<続編>アテンションプリーズ!ガラポンの特賞は異世界でした!?~アオイ18歳に若返ったので、異世界でエンジョイしたいと思います!~

三星

文字の大きさ
54 / 88
学園ライフをエンジョイしたい!<後編>

3:すだちの旅立ち、アオイの過ち ★

しおりを挟む

******


 ポチさんの、恐らく同郷の一族の方には魂にズドンと響き渡る歌だったんだろうけど……とりあえず私は音の鳴らない女子拍手をして「ポチさん美声~」と嘘偽りなく、を称えた。


 ポチさんのこの美声に反応したのか、ややあってから工事現場に立っているような、ズドドドド…!!というような振動音が地下室内に響いてきた。
 
 どんどん近づいてきている!!と身構えていると、ボゴォォン!!と轟音と共に壁に大穴を開け、熊のようなサイズの魔獣モグリーノが突進してあっという間に通り過ぎて行った。
 

「!!!!!?」


 予想よりもかなり大きいサイズと速さに、声を出すことを忘れていたけど、大きな音に反応する魔獣とのことで、我ながらグッジョブだと思った。

 大穴を開けたモグリーノは少し過ぎた先でキョロキョロし、頭を傾げたと思ったら、また元来た道に戻って行った……例に漏れず、可愛くはない。でも最近気が付いた、敵=可愛くないという判断基準があるのはいいことかもしれない。
 
 彼らは大きな音に反応はするが、あまり視力は良くない為、ひそひそ話す程度で歩いている程度であれば攻撃してこない、比較的温厚な魔獣だとか。


「すごいですね……あんなに硬い壁を一撃で…」
「よし、それじゃあ穴も無事開いたし、モグリーノが来た道を利用して、学園外に出るか!」

「あ、そうですよね。でも、方角とか大丈夫かな?ポチさんはわかるんですか?」
「あぁ、帰巣本能ってやつだな。オレの勘がこっちで合ってると言っている」


 すごい、野生の勘……。ポチさんの帰巣本能を信じて、モグリーノが掘ってきた道を辿る。通路は真っ暗なので、モグリーノを刺激しない、薄暗い程度の照度でポチさんが魔法で照らしてくれたので、なんとか歩けそうだ。
 
 私の方は念の為、大体50mほど進む毎に転移を試みていた。落ちるときの穴の位置では200mも歩けば学園外に出るはずだったけど、地下ではその200mを過ぎても転移はできなかった


「……穴に落ちてから多分、2時間弱くらい経ちましたね……」
「ん?アオイちゃんは時計を持っていたのかい?」


「いえ、これは私の本能のようなものでして…腹時計がそろそろ昼が近いぞ、と」


 そう、おそらくは体育はとっくに終わり、四時間目の中盤。退屈な魔国史で眠いのと、空腹でお腹が鳴りそうなのを耐えるという苦行タイムなんだよね 


「ぶはっ、腹時計かっ!くっくく…それも一種の才能だなぁ。ジャーキーなら持ってるけど食べるかい?」
「ジャ、ジャーキー!?私、ジャーキー大好きなんです!あ、もしでしたらプリンと交換しましょう!」

「へぇ、ぷりんか。初めて見たけど、あとで明るいところでゆっくり食べるよ。アオイちゃん、ジャーキーは獣人向けで硬めだから、よく噛んで食べるんだよ」

「ほぇ~ほのヒャーヒーはほたへはつふんれふね!」
 (へぇ~このジャーキー歯応え抜群ですね!)

 
 この口の中で柔らかくして、食べるのが最高にうんまい!以前、ブイヨン風にするときにもジャーキー活用したけど、美味しかったなぁ~
 獣人族用だから確かにちょっと硬いけど、空腹時には堪らない味の濃さだし、すぐになくならないのもいい。


「あっ!アオイちゃん。多分、学園の外に出たぞ。学園の結界の気配がなくなった」
「ふぇっ!ほんろれすか?」もちゃもちゃ
 (えぇっ!本当ですか?)


 それじゃあ、こんなところからはすぐにでも、おさらばバイだっ!
 私とポチさんは念の為、同じ場所に転移しようと取り決めた。私は酢橘を希望の詰まった胸ポケットへとしまい、片手はポチさんの服の裾(さすがに手は遠慮する)、片手は齧り途中のジャーキーを握り締め、学園の正門前へと転移した。


***


 目を開ければ、目の前には正門が見えた!ポチさんの帰省本能凄すぎる!!どんよりとした天気だけど、2時間半振りの外の空気はうまい。


「やったー!ポチさんのお陰で脱出成功です!」
「おう。頑張ったな、アオイちゃん!」


 ここはやったね!のハイタッチだろうと片手を挙げ、つられたポチさんもタッチに応えようと手を挙げた……


「アオイに触るなっ!!」


 お互いにビクッ!となりながらも、声のする方を見てみれば、滅多に見ない、息を切らしているルティとそのルティの腕を必死に抑えているゴーちゃんの姿があった


「あー…っと他意はなかったんだが、タイミングが悪かったなぁ……」


 ポチさんには1ミリも悪いところはなかったけど、確かにタイミングは激悪かもしれない。番への態度をよく理解しているポチさんは、素直に両手を挙げ、私からも距離をとった。


「ル、ルティ……あの、この人はポチさんと言って、助けてくれた人で、ハイタッチは私がうっかりしようとしてしまって……だから、あの…」

「ゴーシェ、その御仁は恩人のようですので、お礼と、事情を私の代わりに聞いておいて下さい。クラスの方は自習にします。アオイはこちらへ」

「は、はい。あの、ゴーちゃん、ポチさんは本当に助けに来てくれた人だからね。クラスの子も何も非はないから……」
「うん…僕は別に何もしないけど……今はルーティエ兄さんの言う通りにしてあげて、急にアオちゃんが消えて、大変だったんだよ」


 ルティもゴーちゃんもただ静かに何かに耐えている風で、この様子だと本当に大変なことをしてしまったのだとわかる。
 言い訳もしようがないし、ごめんなさいで許される気もしない……

「アオイ、着替えに一度屋敷に戻りますよ」
「うん……」

 ルティに手を引かれ、一度屋敷に転移で戻った


***


 着いたのは私の部屋……とわかるのと同時に、ルティに正面から力一杯抱き締められた。
普段の優しい包むような抱き方ではなくて、絶対に離さない!と苦しいくらい強く抱き締められていた。呼吸が苦しくて何とか顔だけ上に出すと、目に涙を溜め、苦しさに耐えるような表情をしたルティと目が合った。


「――っ!!」

「アオイ、あなたは一体どこに行っていたのですかっ!!どれほど、どれほど、私が心配したと……。アオイの気配と魔力が急にプツッと途絶えて……万が一、あなたがこの世界から消えていたらどうしたらよいのかまで考えたのですよ!!」

「ルティ、あ…ごめ、ほん…とに、ごめんなさ……うぅ、心配掛けて、ごめんなさい!!」

「あなたが無事に私の元に帰って来てくれたのなら、もういいです。でも、私の心が落ち着くように、どうか口づけをさせて下さい」
「うん…うん…」


 ゆっくりと時間を掛けて、ルティの心が少しでも落ち着くように、私の方から彼へと口づけた。
 その内に落ち着きを戻してきたのか、彼の口づけはまるで食べられているかのように激しく、熱い舌で絡めとられ、呼吸が困難になるほど唇を貪られ続けた……


 普段のキスとは違った激しさに私の腰はあっさりと砕け、そのままルティに力の入らない腰を支えられたまま、ベッドに倒れ込んだけど、彼の唇は離れることはなく、そのまましばらくキスが止まることはなかった。
 
 ようやく二人の唇が離れた時にはルティの涙はすっかり渇いていて、私を見つめる瞳にはいつもの甘さが戻って来ていた。


 ひと騒動のあとのなんとやらではないけれど、私自身もすっかり雰囲気に流され、そもそも【なんでこうなったのか】なんて大事な記憶をうっかり宇宙の彼方にすっ飛ばしてしまっていたのだけど……


 彼の一言で宇宙の彼方から無事、記憶が緊急帰還することとなる。おかえり、小惑星探査機アオぶさ


「……そういえば、今日の口づけは少し野性味のある味わいでしたね……それと、制服からはシトラスの香りがしませんか?」
「野性味……ジャーキーかな?シトラス……シトラス…柑橘……あーーーー酢橘!!!」

「は?なぜ酢橘?」
「わぁぁぁぁーーー!!?ルティどいて、どいて!!ギャーーー!!希望の酢橘が、夢がぁぁぁ!!」


 ほんの30秒前までの、ロマンチックムービーは瞬間シャットダウンし、愛しの恋人をも押しのけた。

 どうやらルティに抱き締められた際に、一緒にプレスされちまった哀れなトモダチ、スダッチー……今、彼の涙(果汁)は私の制服にガッツリと染みこんでいる。
 おめぇ、こんなになっちまって…守れなかったマブダチ、スダッチー……うぅっ、せめて種を庭に植えさせてもらうからな!


 当たり前だが、返事のないスダッチーを抱き締めながら、ふと視線を床にずらすと見覚えのある赤茶っぽいアイツ……

「ジャッキー!!!お前まで!!」
「ジャッキー??アオイ、先ほどから、なぜそんなにも取り乱しているのです?」


「うわぁぁぁぁん!!食べ掛けのジャーキーがぁぁぁぁ!!」


 彼もまた、抱き締められた際、ぐえっとなった拍子に手から離れてしまったのだと思う。なんなら靴跡まで付いていて、再起不能である。私の命を繋いだジャッキー(ジャーキーだけど)……お前の味を忘れはしない。感謝を込めて、紙にくるんでゴミ箱へ旅立った。


「もう、なんなのですか、先ほどからスダッチーだのジャッキーだの。暴走し過ぎですよ!」
「あ、ごめん実はね……」


 素直な私は、今回の事件の真相をルティに説明することにした。説明するにしても、私が消えた後どうなったのかまで聞いてから話せば良かったと後悔するが……まぁ、話してしまった。


***


 そして、自主的に正座である。もちろん床に……先程まで私達ラブラブでしたよね?違ったかな?と思うほど、恐竜絶滅の危機レベルの氷河期が訪れていた。寒くて眠くなってきたかもしれない


「へぇ……。たかだか酢橘を得たいが為に、友人を騙し、私やゴーシェをも出し抜いて、そして体育の授業を潰し、全員で捜索にあたらせるという多大なる迷惑まで掛けましたけど、ご気分はどうです?そちらと天秤にかけても、その行動は間違えていなかったと……私の目を見て言えますか?」

「い、いえ、私が…アホか、いえ、浅はかであったと……」

「それで?私の心をあれほど乱しておきながら……フッ、潰れたスダッチーと、床に転がったジャッキー、でしたか?それらを優先し、私を押し退けましたよね?その物言わぬ者たちが、あなたを一生守って下さるとでも?」

「……い、いえ、私が、愚かであったと……」


 口には出さないけど、スダッチーは私の心を満たしたし、ジャッキーはあの時の私の胃を満たした。
 しかし、それと引き換えに、体育館はお心を乱したルティによって半壊し、グランドもボッコボコのクレーター状態。あの時のゴーちゃんは憔悴しょうすいしたような表情だったけど、ルティを落ち着かせるのに必死だったのかもしれない。だから一緒にいたのだ。

 他のクラスメイトはルティとは逆方向を安全の為、捜索していたらしい。キラ君は残って、半壊した体育館を修復しているとのこと。もはや菓子折りで済むレベルじゃなくなっている
 いよいよブタ箱行きではないだろうか……?ガタガタガタガタ……


「アオイ……それは、本心で?」
「ひぃっ!!ひゃい、ほほほほ本心ですとも、ええ、本心の中の本心!!」


 またなの?また、私は顔に出ていたっていうの!?


「そうですよね。アオイは優しい女性ですから……もちろんこの埋め合わせも、学園の規則を破って騒ぎを起こしたことも、のですよね?」
「つ、償う……?ひゃい、もちろん誠心誠意……」


「ふふ、そんなに怖がらなくても大丈夫ですよ。アオイへの罰は、私への罰も同じです。それに罰は担任に一任されておりますからね」




「…………ひゃい」



 今回においては、私はイエスマンにならざるを得ない……





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

キズモノ令嬢絶賛発情中♡~乙女ゲームのモブ、ヒロイン・悪役令嬢を押しのけ主役になりあがる

青の雀
恋愛
侯爵令嬢ミッシェル・アインシュタインには、れっきとした婚約者がいるにもかかわらず、ある日、突然、婚約破棄されてしまう そのショックで、発熱の上、寝込んでしまったのだが、その間に夢の中でこの世界は前世遊んでいた乙女ゲームの世界だときづいてしまう ただ、残念ながら、乙女ゲームのヒロインでもなく、悪役令嬢でもないセリフもなければ、端役でもない記憶の片隅にもとどめ置かれない完全なるモブとして転生したことに気づいてしまう 婚約者だった相手は、ヒロインに恋をし、それも攻略対象者でもないのに、勝手にヒロインに恋をして、そのためにミッシェルが邪魔になり、捨てたのだ 悲しみのあまり、ミッシェルは神に祈る「どうか、神様、モブでも女の幸せを下さい」 ミッシェルのカラダが一瞬、光に包まれ、以来、いつでもどこでも発情しっぱなしになり攻略対象者はミッシェルのフェロモンにイチコロになるという話になる予定 番外編は、前世記憶持ちの悪役令嬢とコラボしました

【完結】推しの悪役にしか見えない妖精になって推しと世界を救う話

近藤アリス
恋愛
「え、ここって四つ龍の世界よね…?なんか体ちっさいし誰からも見えてないけど、推しから認識されてればオッケー!待っててベルるん!私が全身全霊で愛して幸せにしてあげるから!!」 乙女ゲーム「4つの国の龍玉」に突如妖精として転生してしまった会社員が、推しの悪役である侯爵ベルンハルト(通称ベルるん)を愛でて救うついでに世界も救う話。 本編完結!番外編も完結しました! ●幼少期編:悲惨な幼少期のせいで悪役になってしまうベルるんの未来を改変するため頑張る!微ざまあもあるよ! ●学園編:ベルるんが悪役のままだとラスボス倒せない?!効率の良いレベル上げ、ヒロインと攻略キャラの強化などゲームの知識と妖精チート総動員で頑張ります! ※推しは幼少期から青年、そして主人公溺愛へ進化します。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

【完結】転生したら悪役継母でした

入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。 その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。 しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。 絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。 記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。 夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。 ◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆ *旧題:転生したら悪妻でした

悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。

槙村まき
恋愛
 スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。  それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。  挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。  そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……! 第二章以降は、11時と23時に更新予定です。 他サイトにも掲載しています。 よろしくお願いします。 25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!

多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】 23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも! そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。 お願いですから、私に構わないで下さい! ※ 他サイトでも投稿中

処理中です...