悪役令嬢は最強になりたい

咲良

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第2章 原作が始まった!

まさかのまた魔物退治!?

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待って、とりあえず、今はお父様もお母様も、あのバカ兄もいないから、私が公爵代理!?
「とりあえず、私に任せて。」
下手に犠牲を出すよりも、私一人で戦った方が良い。
「ですが、お嬢様、それは危なすぎます!」
この子、新人ね?
私があのアホ兄に勝ったこと知らないんだ。
「大丈夫。僕たちも戦うから。」
私の肩に手を乗せたのは、ロアやミラたちだった。
「みんな、戦えるの!?」 
「「「「「もちろん!」」」」」
そ、そうだよね。
皇太子と次期公爵家当主達だもん。
「わ、わかりました。」
「ローゼとセターレは部屋に戻して。」
「かしこまりました。」
「えっ!お姉ちゃん!危険だよ!」
「僕たちも…」
新人騎士にセターレ達を部屋へ戻してもらい、攻撃準備完了となった。
バカ兄は私に負けたことで、次期大公爵は私になった。
だから、この魔物退治では負けられない!
「サナ」
「はい、なんでしょう、お嬢様。」
サナは、今じゃもうスパイ、報告、侍女の仕事など、沢山のことをマスターした。
「今の状況は?」
「まだ結界のおかげで中には侵入していません。東に上級魔物四十体、西、南、は同じですが、北だけ上級魔物が六十体、合計二百体です。」
二百体…
「じゃあ、私が北ね。ロアは東、ミラは西、そして、シリウスは南ね。」
これで準備完了!
「おい、ちょっと待て!」
あ、そういえば、忘れてた。リギルのこと。
「じゃあ、リギルはロアのことを援護して。よし。行こう。」
「「「「「了解!」」」」」
私達は正門で別れ、私は急いで東へと転移魔法で行った。
東の結界の前には、沢山の魔物が領地の中へ雪崩れ込もうとしていた。
あれ?何か飛んでるような…
もしかして、ワイバーン!?
待って、待って、やばい!
確か、物理魔法しか効かないんだよね?
じゃあ、全員眠らせてから、倒すか。
後は、うげっ、ジャイアントスライムじゃん。分離して大変なんだよなあ。
スライムは眠らないから、先に倒すか。
【弓】
私は弓と矢を手に取って、スライムの群に向かって放った。
凄い衝撃音と共に、スライムは跡形もなく、消えた。
インベントリにはジャアイアンとスライムの宝石がたくさん入ったし、最高!
次は、セイレーンの睡眠魔法!
眠りの呪いスリープカース
この呪いは、甘い香りを出し、その匂いを嗅いでしまうと、眠ると同時に体が脆くなる。
後は爆破するだけ…
攻撃体制に入ると、急にさっきまでいなかった二匹の幼いフェンリルが遠吠えをあげた。
えっ!?なになに?
すると、二匹フェンリルはだんだん幼い少年と少女の姿へと変身した。
私は慌てて少年と少女のことを抱えた。
わ!何この子?
マリーさんみたいに耳が生えてるけど、猫じゃない。
きつねだ!
「ぐうぉぉぉ!」
あ、忘れてた。
目の前には大量の魔物。ま、眠ってるんだけどね。
ちゃ、ちゃっと終わらせるか。
私はばーん!と爆破させた後、急いで公爵邸へ戻った。
正門の前にはもうすでにみんなが集まっていた。
私が最後?
「ローザぁ、おそーい!って、誰その子達!?狐の耳生えてる!可愛い~」
ぷっ。
ミラ、前世のいわゆる陽キャ一軍女子みたい。
「ローザ、早くその子達を中に入れよう。」
「うん。」
私達六人は急いで私の部屋へ向かった。
自分のベッドに幼子達を寝かせると、みんなで魔物から貰ったアイテムを見せ合った。
「ミラすごいじゃん!まさかエクストリームスネイクの鱗をゲットするなんて!」
これめっちゃレアなんだよ!
「ローザこそ、大量の宝石、しかもみたことない新種のやつ、あなたすごいじゃない!」
え、これ新種なの?
(アレック~どれぐらいレア?)
『レッドダイアぐらい!』
(ええええっ!?)
レ、レッドダイアモンドって…
世界一高価で希少なダイアモンドじゃん!
た、確かに赤色だけど。
これで商売始めよう。
新種の宝石で、しかも硬いし、綺麗。
最高じゃん!
「やっぱり僕の婚約者はすごいね。」
「ロア、ありがとう!」
私はロアに向かってにっこり笑った。
「う、うん。」
「ロア、顔赤いけど、大丈夫?」 
もしかして、無理のしすぎ?
「だ、大丈夫。」
ふふっ。可愛い。
弟みたいだなあ。
『お、ローザ、フェンリル獣人さん達が起きたみたい。』
え、本当?
アレック、なんでわかったんだろう。
ベッドの方へ向かうと、アレックの言う通り、幼子達が目をぱっちり開けていた。
こっちを見ると、怯えた顔をして、布団の中に潜っちゃったけど。
私の顔、怖いのかな?
布団の外からでも、震えていることがわかる。
人間にいじめられて来たのかな。
「二人とも、大丈夫?」
私が話しかけると、二人は少しだけ顔を布団から出した。
男の子はグレーの髪に濃い青色の目、女の子はグレーの髪に藤色の目、双子じゃん!
顔が整ってるところも同じ!
可愛すぎる!
とりあえず、みんなに少しだけローゼかセターレの部屋に行ってと伝えた後、私は二人のことを聞くことにした。
「えっと… 二人は、フェンリル?」
聞いてみると、二人は耳をぺたんと下げ、涙目でこっちをみた。
待って、私ってそんなに怖い!?
もしかして悪役顔だから?
それなら、今作った、双子と仲良くなろう大作戦、開始だね!
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