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第一章 女子高生行方不明事件
第三十八話
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明善に噛み付いた蛇は、その巨大な口と鋭い牙で明善の体を粉々に噛み砕き高熱の炎で焼き付く、ことが出来なかった。明善に接触しようとした瞬間、消えたのだ。音もなく、忽然と。痕跡も残さず、火の粉さえも全て消えた。
「うお、あっつ! 炎の魔法は発生した熱まで消えないから厄介なんだよな」
明善は顔を手で仰ぎ、もう片方の手で襟元を掴み、Tシャツ内に空気を送る。今さっき炎の蛇に襲われたリアクションには思えない。まるで真夏日に外に出て、熱波に当てられた体を冷やすかのようだ。
「谷家ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫。異世界人の方も。アキくんは、聞く必要ないか」
「もちろん。怪我なし」
愛美達の安全を確認した明善は、金髪の方に目をやる。彼の表情は驚愕一色。まるでとんでもない光景を目にしたかの様な、信じられないといった顔。
明善は金髪の身柄を確保するため、彼に向かってゆっくりと進む。
金髪は呆けていたが、すぐに我に返り慌てて呪文を唱える。魔法を次々と発動し、奇跡を生み出し、明善に放つ。だが、それらは無意味だった。電撃は明善を傷つけることなく霧散し、明善の体に絡みついた光の縄は忽ちに消える。行手を阻む透明な壁に明善が手を翳すと、あっさり砕けた。全ての魔法が明善に接触すると、消えてしまうのだ。
金髪はまるで恐ろしい悪夢を見ているかのような、絶望の表情。
「……おまえ、なんだ……なんなんだよ! こっちの世界の住人じゃないのか⁉︎」
金髪は近づいてくる明善に向かって、さらに呪文を唱える。だが、魔法が生み出されることは無かった。金髪は激しく咳き込みながら、地面に膝をつく。彼の元まで辿り着いた明善は、手錠を取り出し金髪の手にかけた。
「魔法を使い過ぎだよ。そっちの世界とこっちの世界は違うんだから」
異世界人はこちらの世界に来ても、能力を失うことは無い。だが、能力によっては大きな制限がかかる場合がある。例えば、この金髪が使った魔法。魔法はこちらの世界でも使用することはできる。だが、魔力消費が激しかったり、小さな魔法しか使えないなどがある。金髪の使う魔法がどのような系統かは知らない。だが、明善が推測するに、金髪が使用する魔法は体内の魔力を使うもの。自分達の世界と同じように魔法を連発して、魔力切れを起こして倒れたのだろう。
まあ、仲間が捕まったのと、得体の知れない俺に焦って冷静さを失ったんだろうな。
「かくほー!」
異対機動隊の隊長の掛け声で、異対機動隊は隊列を維持したまま前進。刺青と金髪の身柄を確保した。
「うお、あっつ! 炎の魔法は発生した熱まで消えないから厄介なんだよな」
明善は顔を手で仰ぎ、もう片方の手で襟元を掴み、Tシャツ内に空気を送る。今さっき炎の蛇に襲われたリアクションには思えない。まるで真夏日に外に出て、熱波に当てられた体を冷やすかのようだ。
「谷家ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫。異世界人の方も。アキくんは、聞く必要ないか」
「もちろん。怪我なし」
愛美達の安全を確認した明善は、金髪の方に目をやる。彼の表情は驚愕一色。まるでとんでもない光景を目にしたかの様な、信じられないといった顔。
明善は金髪の身柄を確保するため、彼に向かってゆっくりと進む。
金髪は呆けていたが、すぐに我に返り慌てて呪文を唱える。魔法を次々と発動し、奇跡を生み出し、明善に放つ。だが、それらは無意味だった。電撃は明善を傷つけることなく霧散し、明善の体に絡みついた光の縄は忽ちに消える。行手を阻む透明な壁に明善が手を翳すと、あっさり砕けた。全ての魔法が明善に接触すると、消えてしまうのだ。
金髪はまるで恐ろしい悪夢を見ているかのような、絶望の表情。
「……おまえ、なんだ……なんなんだよ! こっちの世界の住人じゃないのか⁉︎」
金髪は近づいてくる明善に向かって、さらに呪文を唱える。だが、魔法が生み出されることは無かった。金髪は激しく咳き込みながら、地面に膝をつく。彼の元まで辿り着いた明善は、手錠を取り出し金髪の手にかけた。
「魔法を使い過ぎだよ。そっちの世界とこっちの世界は違うんだから」
異世界人はこちらの世界に来ても、能力を失うことは無い。だが、能力によっては大きな制限がかかる場合がある。例えば、この金髪が使った魔法。魔法はこちらの世界でも使用することはできる。だが、魔力消費が激しかったり、小さな魔法しか使えないなどがある。金髪の使う魔法がどのような系統かは知らない。だが、明善が推測するに、金髪が使用する魔法は体内の魔力を使うもの。自分達の世界と同じように魔法を連発して、魔力切れを起こして倒れたのだろう。
まあ、仲間が捕まったのと、得体の知れない俺に焦って冷静さを失ったんだろうな。
「かくほー!」
異対機動隊の隊長の掛け声で、異対機動隊は隊列を維持したまま前進。刺青と金髪の身柄を確保した。
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