クーヤちゃん ~Legend of Shota~ このかわいい召喚士は、地球からアイテムを召喚してしまったみたいです

ほむらさん

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第505話 パンダ工房にとんでもない人がやって来た

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 ハイドリムドに帰るマグロのおっちゃんとメルお姉ちゃんを見送った後、お姉ちゃん達が『馬車が揺れるのはいつ頃か?』と予想していたのですが、『おそらく今日揺れる』という予想が一番多くて笑いそうになりました。

 馬車はいなくなったけど人はいっぱいだったから、ワーワー騒ぎながら西門を通って街に入り、とりあえずパンダ工房に帰還。


「あれ?なんか豪華な馬車が停まってる」
「パンダロゴが付いてるな。売るヤツか?」
「この馬車って・・・」
「ちょっと待て!この馬車って貴族様のために作った特別」


 ライガーさんがそう言いかけた瞬間、馬車のドアが開き、中からセシルお姉ちゃんが降りてきたんだけど、続けて降りてきた男性の服装が明らかに貴族のお偉いさんって感じだったので、全員フリーズした。


「あの御方って、まさか・・・」
「オルガレイダス伯爵閣下ではないですか!なぜこんな所に!?」

 なんかすごい人がキターーーーーーーーーーーーーーー!!

「おお!ライガーさんにベイダーさんだけじゃなく皆揃ってるじゃないか!父上、此方の男性二人がパンダ工房の副社長です。そして、あの美しい剣と例の物を譲ってくれた冒険者達です!」

 父上がボク達の姿を一人一人確認した。ボクの父上じゃないけど!

「ジノ・オルガレイダスだ。オルガライドの街を統治しておる。我が娘、セシルが世話になった」

「パンダ工房副社長のベイダーです」
「同じく、副社長のライガーです」

 めっちゃ大人数だったけど、とてもスルーしていいような相手じゃないので、ボク達もサササッと自己紹介した。

「見ての通り、ここで購入した馬車に乗ってきたのだが、パンダ工房の馬車は本当に素晴らしい乗り心地だな!だが今日はパンダ工房に用事があって来たわけではなく、冒険者達と話がしたくてやって来たのだ」
「突然父上を連れて来てすまなかった。しかし一度冒険者達と話をする必要があったのだ」
「なるほど。では社長室に移動しましょう。むさ苦しい所で申し訳ありませんが」


 やっぱりボク達に用事があって来たのか~。
 古代の聖書絡みだと思うし、空飛ぶ島のことを隠すの大変だぞ・・・。

 きっとお姉ちゃん達もボクと同じことを考えながら歩いてると思うけど、考えがまとまる前に社長室に到着してしまった。


「俺達は入り口で待機している。伯爵閣下に失礼の無いよう頼むぞ」


 『こいつら何をやらかしたんだ?』って顔をしながら、ベイダーさんとライガーさんが社長室を退出した。

 ライガーさんは、ボク達がセシルお姉ちゃんに武器を売ってるところを見ていたから、そのことだと思ってそうだけど、たぶん聖書の話なんだよなあ・・・。

 少し間を置いてから、オルガレイダス伯爵が口を開いた。


「無駄話はあまり好きではないので早速本題にいこう。まさか古代の聖書が発見されるとは驚いたぞ!しかし本当に伯爵家から公表するということでよいのか?」

 生粋の冒険者であるお姉ちゃん達は敬語とか得意じゃないので、ここは普段からよくわからない敬語風のしゃべり方をしているボクに任せるのです!

「セシルお姉ちゃんから全部聞いたと思いますが、大発見だからこそ伯爵様にお願いしたいのです」
「うむ。理由も詳しく聞いておる。ハイドリムドに聖書を贈ったこともな!」
「神聖魔法のパワーアップによって命を救われる人達が増えるわけですから、一国で独占とかしないで、大陸全土にパパーっと広まってほしいのですよ」
「うむ!それを聞いて儂も感心したぞ!これが危険な攻撃魔法が書かれた魔法書ならば話は変わるが、神聖魔法は癒しの魔法だからな。速やかに教えを広めるべきであり、金儲けの手段にしてはならぬのだ!」

 オルガレイダス伯爵、めっちゃ良い人じゃないですか!
 この街がとても住みやすくて素敵な理由がわかったかもしれない。

「ボク達と同じ考えだったなんて流石は伯爵様なのです!この街が最高に暮らしやすくて優しい人達で溢れてるのは、伯爵様が誠実だったからなんですね♪」
「いや、それは褒め過ぎだ!保守的な思想ではあるが、しっかり金儲けしておるし、そこまで誠実ではないぞ?」

 ぷっ

「「あーーーっはっはっはっはっはっはっはっは!」」

 伯爵様が正直すぎて、お姉ちゃんも大爆笑してるじゃないですか!

「わかった。古代の聖書については伯爵家が偶然手に入れたことにしよう。流れの商人から買ったことにでもするか。ただ・・・」

 ただ?

「別件で君達の所に貴族が来る可能性があるな」
「えええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「セシルに聞いたのだが、召喚士サモナーを集めて、とんでもない装備品を見せたらしいではないか」
「見せましたね・・・。見せる必要がありましたので」
「この凄まじい剣よりも更に上の性能なのだろう?」

 伯爵様が、ボク達が売ったオリハルコンの剣をポンポンと叩いた。

「あっ!ボク達がセシルお姉ちゃんに売った剣なのです!・・・えーと、まあ、大勢の前で最強装備品を見せましたね~。鎧とメイスですが」
「実は今日此処に来た理由は、聖書よりもむしろ最強武器の件なのだ」


 オルガレイダス伯爵が、お姉ちゃん達に視線を向けた。


「3億ピリンで最強の剣と盾を売ってほしい。使い道は王への献上品だ」


「「!!」」


 とんでもない金額が飛び出したので、伯爵様のオーラに緊張しっぱなしだったお姉ちゃん達もこれには目を大きくさせた。


「もし売ってくれるのならば、街へ入って君達に接触しようとするアホ貴族を伯爵家の手が及ぶ範囲で阻止しよう。悪い話ではないだろう?」
「すごくいい話なのです!でもちょっとみんなで相談させてください!」
「もちろんだ」


 バタン

 目が$マークになっているお姉ちゃん達をつれて社長室から飛び出した。


「いいよね?」

「「売った!!」」

 相談する必要なかったでござる。

「3億って13人で割るといくらだ?」
「えっと・・・」
「2300万くらいなのです!」
「デカいのキターーーーーーーーーー!」
「昨日の6000万もあるよ!」
「フオオオオオオオオオオオオ」
「新品を渡すのか?」
「でもダンジョンで手に入れたわけですから、それっぽい方がいいのではないでしょうか?」
「だな。クーヤ、損傷の少ない武器と盾を並べてくれ」
「合点承知!」


 廊下に武器と盾をズラっと並べた。


「あ、欲しい剣の種類を聞くの忘れた」
「でも種類を聞いたら、選べるほど持ってるって気付かれるよ?」
「それはよろしくない。ショートソードじゃ迫力がないからロングソードかな?」
「王家の秘宝になるんだから、やっぱオリハルコンのロングソードでしょ!」
「盾だけ二つ用意して伯爵様に選んでもらうのはどうでしょう?」
「そうだな!アンバランスなのが逆にいいかもしれん」


 というわけで、ほとんど損傷のない格好良い装備品を選び、えっさほいさと社長室の中に運んでいった。


「おお!これが最強の剣と盾なのか!あまり違いが分からぬが」
「父上、魔力を流すと光るのが最強装備です!」
「魔力を流す??どうすればよいのだ?」
「そんなの気合です!私はそう教わりました」
「気合と言われてもな・・・」


 とか言いつつ、伯爵様も10分くらいで光らせることができた。
 杖も買ってたし、魔法系の職業なのかもね。


「なんと格好良い剣なのだ!文字が浮かび上がっておるぞ!」
「格好良いだけではなく、攻撃力も桁違いですよ!」

 伯爵様がセシルお姉ちゃんに剣を渡し、今度は盾を光らせた。

「なんと美しい盾なのだ!こっちの盾も素晴らしい!これは悩むぞ・・・」
「間違いなく、王に代々受け継がれる伝説の秘宝になりますね!」


 二つの盾を吟味しながら20分くらい悩んでたけど、結局オリハルコンの剣に合わせたオリハルコンの盾を選択した。

 良い買い物ができて感無量って顔になってます。


「父上、高い買い物ついでですし、スタッフをもう一本売ってもらいませんか?王から教皇様に古代の聖書を授ける時に最強の杖も授けるのです!さすがに2000万のスタッフの方ですが」
「あの杖と同じヤツか!良いかもしれぬな!」
「というわけで、まだスタッフがあったら売ってほしい」

 レオナねえがこっちを見た。

「あのスタッフってまだあるのか?」
「たしかあったと思うのです!」


 あるのがわかってて聞いてきたレオナねえにそれっぽい返事をし、廊下に出てハムちゃんにスタッフとロッドを出してもらって社長室に戻って来た。


「はい!」

 セシルお姉ちゃんにスタッフとロッドを手渡した。

「ああ、欲しいのはスタッフの方だ」
「いっぱい買ってくれたので、ロッドはサービスなのです!セシルお姉ちゃんが使ってください。良いロッドを持って召喚すると召喚獣が強化されますよ!」
「サービス!?本当に良いのか!?」
「セシルお姉ちゃんのおかげでボロ儲けしましたから!」

 ぷっ

「「わーーーっはっはっはっはっはっはっはっは!」」


 伯爵家に良い印象を残すことに異論があるわけもなく、むしろお姉ちゃん達もナイス判断だ!と目で褒めてくれました。

 しかしたった二日間で3億8000万ピリンの儲けってヤバくない?
 まあ13人で分けるから、1人3000万いかないくらいですが。

 遊んでるだけなのに、みんなどんどんお金持ちになっていくという・・・。
 
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