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プロローグ オレの話
しおりを挟むオレの名はアルコ・バステリオ。
ここ、ランクルの街の万年Dランク冒険者。
オレに両親はいない。
孤児として育ったオレは、十四歳の頃、孤児院を飛び出し、一人冒険者として歩むことを決めた。
冒険者は過酷な職業だ。
世界に蔓延る人類の敵、魔物と日夜戦い日銭を稼ぐ。
高ランクにもなれば生活は安定するが、弱ければずっと底辺の生活のままだ。
魔物を倒し、その日の糧を得る。
怪我もすれば、時には死ぬこともある。
だが、世界には『恩恵』が存在する。
神々の与え給うた恩恵は一人に一つ授けられ、魔力によって様々な物を編み出すことが出来る。
強力な恩恵は数多の物を切り裂く武器を、生命と身体を守る防具を、複雑な機構を備えた機械をも作り出す。
冒険者にとってこれは強力な武器だ。
これ一つでその冒険者の戦い方からその後の人生が決まると言っていい。
残念ながらオレの恩恵は『消毒液』だった。
意味不明だろ。
なんだよ『消毒液』って。
手から独特の匂いのする液体を出せるだけなんて、これでどうやって戦うって言うんだ。
しかし、オレは出会う。
そう、これはオレの人生が一変した日。
“眠りの姫”と呼ばれる麗しの姫との出会いから始まる物語。
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