強いていえば恋人(戦友)

リイ

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1章~20歳の誕生日~

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 プレゼントも渡せてひと安心した私はある事に気がついた。お泊りってことは寝るときハルと一緒だ!!!え?なに?あーなんか、急にドキドキしてきた。まだ、付き合って1年だよ!あーリンから聞いたこと思い出しちゃったよ。何聞いたかって?!ご想像におまかせします。私、男の人と一晩中同じ部屋とか真面目に初めてなんだけど。夜ご飯の片付けも終わって私はお風呂を借りてた。一応体の隅々まで綺麗にした。一応だからね!!その後ハルもお風呂に入った。その間に冷蔵庫の中にあるケーキを出した。2人だけだったからケーキはちっちゃいイチゴのホールケーキ。ロウソクはさすがに19本も建てられないから3本立てた。部屋の電気を消して、ロウソクの炎がユラユラと揺れている。
「ハル、私を好きになってくれてありがとう。これからもどうぞよろしくお願いします。ハルお誕生日おめでとう。」
ハルはふーっとロウソクの火を消した。真っ暗になった部屋。私が電気をつけると、ハルが可愛いぬいぐるを持っていた。時計を見るともう12:00を回っていた。
「茜、お誕生日おめでとう!日付が変わる時に言えて良かった。それから、大学を卒業したら俺と結婚して下さい。俺らはまだ学生だし立派な大人じゃないからまだ結婚は出来ないけど将来絶対俺のお嫁さんになって下さい。」
そう言いながらハルは私にクマのぬいぐるみをくれた。首には赤いリボンが結んであって、そこにカードがぶら下がっていた。カードには
「茜へ、お誕生日おめでとう。これからも俺のそばで笑ってて。辛い時、楽しい時を分け合って行きたい。大好きだよ。ハル」
私は自然と涙が流れた。返事はもちろん、
「はい、日向茜ら将来、ハルのお嫁さんになります!」
嬉し涙で顔はもうぐちゃぐちゃだと思う。ハルは笑いながら涙を拭ってくれた。
「茜、俺のそばにずっといて。」
ハルは強く抱きしめて、深いキスをした。するとハルは私をベッドに運んで
「俺、茜が欲しい。ダメ?」
やっぱり、、、リンも言ってたからなーあーどうしよう。
「怖かったらまた今度でもいいんだよ!」
そ、そんなことないけど、、、。よし!リンもカッシーとしたって言ってた!
「い、いいよ、、、。は、初めてだから、、、」
ハルはまた深いキスをした。
「茜、口開けて?教えてあげるから。」
ハルは優しかった。途中からの記憶はあやふやで気づきたら手をつないで寝た。今日はいい夢が見られそうだ。そう思ったけど私は怖い夢を見た。ハルやシホリン、みんなが私から離れていってしまう恐ろしい夢。夜中、ハルの声で起きた私は目に涙が溢れていた。
「茜、どうした?怖い夢でも見たのか?」
私はハルに抱きついた。絶対に離れないように話さないように強く強く抱きついた。ハルは優しく頭を撫でてくれた。
「俺はどこにも行かないから。茜の隣にずっといるから、安心して眠りな。お休み。」
ハルの言葉は優しくて私はすぐに眠りについた。あれは何だったんだろう。みんな私から離れていっちゃう。そんな気がしてきた。
「やだよー、怖いよー。ハル絶対離れないでよ。」
私は強く願った。
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