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第45話 強くなりたい

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しかし、パパは変態だ。

さっきのアリシアをおんぶした時もそう思った。

背中にうんこをかけられて、恍惚としている。
本当に気持ち悪い。
私はこんな変態の娘なのか。
考えるだけで嫌になる。
それから、数日が過ぎた頃、ようやくゴブリンの襲撃の原因を突き止めることができた。
どうやら、近くの洞窟に住み着いたゴブリンロードが原因らしい。

つまり、ゲームと同じことが起きたわけだ。

それをパパたちは蹴散らした。

変態ばかりだけどそこだけは評価したい。

そして、私は自分が何の能力も無いモブキャラだと分かった。

恐らく、ゴブリンの襲撃で命を落とすはずが、パパたちに助けられた。

そのせいで、本来死ぬはずだった私が生き残った。

「私は強くなりたい」

その日から、私の修行が始まった。
まず、基礎体力をつけるために走り込みをする。
毎日、朝昼晩と走るのはきつい。
そして、剣の稽古。
素振りをしたり、打ち合ったりする。
正直、才能は無いと思った。
だって、どんなに努力しても強くならないんだもん。

「もっと頑張らないと!」

自分を鼓舞するが、なかなか上手くいかない。
ある日のこと、いつものように修行をしていると、突然、頭に声が流れてきた。

《スキル『無詠唱』を獲得》

この世界に来てから初めて聞いた言葉だった。

「今の声は何だろう?」

誰かが喋ったわけではないし、空耳か? まあ、いいか。
とりあえず練習してみよう。
呪文を唱えるフリをしてみた。
すると、頭の中でイメージしていた通りの魔法を発動することができた。

「嘘っ!?」

どうやら、本当みたいだ。

「これは使えるかも!」

それから、何度も繰り返した。
今では、自由自在に魔法を使うことができる。

「すごい!」

嬉しくて仕方がない。

「よし、次は攻撃魔法の特訓をしよう!」

それから、一週間後。
ついに攻撃魔法の習得に成功した。
しかし、まだ満足できない。
もっともっと強くならなければ。

「あの、お師匠様」
「なんだい?」
「お願いがあるんです」
「言ってごらん」
「私に戦い方を教えてください」
「う~ん、そうだな。それじゃあ、俺が昔使っていた木刀をあげるから、それで剣術の練習をしなさい。ただし、魔物と戦う時は絶対に1人で行動しないこと」
「分かりました」

こうして、私の修行が始まった。
最初は、簡単な技から教えてくれた。

そして、お師匠様であるパパはいつも修業中は裸だった。
私を見ながら、おちんちんを大きくしている。

「お師匠様。どうして、服を着ていないのですか?」
「俺は全裸じゃないと力を発揮できないのだ」
「そうなんですね」
「ああ、だからアシュナも服を脱いでくれ」
「え!? はい……」

パパはいつも変なことを要求する。
だけど、逆らうことはできない。
何故なら、私は奴隷だから。
言われた通り、下着姿になってパパの前に立つ。

「うむ、素晴らしい!」
「ありがとうございます」
「では、始めよう」
「はい!」

それから、厳しい訓練が続いた。
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