強いていえば恋人(戦友)

リイ

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4章~夏休み~

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 「長谷川、大丈夫か?なんで、無理でしょ?こうゆうのさっきは茜に頼んで広場に残るって言ってたじゃん。茜!どーゆう事だよ!」
はい???カッシーの言っているとことリンから聞いたことが食い違ってるんだけど、、、
「ごめんね、明。茜があまりにも楽しみにしてたから、言い出せなくて。茜とだったら大丈夫かなって、、、茜、楽しみにしてたのにごめんね。」
「茜、長谷川がこうゆうのダメなこと知ってたんじゃないのか?お前はもっと周りを見ろよ。さ、戻るぞ。」
ち、違う!私はリンにちゃんと大丈夫か聞いたのに、、、とカッシーの言葉に反論しようと口を開く、と同時に
「明、ごめんね。茜をそんなに叱らないで、私も悪かったの。ね、早く戻ろ?少し寒くなってきたし。」
リンはカッシーの隣で自分の腕を摩っていかにも寒いよーと言うような仕草をした。するとカッシーは着ていたチェックの半袖のシャツを脱いでリンの肩にかけた。リンはありがとうと満面の笑みでカッシーを見上げていた。そんな2人の様子を私は黙って見ていた。なんか、無性にモヤモヤしてきた。でも、私ももう大学生、状況をちゃんと把握して対応しなくちゃ!
「、、、リ、リン。ごめんね、気づかなくて。あ、私神社に行って紙取ってこなくちゃ。3人とも先に戻ってて!すぐ行って戻るから。」
私は3人の返事も聞かず神社への暗い道に駆け込んだ。なんだか、急にリンがカッシーが怖くなった。恐怖とかそうゆう類の怖さではなくて、ただこの2人には私1人じゃなにも言えなくなるほど追い詰められている感じがした。
「、、、あー、思い出したくないこと思い出してしまったなー。あー!消えろ消えろ!」
走っていた足を止め頭を抱えて思いっきり横に振った。こうゆうの気持ちは小6以来だなーま、こんな思いしたくなくて男子とは一切関わらないように過ごしてきたんだから!今更ぶり返すようなことして。私は頭を抱えていた腕を静かに下に下げた。
「わーーー!!よし、切り替えなくちゃ!今のはちょっとした誤解だよ!私が聞き間違えたのかもしれない!」
私は真っ暗な森の中で一人叫んだ。気持ちが落ち着くとあることに気がついた。
「ここ、、どこ??」
辺りを見回しても明かり一つなく真っ暗な森の中だった。顔を上げて真っ暗な空を見上げると満月に近い月が私の真上にいた。その光は満月の光と同じくらいの輝きだった。
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