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第二章 ストーカーは異世界人?
第九話
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エリトが明善達の世界に来た最初のきっかけは、全くの偶然だった。早朝、エリトは家の近くの森に日課である山菜採りに行ったのだが、収穫は残念ながらゼロ。今年は天候の問題から実る山菜が少なく、いつもの採取場所も残りは僅か。一つの場所で採り尽くすことは自然のバランスを崩すため、別の採取場所を見つける必要がある。そこでエリトはもう少し山の奥まで進むことに。普段立ち入る人間が少ないため、手付かずの山菜がわんさか。絶好の山菜スポットを見つけた彼は夢中になり、どんどん山の奥へ。途中霧が出始めたが、道に迷っても森や風の精霊に尋ねれば良い。彼は山菜採りに熱中になり、霧の中へ無警戒に入って行った。
そろそろ帰ろうとかと思った時、あることに気がついた。森の雰囲気がいつもと違う。植生が異なり、気温も高い。
なんか、変だなぁ。
エリトはそう思い森の中を警戒しながら進むと、ある光景が眼に飛び込んできた。細長い鉄の蛇が高速で走り、舗装された道の上を牽引する馬がいない馬車が忙しなく移動している。上から聞こえてきた高音に眼を向けると、はるか上空に翼を一切羽ばたかせない怪鳥がいた。
しばらくの間その光景に呆けていたが、エリトはようやく我に返って気づいた。
自分は異世界に来てしまったのだ、と。
明善はエリトの話をメモに書き連ねていく。
「なるほどね、天然のゲートか」
「はい。そうだと思います。僕の世界では精霊に供物を捧げ、特定の期間に何日もお願いすることでゲートを開けてもらいます。でも、僕ゲートを通った記憶がありません」
ゲートは本来膨大なエネルギーを使い、特定の条件下で開けるもの。開け方は世界によって様々だが、人為的に開けることに変わらない。ただ、稀にいくつかの偶然が重なり、ゲートが自然発生することがあるのだ。こちらの世界でもいくつかの天然のゲートが見つかっており、周辺で起きていた行方不明事件はそれらが原因と考えられている。エリトの話を聞く限り、その山菜取りに行っていた山にもゲートが自然発生していたのだろう。
「ちなみになんだけどさ、エリト君は間の回廊には気が付かなかった?」
「いや、気づかなかったです」
「そっか。多分、こっちの世界とヴェスタは近いんだろうな」
例え自然のゲートであっても、世界間に存在する間の空間を一度通る必要がある。だが、世界の距離が近いと間の回廊も短くなり、場合によっては一瞬で通り抜ける。
「君が偶然この世界に迷い込んだことはわかった。悪意があるわけじゃないから、そのことは罪に問われない。それでね、迷い込んで以降、君はこっちの世界にいたの? 帰れなかった?」
「いいえ、違います。一度、僕の世界に戻ることができたのです」
異世界に来てしまったことにエリトはパニックになり、自分の世界に帰ろうととにかく歩き回った。こちらの世界の警察に保護してもらえればよかったのだが、エリトにはそのような知識はない。この世界に存在する精霊とも対話を試みたが、世界が違うためか、いまいち意思疎通ができなかった。森の中をひたすら歩き回り、終いには市内に出てしまった。当時は人通りが少なかったものの、風体が異なる彼は住民から奇異の目で見られ、それから逃げるように市内を当てもなく彷徨った。
気がついたら夕方。疲れ果てたエリトは田畑の畦道に座り込む。
異世界への入り口となった森に一度戻ろうにも、自分がどこにいるかもわからない。このまま日が暮れれば、土地勘の無い自分にはもうどうすることも出来ない。
このまま帰れないのかな。
頭を抱え塞ぎ込んでいると、エリトに優しさを含んだ声がかけられる。
「あ、あの大丈夫ですか?」
顔を上げると、一人の妙齢の女性。女性は心配そうにエリトの顔を覗き込んでいる。
「外国の方ですか? 道に迷ったんですか? ああ、そっか。日本語じゃ通じないか。あー、でも私英語全く出来ないし。警察に相談した方がいいかな?」
異なる世界の女性の言葉は、エリトにはまったく理解できなかった。
ただ、その表情と声音から女性が善意で接していることはわかる。
異世界人である自分に対し、恐れることなく接してくれたのだ。この女性が最後の希望だ。
エリトは地面に絵を描いたり、身振り手振りで必死に自分の置かれた状況、自分が出てきた森に帰りたいことを伝える。話を聞く女性は汲み取ろうと真剣な顔。
「あー、森に行きたいんですね! 市内にある森っていったら、あそこかな。ここから一番近いし」
時間はかかってしまったが、女性にエリトの思いがうまく伝わった。
「私がそこまで案内しますよ。あなた一人じゃ危ないし」
手招きする女性の後をついていき、少し歩いて目的の森に到着。
これで帰れる。
涙ながらに何度も感謝の言葉を述べるエリトに、女性は「困ったらお互い様です」と手を顔の前で振る。
「なんでこの時間帯に森に入るのかわかりませんけど、気をつけてくださいね。……あ、そうだ」
女性はエリトに手を差し出す。その柔らかそうな手のひらには、包み紙に包まれた飴玉。
「これ、あげます。美味しいですよ」
女性は飴玉を渡した後、笑顔で手を振りながら去っていく。女性が見えなくなるまで見送ったエリトは、包み紙の一つを解きそれを口へ。飴玉は果物の酸味と甘さがほどよく溶け込んでおり、女性が自信満々で渡してきただけはある。エリトの世界にも飴玉は存在するが、ただ砂糖を固めただけの甘ったるいモノであり大違い。
美味しいモノを口に入れたことにより、エリトは落ち着きと自信を幾分か取り戻す。
月明かりだけが便りの中、自分の世界へ帰るべく真っ暗な森の中をひたすら突き進む。狩人であるエリトにとって、夜の森は恐るべき存在。だが、幸いなことに猛獣の類はおらず、虫の声が聞こえるのみ。何より、あの女性からもらった飴玉が恐怖を和らげ、元気づけてくれる。
森の中を散策していると、朝と同じような霧が立ち込めて、その霧に向かって臆せず進む。少し歩いたところで、霧を抜けた。夜で視界が悪いが、そこはエリトがよく知っている森だとすぐにわかった。
こうして、自分の世界に無事に帰れたのである。
明善はふとある疑問が浮かび、メモを取る手を一時停止。
「あれ? 今の話、こっちの世界の住人と言葉が通じないって言った?」
「はい」
「翻訳はどうしたの?」
世界が異なるなら、言葉は当然通じない。だが、エリトを含め、多くの異世界人と明善は今まで問題なく会話できていた。それは何故か。理由は簡単。異世界人達が魔法や魔道具などで、言語を翻訳しているからである。異世界人は自分の世界の言葉を喋っているが、相手にはその相手の言語で言葉が聞こえるのだ。異世界に行く人間は大抵この翻訳技術を持っていく。
エリトは首を左右に振って見せる。
「僕の世界には翻訳の術がないんです。一応、精霊を介して意思を伝えることはできます。僕の世界にいる精霊と、相手の世界の精霊の間で翻訳してもらうんです」
「精霊に仲介してもらうのか。こっちの世界にも精霊はいるの?」
「はい。精霊は基本どの世界にもいます」
「へー」
「ただ、条件がいろいろありまして。僕の世界の精霊についてきてもらったり、相手も精霊と対話する術を持っている必要があります」
「そうなんだ。じゃあ、俺と君が今会話できるのはどうして?」
エリトと会話するためには、明善も精霊と対話できなければいけない。だが、明善には精霊の声が聞こえたというスピリチュアルな体験は、生まれてこの方一度もない。
「ああ、それはこれです」
エリトは自分の首元に手を突っ込み、緑色の石のペンダントを取り出して見せる。
「とある人達から購入しまして。これのお陰で言葉が通じるんです」
「でも、今さっき君らの世界には翻訳技術がないって言ったよね。 矛盾していない?」
「あー」
エリトは腕を組み考え込む仕草。
「そうですね。時系列順に話した方がいいかもしれません。話の中で一つずつ説明していきます」
「じゃ、それで頼むよ。ここではできるだけ手短に」
「はい。わかりました」
そろそろ帰ろうとかと思った時、あることに気がついた。森の雰囲気がいつもと違う。植生が異なり、気温も高い。
なんか、変だなぁ。
エリトはそう思い森の中を警戒しながら進むと、ある光景が眼に飛び込んできた。細長い鉄の蛇が高速で走り、舗装された道の上を牽引する馬がいない馬車が忙しなく移動している。上から聞こえてきた高音に眼を向けると、はるか上空に翼を一切羽ばたかせない怪鳥がいた。
しばらくの間その光景に呆けていたが、エリトはようやく我に返って気づいた。
自分は異世界に来てしまったのだ、と。
明善はエリトの話をメモに書き連ねていく。
「なるほどね、天然のゲートか」
「はい。そうだと思います。僕の世界では精霊に供物を捧げ、特定の期間に何日もお願いすることでゲートを開けてもらいます。でも、僕ゲートを通った記憶がありません」
ゲートは本来膨大なエネルギーを使い、特定の条件下で開けるもの。開け方は世界によって様々だが、人為的に開けることに変わらない。ただ、稀にいくつかの偶然が重なり、ゲートが自然発生することがあるのだ。こちらの世界でもいくつかの天然のゲートが見つかっており、周辺で起きていた行方不明事件はそれらが原因と考えられている。エリトの話を聞く限り、その山菜取りに行っていた山にもゲートが自然発生していたのだろう。
「ちなみになんだけどさ、エリト君は間の回廊には気が付かなかった?」
「いや、気づかなかったです」
「そっか。多分、こっちの世界とヴェスタは近いんだろうな」
例え自然のゲートであっても、世界間に存在する間の空間を一度通る必要がある。だが、世界の距離が近いと間の回廊も短くなり、場合によっては一瞬で通り抜ける。
「君が偶然この世界に迷い込んだことはわかった。悪意があるわけじゃないから、そのことは罪に問われない。それでね、迷い込んで以降、君はこっちの世界にいたの? 帰れなかった?」
「いいえ、違います。一度、僕の世界に戻ることができたのです」
異世界に来てしまったことにエリトはパニックになり、自分の世界に帰ろうととにかく歩き回った。こちらの世界の警察に保護してもらえればよかったのだが、エリトにはそのような知識はない。この世界に存在する精霊とも対話を試みたが、世界が違うためか、いまいち意思疎通ができなかった。森の中をひたすら歩き回り、終いには市内に出てしまった。当時は人通りが少なかったものの、風体が異なる彼は住民から奇異の目で見られ、それから逃げるように市内を当てもなく彷徨った。
気がついたら夕方。疲れ果てたエリトは田畑の畦道に座り込む。
異世界への入り口となった森に一度戻ろうにも、自分がどこにいるかもわからない。このまま日が暮れれば、土地勘の無い自分にはもうどうすることも出来ない。
このまま帰れないのかな。
頭を抱え塞ぎ込んでいると、エリトに優しさを含んだ声がかけられる。
「あ、あの大丈夫ですか?」
顔を上げると、一人の妙齢の女性。女性は心配そうにエリトの顔を覗き込んでいる。
「外国の方ですか? 道に迷ったんですか? ああ、そっか。日本語じゃ通じないか。あー、でも私英語全く出来ないし。警察に相談した方がいいかな?」
異なる世界の女性の言葉は、エリトにはまったく理解できなかった。
ただ、その表情と声音から女性が善意で接していることはわかる。
異世界人である自分に対し、恐れることなく接してくれたのだ。この女性が最後の希望だ。
エリトは地面に絵を描いたり、身振り手振りで必死に自分の置かれた状況、自分が出てきた森に帰りたいことを伝える。話を聞く女性は汲み取ろうと真剣な顔。
「あー、森に行きたいんですね! 市内にある森っていったら、あそこかな。ここから一番近いし」
時間はかかってしまったが、女性にエリトの思いがうまく伝わった。
「私がそこまで案内しますよ。あなた一人じゃ危ないし」
手招きする女性の後をついていき、少し歩いて目的の森に到着。
これで帰れる。
涙ながらに何度も感謝の言葉を述べるエリトに、女性は「困ったらお互い様です」と手を顔の前で振る。
「なんでこの時間帯に森に入るのかわかりませんけど、気をつけてくださいね。……あ、そうだ」
女性はエリトに手を差し出す。その柔らかそうな手のひらには、包み紙に包まれた飴玉。
「これ、あげます。美味しいですよ」
女性は飴玉を渡した後、笑顔で手を振りながら去っていく。女性が見えなくなるまで見送ったエリトは、包み紙の一つを解きそれを口へ。飴玉は果物の酸味と甘さがほどよく溶け込んでおり、女性が自信満々で渡してきただけはある。エリトの世界にも飴玉は存在するが、ただ砂糖を固めただけの甘ったるいモノであり大違い。
美味しいモノを口に入れたことにより、エリトは落ち着きと自信を幾分か取り戻す。
月明かりだけが便りの中、自分の世界へ帰るべく真っ暗な森の中をひたすら突き進む。狩人であるエリトにとって、夜の森は恐るべき存在。だが、幸いなことに猛獣の類はおらず、虫の声が聞こえるのみ。何より、あの女性からもらった飴玉が恐怖を和らげ、元気づけてくれる。
森の中を散策していると、朝と同じような霧が立ち込めて、その霧に向かって臆せず進む。少し歩いたところで、霧を抜けた。夜で視界が悪いが、そこはエリトがよく知っている森だとすぐにわかった。
こうして、自分の世界に無事に帰れたのである。
明善はふとある疑問が浮かび、メモを取る手を一時停止。
「あれ? 今の話、こっちの世界の住人と言葉が通じないって言った?」
「はい」
「翻訳はどうしたの?」
世界が異なるなら、言葉は当然通じない。だが、エリトを含め、多くの異世界人と明善は今まで問題なく会話できていた。それは何故か。理由は簡単。異世界人達が魔法や魔道具などで、言語を翻訳しているからである。異世界人は自分の世界の言葉を喋っているが、相手にはその相手の言語で言葉が聞こえるのだ。異世界に行く人間は大抵この翻訳技術を持っていく。
エリトは首を左右に振って見せる。
「僕の世界には翻訳の術がないんです。一応、精霊を介して意思を伝えることはできます。僕の世界にいる精霊と、相手の世界の精霊の間で翻訳してもらうんです」
「精霊に仲介してもらうのか。こっちの世界にも精霊はいるの?」
「はい。精霊は基本どの世界にもいます」
「へー」
「ただ、条件がいろいろありまして。僕の世界の精霊についてきてもらったり、相手も精霊と対話する術を持っている必要があります」
「そうなんだ。じゃあ、俺と君が今会話できるのはどうして?」
エリトと会話するためには、明善も精霊と対話できなければいけない。だが、明善には精霊の声が聞こえたというスピリチュアルな体験は、生まれてこの方一度もない。
「ああ、それはこれです」
エリトは自分の首元に手を突っ込み、緑色の石のペンダントを取り出して見せる。
「とある人達から購入しまして。これのお陰で言葉が通じるんです」
「でも、今さっき君らの世界には翻訳技術がないって言ったよね。 矛盾していない?」
「あー」
エリトは腕を組み考え込む仕草。
「そうですね。時系列順に話した方がいいかもしれません。話の中で一つずつ説明していきます」
「じゃ、それで頼むよ。ここではできるだけ手短に」
「はい。わかりました」
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