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Dragon
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ナガトと再び対峙する千歳の胸の傷は綺麗に塞がっており、元から何事もなかったかのように傷跡も残っていなかった。そして雰囲気まで変わっておりまるで千歳の姿で千歳ではない、別人と向かい合っているようでナガトは不気味な印象を受ける。気づけば辺りの気温が急激に下がっており、あまりの温度差に霧が立ち込め噴水の水も周りの花の花びらも凍りついている。
「同じだ、あの時と・・・」
千尋は鬼恐山での戦いで今と全く同じ状態に豹変した千歳と戦ったことを思い出す、そして千歳はその時と同じように右手に黒い影を集めると棒状に変形させる。そしてそれに先程とは比べものにならないほどの量の影を集中させると高々と振りかざす。その影の量に千歳の周りを冷たく強い風が渦巻く。
そしてそのまま千歳は右手の影の棒をナガトに向けて振り下ろすと先程と同じように黒い斬撃が飛翔する、だが明らかに違うのはその大きさと速度。ナガトは振り払うこともせずに躱すがその背後では既に千歳が影の棒を構えておりナガトに向かって振り下ろす。
ナガトは即座に後ろへ振り向き刀で受け止めるが千歳はそれをわかっていたかのようにニヤリと笑う、そして再び影の棒へ影を集中させるとそのままゼロ距離で黒い斬撃を放つ。
二人の姿は黒い斬撃と霧に包まれ、その衝撃は強風となって吹き荒れる。
(相変わらずおっかねぇ戦い方だが、アレは俺でも建御雷を身に纏って防げたんだ。生身のナガトが無事なわけが・・・!)
そう思いながら千尋は強風から身を守る。やがて霧が晴れ二人の姿が露わになると、千尋は愕然とした。
「まさか捨て身で来るとはね・・・」
ナガトは無傷だった。白銀の影を龍の姿へと形を変え、鎧のように身体に纏い身を守っていたのだ。千歳も同じように身に纏っていた黒い影を龍の姿へと影を変えていたが、ナガトほど完全に身を守れず傷を負っている。そして黒い影が解けると千歳はナガトの目の前で膝をつき、千歳の意識が戻る。何が起こっているのかわからなかったが、自分はまだ戦っているのだと千歳は自分を奮い立たせ立ち上がろうとする。しかし先程の千尋の動きを写した時の身体への負担が大きく、立ち上がれずにその場へ倒れ込む。
「これが"星映しの眼"の能力、"阿修羅"だ。冥土の土産に覚えて逝きな。」
そしてナガトの纏う白銀の龍の爪が無防備な千歳に向かって振り下ろされる、万事休すかと思われたその時ーーー
「Dragon!!! Kick!!!」
大きな掛け声と共に青い炎を纏った流れ星が飛来しナガトに激突する。ナガトは阿修羅で身を守っていたがあまりの衝撃に吹っ飛ばされる、そして突如として現れた青い炎は千歳の目の前で鎮まると1人の男が姿を現す。
「青年、もう大丈夫だ!私が来たからには、君たちに『不安』や『絶望』はありえない!」
聞き覚えのある声とセリフに千歳はバッと男の方を見る、その男は千歳が紗奈と一緒に映画館でスクリーン越しに観ていたヒーローと同じ姿をしていた。
「キャプテン・・・ドラゴン・・・?」
「やぁ青年!映画館で会ったとき以来だな!」
そう言いながら男は千歳を立ち上がらせ木刀を手渡し、千歳は木刀を杖がわりにして立つ。
「忘れてたよ、アンタのこと。」
そして吹っ飛ばされていたナガトも二人の前に姿を現す、ナガトは千歳の隣にいる男のことをかなり警戒しているようで先程まで見せていた余裕の表情は消えていた。ナガトは白銀の影を、男は青い炎を鎧のように身に纏う。
「私とキミは初対面のはずだ。」
「こっちの世界ではね。」
二人が睨み合うと周りの凍えるほど冷えきっていた空気が暖かくなりあっという間に夏相応の暑さへと戻っていた。
「アレは誰だ?」
『"龍仙"ダンテ=エヴァンス・・・あの男は少々厄介でございます。』
その様子を見たイザナミの問に天翁が答えている間にダンテとナガトの戦いは始まった、ナガトは千歳との戦いとは違い最初から両眼の星映しの眼を使っていた。というより、使わざるを得なかった。
「・・・すごっ」
と、千歳が声をあげるほどダンテの動きは速く、鋭く、力強かった。青い炎を纏いながら徒手での格闘術で刀を持っているナガトを防戦一方へと追い込んでいる。
(わざわざ技名を叫んでるから防がれてはいるけれど、ナガトの反応が段々追いつかなくなってきている・・・!)
そしてダンテは右手に青い炎を集中させるとナガトに一直線に接近し右の拳を突き出す。
「Dragon!!! Punch!!!」
が、それをナガトは刀身に手を添えて刀で防ぐ。ダンテはニヤリと笑い、防がれた右拳に青い炎を更に集中させる。
「YEAHHHHHHHHHH!!!」
ダンテの雄叫びと共に拳に込められた青い炎が龍の姿へと形を変える、そして青き龍は咆哮をあげながらナガトを呑み込み飛翔していった。
「誇るがいい、名も知らぬ青年よ。ここまで派手に殴り飛ばしたのは随分と久しぶりだ。」
そう言いながらダンテは映画で演じるキャプテン・ドラゴンのように左手を腰にやり、頭に向けて曲げた右腕を払い決めポーズをとった。
「同じだ、あの時と・・・」
千尋は鬼恐山での戦いで今と全く同じ状態に豹変した千歳と戦ったことを思い出す、そして千歳はその時と同じように右手に黒い影を集めると棒状に変形させる。そしてそれに先程とは比べものにならないほどの量の影を集中させると高々と振りかざす。その影の量に千歳の周りを冷たく強い風が渦巻く。
そしてそのまま千歳は右手の影の棒をナガトに向けて振り下ろすと先程と同じように黒い斬撃が飛翔する、だが明らかに違うのはその大きさと速度。ナガトは振り払うこともせずに躱すがその背後では既に千歳が影の棒を構えておりナガトに向かって振り下ろす。
ナガトは即座に後ろへ振り向き刀で受け止めるが千歳はそれをわかっていたかのようにニヤリと笑う、そして再び影の棒へ影を集中させるとそのままゼロ距離で黒い斬撃を放つ。
二人の姿は黒い斬撃と霧に包まれ、その衝撃は強風となって吹き荒れる。
(相変わらずおっかねぇ戦い方だが、アレは俺でも建御雷を身に纏って防げたんだ。生身のナガトが無事なわけが・・・!)
そう思いながら千尋は強風から身を守る。やがて霧が晴れ二人の姿が露わになると、千尋は愕然とした。
「まさか捨て身で来るとはね・・・」
ナガトは無傷だった。白銀の影を龍の姿へと形を変え、鎧のように身体に纏い身を守っていたのだ。千歳も同じように身に纏っていた黒い影を龍の姿へと影を変えていたが、ナガトほど完全に身を守れず傷を負っている。そして黒い影が解けると千歳はナガトの目の前で膝をつき、千歳の意識が戻る。何が起こっているのかわからなかったが、自分はまだ戦っているのだと千歳は自分を奮い立たせ立ち上がろうとする。しかし先程の千尋の動きを写した時の身体への負担が大きく、立ち上がれずにその場へ倒れ込む。
「これが"星映しの眼"の能力、"阿修羅"だ。冥土の土産に覚えて逝きな。」
そしてナガトの纏う白銀の龍の爪が無防備な千歳に向かって振り下ろされる、万事休すかと思われたその時ーーー
「Dragon!!! Kick!!!」
大きな掛け声と共に青い炎を纏った流れ星が飛来しナガトに激突する。ナガトは阿修羅で身を守っていたがあまりの衝撃に吹っ飛ばされる、そして突如として現れた青い炎は千歳の目の前で鎮まると1人の男が姿を現す。
「青年、もう大丈夫だ!私が来たからには、君たちに『不安』や『絶望』はありえない!」
聞き覚えのある声とセリフに千歳はバッと男の方を見る、その男は千歳が紗奈と一緒に映画館でスクリーン越しに観ていたヒーローと同じ姿をしていた。
「キャプテン・・・ドラゴン・・・?」
「やぁ青年!映画館で会ったとき以来だな!」
そう言いながら男は千歳を立ち上がらせ木刀を手渡し、千歳は木刀を杖がわりにして立つ。
「忘れてたよ、アンタのこと。」
そして吹っ飛ばされていたナガトも二人の前に姿を現す、ナガトは千歳の隣にいる男のことをかなり警戒しているようで先程まで見せていた余裕の表情は消えていた。ナガトは白銀の影を、男は青い炎を鎧のように身に纏う。
「私とキミは初対面のはずだ。」
「こっちの世界ではね。」
二人が睨み合うと周りの凍えるほど冷えきっていた空気が暖かくなりあっという間に夏相応の暑さへと戻っていた。
「アレは誰だ?」
『"龍仙"ダンテ=エヴァンス・・・あの男は少々厄介でございます。』
その様子を見たイザナミの問に天翁が答えている間にダンテとナガトの戦いは始まった、ナガトは千歳との戦いとは違い最初から両眼の星映しの眼を使っていた。というより、使わざるを得なかった。
「・・・すごっ」
と、千歳が声をあげるほどダンテの動きは速く、鋭く、力強かった。青い炎を纏いながら徒手での格闘術で刀を持っているナガトを防戦一方へと追い込んでいる。
(わざわざ技名を叫んでるから防がれてはいるけれど、ナガトの反応が段々追いつかなくなってきている・・・!)
そしてダンテは右手に青い炎を集中させるとナガトに一直線に接近し右の拳を突き出す。
「Dragon!!! Punch!!!」
が、それをナガトは刀身に手を添えて刀で防ぐ。ダンテはニヤリと笑い、防がれた右拳に青い炎を更に集中させる。
「YEAHHHHHHHHHH!!!」
ダンテの雄叫びと共に拳に込められた青い炎が龍の姿へと形を変える、そして青き龍は咆哮をあげながらナガトを呑み込み飛翔していった。
「誇るがいい、名も知らぬ青年よ。ここまで派手に殴り飛ばしたのは随分と久しぶりだ。」
そう言いながらダンテは映画で演じるキャプテン・ドラゴンのように左手を腰にやり、頭に向けて曲げた右腕を払い決めポーズをとった。
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