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3章

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 二日目の夜女子の部屋~女子トーク~
「私、実は蒼はに聞きたいことがあったんだけど、、、蒼と瞬也って付き合ってんの??」
「え??いやいや、付き合ってないよ!よく言われるけど、ま、男兄弟?みたいな感じ。え?なに?優心まさか??
「違う違う!後輩のマネが瞬也のこと好きみたいで彼女いるのか聞かれて蒼のこと言おうとしたんだけど付き合ってたっけ??みたいな」
あれ?でも蒼、瞬也くんのこと好きだよね??言わなくていいのかな?
「あー優心にはまだ言ってなかったね。ごめん、その後輩にはいいこと言わないで。私ら瞬也が好きだから。でも、あっちはそれこそ男兄弟とかまー妹みたいにしか見てないし、私可愛げないし、すぐに足出るし、付き合いたいとかは思ってないんだけど瞬也くんに彼女ができたら嫌だってだけ。今の関係が一番しっくり来るし。わー私って束縛的かな??」
蒼は時々切なそうな顔しながら瞬也くんを見る時がある。それは決まって瞬也くんの周りに女子がいる時。瞬也くんは素っ気なく会話してるけど、好きな人が他の女子と話しているのは嫌みたい。
「優心はどーなの?こと前他クラスの子から告られてなかった?修学旅行前に」
私が知らない間にそ、そんなことが。
「うん、でも知らない人だったし断った。今はこうやってみんなとワイワイしたいし、これから部活が一番忙しい時期だし。今年は行くんだ。全国!マネだけど部活の一員として試合に望みたいから。でも、好きな人はいるよ」
「え!だれか聞いてもいいもの?」
「うん!りんと蒼!大好きな人。」
「すき」
蒼は優心に飛びついて、私もつられて飛びついた。すき、大好き!
「りんはいないの?好きな人、あ、異性で」
「あ、それりんから一回も聞いたことないんだよねー私も気になる。」
好きな人かー今までいた事も作ろうと思ったこともないからなー。そう思ったら暁くんの顔がフッと浮かび上がる。びっくりしてすぐにはらいのける。
「あ、いま消したでしょ。さー白状せい!」
いつにもまして鋭い優心ちゃん、、、蒼も目をキラキラさせて待っている。私は重い口を開けて暁くんのことを話した。好きかって聞かれたら好きです。でもその好きはどんな好きなのかわからない。私は今まで恋をしたことがない。だから、こんなに一人の男子を気にかけるのは初めて。
「す、好きだけど、それはどんな好きなのかわからない。他の男子と比べると違う感じもするけど、違わない感じもする。」
「うーんじゃあ、暁が他の女子と話していたら?あと、暁だけが目に入ったことない?それから、話していると胸がきゅーってならない?」
優心に聞かれて私は自分の胸に聞いてみた。暁くんが他の女子と話しているのは暁くんがみんなに好かれるから普通のことだとおもってるし、あと、暁くんだけが目に入ることは何度かあったけど、それは暁くんがキラキラ光って見えたからだと思って。
「優心、この子はこんなことじゃ、気づかないんだよ。りん、なんで暁くんのこと好きなの?瞬也とか優汰もいるじゃん。二人と暁くんの違いは何?」
「なんで、好きなんだろう。でも、ふと思うといいなーって思う。瞬也くんと優汰くんも好きだけど、それは友達としてだってわかる。」
「私もね、瞬也のどこが好きか聞かれたらわからない。直して欲しいとこだけ出てくるよ。でも、それはほんとに好きだから好きってのがあまりにも自然だからわからないんだと思うの。直して欲しいとこは嫌いなとこじゃないしむしろ、もっと一緒にいたいから直して欲しいって思うんだと思う。優汰がお菓子散らかすのはおいっ!って思うけど本気で直して欲しいっては思わない。ま、こんなとこかな?好きと普通と嫌いは紙一重なんだよ。でも大きな違い。りんと優心のこと好き?って聞かれたら即すきっていえるけどどこが?って聞かれたらちょっとかんがえるかな?」
「私もおなじだなー」
と、とても深いです。師匠と呼ばせてください蒼師匠!私は少しホットした気になっていた。その夜考えてみた。私が暁くんの好きなとこ。そしたらぱっぱって、何個か思いついた。これでは本当に好きとは言えないってことだよね。だだ、助けてもらうことが多くてそれで、特別っておもったんだ。それに気づいたら少し残念な気持ちになった。
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