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第一章
Chapter.4 友杏の決意
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2024年 8月9日 博多
深夜、博多ポートタワー近くの公園の茂みの中、250センチメートルほどの長さの楕円形で、ダークブルーの半透明な物体が、突如出現した。中にはひとりの女性が入っている。友杏だ。友杏はラージサイズのスーツケースを持っている。ダークブルーの半透明な物体は、音もたてずに消えていくと、友杏は、2024年の日本の地を踏みしめた。
父、松田坂広が発明したタイムマシンによって、タイムスリップしたのだ。
―本当にこのミッションを遂行することになるのね。
真剣な趣の友杏は覚悟を決めていた。
翌日、友杏は、前もって調べておいた美智の職場で、彼女が退勤するところを待ち伏せした。
美智は、大型ショッピングモールでショップ店員として働いていた。午後8時半、美智は仕事を終えた。屋上の従業員専用の駐車場に向かい車の前に立ったとき、友杏が声をかけると美智は振り返る。
「すみません。岩崎美智さんで間違えないですか?」
「えっ? はい」
「私はこういうものです」
友杏は、父の坂広が作った偽造の警察手帳を見せると、美智は目を見開く。
「岸部幸来紗さんのことで、お話をお伺いしたいのですか、時間をいただけますか?」
「幸来紗に何かあったんですか」
美智は緊張した様子で訊く。
「とりあえず、落ち着ける場所に移動してから話しましょう。私の車に乗っていただけますか」
友杏は、借りたレンタカーに美智を乗せ、近くのファミレスに向かった。
ショッピングモール近くのファミレスで、二人は腰を下ろした。
「夕飯を済ませえてないようだったら、私が払いますので遠慮なく食べてください」
友杏は言うが、美智は緊張して、食欲がなくなっていた。
「いいえ、大丈夫です。飲み物だけあれば」
友杏はドリンクバーをふたつ注文する。お互い飲み物を入れ席に着くと、本題に入る。
「幸来紗さんなのですが、現在、行方不明になっていて、お父様の岸部総理から捜索願の依頼を受けています。お父様からの情報だと、美智さんは、幸来紗さんと小学生の時からの親友だと聞いています。美智さんなら、幸来紗さんのことについて何か知っているのではないかと思い、訪ねさせていただきました」
友杏は深刻なおもむきで話す。
「本当ですか?」美智は少し驚いた様子で心配そうに続ける。
「幸来紗とは長い付き合いですが、3ヵ月ほど連絡は取っていなくて、今どこにいるかは知りません」
「なんでも、ストーカーに付けられていた気配があったとも聞いています。美智さんは、幸来紗さんの異性との交流関係は何かご存じないですか?」
「ストーカー? 本当に? それはあんまり信じられえません。幸来紗との付き合いは長いですけど、彼女、まったく異性に関心のない子なんですよ。いい歳して綺麗な顔してるのに、ファッションにも興味がなく、ぜんぜん垢抜けないんですよね。だから、彼女から異性の話なんて聞いたことないですよ」
「過去に男性との交際経験はありませんでしたか?」
「そういえば、高校2年の時、一度だけ彼氏がいたことはありましたけど、半年も続かなかったと思います」
友杏は思い出しながら、ゆっくりと話す。
「ストーカーがその時の彼氏ってことは考えられませんか?」
「それはありえないと思います。幸来紗って、今じゃ異性にぜんぜん関心がないけど、当時、付き合ってた彼をものすごく束縛しちゃってたみたいなんです。それと、本人いわく、本当に好きになっちゃうと、とことん尽くすタイプみたいで。彼のためなら何でもしてあげたくなっちゃうって、言っていました。付き合ってた彼からしたら、そういうのが重くて、彼女振られちゃったんです」
「その他に男性との交流関係を聞いたことは?」
美智は少し間をおいて話し出す。
「……その後、彼女から異性の話題を聞くことはなかったのですが、一度だけ関心を示している人がいました……」
「その人のことをご存じでしたら教えていただけますか?」
「大学の卒業旅行で、私と幸来紗は東南アジアを旅したんです。その時、ベトナムで、同じく卒業旅行で来ていた大学生二人に私たちはナンパされました。その後、彼らと行動を共にして、幸来紗はその一人に気があったみたいです。まったく男の子に関心のない子だったからびっくりしたのを覚えています」
「彼の連絡先を知っていますか?」
友杏は、打開案のヒントになりそうだと感じたが、興味を押し付けるように冷静に訊く。
「いいえ、知りません。でも、もう一人なら分かるかも…」
「教えていただけますか?」
「でも、彼らに迷惑がかかりませんか?」
美智は心配そうに訊く。
「迷惑をかける気はありません。そんなことより、これは幸来紗さんの命に関わる問題かもしれないし、総理大臣の娘が行方不明なんてマスコミが嗅ぎつけたら面倒くさいから、早く見つけ出さなくてはなりません。二人のことを教えていただけませんか?」
友杏は真剣な眼差しで美智を見つめる。
「分かりました。幸来紗は野島周人くんという人に気があったみたいです。もう一人が日坂智成くん。彼の連絡先なら聞きました」
美智はスマホを取り出し、探し始める。
「あっ、ありました。これです」
「教えてください」
美智は、友杏に智成の住所と電話番号が表示されたスマホを差し出すと、友杏はメモ帳に書き写す。
「ありがとうございます。もしかしたら何かの手掛かりになるかもしれません。
他に何でもいいので、彼女を見つけるために情報はありませんか?」
少し間をおいて美智は答える。
「いえ、思い当たることは何もありません。ただ、とにかく幸来紗が心配です。......幸来紗のお父さんもとても心配しているんじゃないですか? あのお父さん異常なほど幸来紗のこと愛してるから」
「そうなのですか?」
「ええ、特にお母さんが亡くなってから、家族は幸来紗だけだから。幸来紗のためならなんでもするんじゃなかな......
幸来紗が行方不明なんて…... お父さんのメンタルも心配です。幸来紗は一人娘で、すごく愛されて育てられたんです。総理大臣だから強い人だとは思うけど、幸来紗のこととなると居ても立ってもいられないと思います。刑事さん幸来紗を見つけ出してください」美智は切実に頼む。
「分かりました。ご協力ありがとうございました」
友杏は頭を下げる。
美智は、友杏にショッピングモールの屋上駐車場まで送ってもらい、別れたあと、何かを思い出したように急にスマホを取り出し、幸来紗に電話をかけてみる。5回着信音が聞こえたあと繋がった。
「もしもし」いつも通りの声のトーンで幸来紗の声が聞こえた。
―えっ!? 普通に電話繋がるじゃん! もしかしたダマされた? 偽物刑事?
美智は瞬時に友杏を疑った。
「もっ、もしもし! 幸来紗! あんた大丈夫なの!? どこにいるの?」
「えっ、大丈夫なのって何が? 別に何もないよ? 美智こそ大丈夫? なんだか焦ってる様子だけど。……そうそう、まだ美智に伝えてなかったけど、実は私ね、今、インドでボランティアしてるの」
電話の後ろでは、絶え間ないクラクションの音が聞こえる。
「えっ、インド⁉ ……それって、幸来紗のお父さんは知ってるの? いつから?」
「もちろん、知ってるよ。 ちょうど、1ヵ月経つかな」
「もー、なんなの! 騙されたー! さっき、女性刑事が来てさ、幸来紗が行方不明で、お父さんが捜索願出してるって私んとこに来て、何か知ってることないかって訪ねてきたんだよー!」
美智の声は焦っていたが、少しずつ安堵の口調に切り替わっていく。
「そうだ、それと、あんたストーカー被害にあったりしてた?」
「えっ? 今度は何? ストーカー? そんな被害にはあってないけど」
「はぁ~、それも嘘か…... その女刑事が幸来紗がストーカー被害にあっているって言うんだよ。もー、なんなの本当に! じゃあ、大丈夫なんだね本当に?」
「大丈夫だよ」幸来紗は少し呆れたように返す。
「じゃあ、あの刑事の狙いは何なのよ? 気味悪い」
「そーだね。気味悪いね… 何か名刺とかもらってないの?」幸来紗は、不気味に感じる。
「そういえば、もらってない。ダメだな、私…...」美智の声のトーンが下がる。
「その女刑事のこと、何か分かったら連絡して」
「分かった」
「それで、インドでどんなボランティアしてるの?」
「小学校で教育支援、半年間」
幸来紗は気持ちが切り替わったように、嬉しそうに話した。
深夜、博多ポートタワー近くの公園の茂みの中、250センチメートルほどの長さの楕円形で、ダークブルーの半透明な物体が、突如出現した。中にはひとりの女性が入っている。友杏だ。友杏はラージサイズのスーツケースを持っている。ダークブルーの半透明な物体は、音もたてずに消えていくと、友杏は、2024年の日本の地を踏みしめた。
父、松田坂広が発明したタイムマシンによって、タイムスリップしたのだ。
―本当にこのミッションを遂行することになるのね。
真剣な趣の友杏は覚悟を決めていた。
翌日、友杏は、前もって調べておいた美智の職場で、彼女が退勤するところを待ち伏せした。
美智は、大型ショッピングモールでショップ店員として働いていた。午後8時半、美智は仕事を終えた。屋上の従業員専用の駐車場に向かい車の前に立ったとき、友杏が声をかけると美智は振り返る。
「すみません。岩崎美智さんで間違えないですか?」
「えっ? はい」
「私はこういうものです」
友杏は、父の坂広が作った偽造の警察手帳を見せると、美智は目を見開く。
「岸部幸来紗さんのことで、お話をお伺いしたいのですか、時間をいただけますか?」
「幸来紗に何かあったんですか」
美智は緊張した様子で訊く。
「とりあえず、落ち着ける場所に移動してから話しましょう。私の車に乗っていただけますか」
友杏は、借りたレンタカーに美智を乗せ、近くのファミレスに向かった。
ショッピングモール近くのファミレスで、二人は腰を下ろした。
「夕飯を済ませえてないようだったら、私が払いますので遠慮なく食べてください」
友杏は言うが、美智は緊張して、食欲がなくなっていた。
「いいえ、大丈夫です。飲み物だけあれば」
友杏はドリンクバーをふたつ注文する。お互い飲み物を入れ席に着くと、本題に入る。
「幸来紗さんなのですが、現在、行方不明になっていて、お父様の岸部総理から捜索願の依頼を受けています。お父様からの情報だと、美智さんは、幸来紗さんと小学生の時からの親友だと聞いています。美智さんなら、幸来紗さんのことについて何か知っているのではないかと思い、訪ねさせていただきました」
友杏は深刻なおもむきで話す。
「本当ですか?」美智は少し驚いた様子で心配そうに続ける。
「幸来紗とは長い付き合いですが、3ヵ月ほど連絡は取っていなくて、今どこにいるかは知りません」
「なんでも、ストーカーに付けられていた気配があったとも聞いています。美智さんは、幸来紗さんの異性との交流関係は何かご存じないですか?」
「ストーカー? 本当に? それはあんまり信じられえません。幸来紗との付き合いは長いですけど、彼女、まったく異性に関心のない子なんですよ。いい歳して綺麗な顔してるのに、ファッションにも興味がなく、ぜんぜん垢抜けないんですよね。だから、彼女から異性の話なんて聞いたことないですよ」
「過去に男性との交際経験はありませんでしたか?」
「そういえば、高校2年の時、一度だけ彼氏がいたことはありましたけど、半年も続かなかったと思います」
友杏は思い出しながら、ゆっくりと話す。
「ストーカーがその時の彼氏ってことは考えられませんか?」
「それはありえないと思います。幸来紗って、今じゃ異性にぜんぜん関心がないけど、当時、付き合ってた彼をものすごく束縛しちゃってたみたいなんです。それと、本人いわく、本当に好きになっちゃうと、とことん尽くすタイプみたいで。彼のためなら何でもしてあげたくなっちゃうって、言っていました。付き合ってた彼からしたら、そういうのが重くて、彼女振られちゃったんです」
「その他に男性との交流関係を聞いたことは?」
美智は少し間をおいて話し出す。
「……その後、彼女から異性の話題を聞くことはなかったのですが、一度だけ関心を示している人がいました……」
「その人のことをご存じでしたら教えていただけますか?」
「大学の卒業旅行で、私と幸来紗は東南アジアを旅したんです。その時、ベトナムで、同じく卒業旅行で来ていた大学生二人に私たちはナンパされました。その後、彼らと行動を共にして、幸来紗はその一人に気があったみたいです。まったく男の子に関心のない子だったからびっくりしたのを覚えています」
「彼の連絡先を知っていますか?」
友杏は、打開案のヒントになりそうだと感じたが、興味を押し付けるように冷静に訊く。
「いいえ、知りません。でも、もう一人なら分かるかも…」
「教えていただけますか?」
「でも、彼らに迷惑がかかりませんか?」
美智は心配そうに訊く。
「迷惑をかける気はありません。そんなことより、これは幸来紗さんの命に関わる問題かもしれないし、総理大臣の娘が行方不明なんてマスコミが嗅ぎつけたら面倒くさいから、早く見つけ出さなくてはなりません。二人のことを教えていただけませんか?」
友杏は真剣な眼差しで美智を見つめる。
「分かりました。幸来紗は野島周人くんという人に気があったみたいです。もう一人が日坂智成くん。彼の連絡先なら聞きました」
美智はスマホを取り出し、探し始める。
「あっ、ありました。これです」
「教えてください」
美智は、友杏に智成の住所と電話番号が表示されたスマホを差し出すと、友杏はメモ帳に書き写す。
「ありがとうございます。もしかしたら何かの手掛かりになるかもしれません。
他に何でもいいので、彼女を見つけるために情報はありませんか?」
少し間をおいて美智は答える。
「いえ、思い当たることは何もありません。ただ、とにかく幸来紗が心配です。......幸来紗のお父さんもとても心配しているんじゃないですか? あのお父さん異常なほど幸来紗のこと愛してるから」
「そうなのですか?」
「ええ、特にお母さんが亡くなってから、家族は幸来紗だけだから。幸来紗のためならなんでもするんじゃなかな......
幸来紗が行方不明なんて…... お父さんのメンタルも心配です。幸来紗は一人娘で、すごく愛されて育てられたんです。総理大臣だから強い人だとは思うけど、幸来紗のこととなると居ても立ってもいられないと思います。刑事さん幸来紗を見つけ出してください」美智は切実に頼む。
「分かりました。ご協力ありがとうございました」
友杏は頭を下げる。
美智は、友杏にショッピングモールの屋上駐車場まで送ってもらい、別れたあと、何かを思い出したように急にスマホを取り出し、幸来紗に電話をかけてみる。5回着信音が聞こえたあと繋がった。
「もしもし」いつも通りの声のトーンで幸来紗の声が聞こえた。
―えっ!? 普通に電話繋がるじゃん! もしかしたダマされた? 偽物刑事?
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「もっ、もしもし! 幸来紗! あんた大丈夫なの!? どこにいるの?」
「えっ、大丈夫なのって何が? 別に何もないよ? 美智こそ大丈夫? なんだか焦ってる様子だけど。……そうそう、まだ美智に伝えてなかったけど、実は私ね、今、インドでボランティアしてるの」
電話の後ろでは、絶え間ないクラクションの音が聞こえる。
「えっ、インド⁉ ……それって、幸来紗のお父さんは知ってるの? いつから?」
「もちろん、知ってるよ。 ちょうど、1ヵ月経つかな」
「もー、なんなの! 騙されたー! さっき、女性刑事が来てさ、幸来紗が行方不明で、お父さんが捜索願出してるって私んとこに来て、何か知ってることないかって訪ねてきたんだよー!」
美智の声は焦っていたが、少しずつ安堵の口調に切り替わっていく。
「そうだ、それと、あんたストーカー被害にあったりしてた?」
「えっ? 今度は何? ストーカー? そんな被害にはあってないけど」
「はぁ~、それも嘘か…... その女刑事が幸来紗がストーカー被害にあっているって言うんだよ。もー、なんなの本当に! じゃあ、大丈夫なんだね本当に?」
「大丈夫だよ」幸来紗は少し呆れたように返す。
「じゃあ、あの刑事の狙いは何なのよ? 気味悪い」
「そーだね。気味悪いね… 何か名刺とかもらってないの?」幸来紗は、不気味に感じる。
「そういえば、もらってない。ダメだな、私…...」美智の声のトーンが下がる。
「その女刑事のこと、何か分かったら連絡して」
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