりと答えた。
「ではこの休憩後、青白い光の下、アースラの光の姫の下へ行けるよう―――。女神ダイヤに祈ろう……女神ダイヤの心は貴方と共にある、どうか忘れないでほしい、このひと時をゆっくり休まれよ」
彼女は感じていた。大神官ニコは、すべてを分かって言葉をかけたと。
そう言い残し彼女とジュリアンヌの近くから立ち去った。
傍で聞いていたジュリアンヌは、大神官ニコと彼女のやり取りに触れることはなかった。でも水色の瞳を細められていた。ジュリアンヌは労るように彼女に声をかけた。
「ジーノ、僕に寄りかかりなよ、少し眠るといいよ」
「ふふ……。ジュリアいつもありがとう。でもマリに、さっき回復魔法をかけてもらったから」
彼女は微笑みながらジュリアンヌの申し出をやんわりと断った。マリウス同様、彼女はジュリアンヌも愛称で呼ぶ。彼女とジュリアンヌも親しい間柄だった。彼女は、ジュリアンヌに弟みたいに思っていた。
「……さっきだって本当は僕が回復魔法をジーノにかけたっかったのに、兄上が先にかけてしまって、僕だってジーノにいいところ見せたい」
ジュリアンヌは、不貞腐れたように言う。最近なにかとマリウスに対抗しようとするなと彼女は思った。でもテッラ兄弟は仲が悪い訳ではない。いつも兄マリウスにジュリアンヌは忠実だ。思春期の男の子はこうなのかも知れないと感じていた。
彼女は少し考えたが、好意を有難く受けることにした。ジュリアンヌの右肩に頭を遠慮がちに預けた。
「じゃ甘えさせてもらいます、少し眠るわ」
「そうして、ジーノ」
ジュリアンヌは右肩をかす。その彼女に向けた眼差しは何処か切なそうだった。
彼女はジュリアンヌの優しさに感謝した。ゆらゆらと揺れる焚き火の火を眺めた。そしてこの旅を思い出し想いを巡らせた。
これから告げるであろう――『さようなら』を……。
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