異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)

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小話―アリーシャ Side


 ―――一方その頃、魔法文字専門の研究者アリーシャ・ブレーストは。

「ふっふっふっ……」

 ドーザが置き土産として置いていった、例の羊皮紙を眺め、含み笑いを漏らしていた。

 ・標的
 ・追跡
 ・固定
 ・解除
 ・雄風
 ・生命反応
 ・探索
 ・盾
 ・新鮮
 ・維持
 ・浮遊
 ・転写   
 ・気配
 ・気薄 

「……アリーシャ様。ドーザ様に頼まれた研究は、いつはじめられるんですか?」
「…っ!分かっておる!火の効力諸々の検査じゃろ?」
「そうです。ドーザ様が仲介されていますから、その方のお名前は分かりませんが……『出来るだけ早く』と仰られています」
「分かっておる!……スリヤは、ちゃんと実験室を押さえたんじゃろうな?」

 アリーシャを師と仰ぐスリヤ弟子の催促に、アリーシャは苛立ちを隠さずに返事を返した。

「勿論ですよ。ミスリルを溶かす威力にも耐えられる結界が張られています」
「上等じゃ!よし、くぞ!」

 置き土産の紙は、執務机の引き出しに大切に片付けられ、意気揚々と部屋を飛び出したアリーシャ。
 
「はぁ…待ってくださいよ!」  

 スリヤは小さく息を吐くと、小走りで師匠を追いかけた。

 ―――誰もいなくなったアリーシャの自室には、ドーザが渡した研究すべき項目を記した書類が残されていた。

『 魔法文字の効力の規模の調査願い
 
 調査対象【灯火トーチ
 分解可能文字【ファイア
       【ライト】   
 調査依頼詳細
 ・ファイアのみでの詠唱
 ・ライトのみでの詠唱
(これらを唱える際のイメージは、蝋燭の火をイメージすること)
 ・ファイアの詠唱で、異なるイメージの火力の調査
 ・上記が可能な場合、どの程度まで可能かの調査(施設に損傷を起こさないように!)
 調査期日
 ・出来るだけ早く。
             以上。

  調査依頼者ドーザ・メルレオン  』


 僅かに開いた窓から吹き込んだ風は、ドーザの書類を攫ってしまう。
 風と踊る羊皮紙は、身を翻し、裏返しで絨毯の上に落ちた。
 そして羊皮紙の裏の端には、小さな文字でこう書かれていた。

『成功報酬
・希望の魔法文字を一語、承ります。ルイ』

 さぁ……アリーシャがこれに気づくのは、いつになるのかな?
  
                           END 

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