クーヤちゃん ~Legend of Shota~ このかわいい召喚士は、地球からアイテムを召喚してしまったみたいです

ほむらさん

文字の大きさ
131 / 548

第131話 ドラゴンと対峙する二人の子供

しおりを挟む
 もうタマねえに無茶させるわけにはいかないので、頼れるのはメルドア率いる召喚獣達だけだ。

 それでもドラゴンに接近したことで、圧倒的強者から逃げ惑う魔物とエンカウントする回数もどんどん減っていった。

 なので今は二人とも優雅にトナカイの背中に乗っています。


「うっわ、向こうから有り得んほどの底知れない魔力を感じるよ・・・」
「タマも感じる。でもクーヤからは魔力を感じない。何で?」
「そういえば人の魔力って全然気にしたことなかったな~」

 たぶんクーヤちゃんの総魔力ってドラゴンよりもあると思うんだけど、人間の魔力ってのは人間には感じることができないのかもしれないね。

 ティアナ姉ちゃんが魔法を使った時なんかは魔力を感じられるんだけど、普段の暮らしでは他の人から感じる気配と一緒なんだ。

「ボクが召喚獣を呼び出す時とかって魔力を感じたりする?」
「召喚獣を呼び出す時?・・・ん~~~よくわかんないけど、召喚獣からはクーヤの気配がするから可愛い」
「なんだってーーーーー!?じゃあ知ってる人がゴーレムを見たら、ボクの召喚獣だってことがバレバレなの?」
「タマにはわかるけど、たぶん素人には無理」
「むむむ!それなら良いけど、タマねえはプロだったのか!」
「クーヤのことなら大体わかる。あと召喚獣からは魔力を感じない」

 召喚獣達はボクの魔力を使って活動するから、人扱いみたいな感じなんだろか?

 あっ!
 パンダちゃんが魔物だったことがレオナねえにバレなかった理由はそれか!

 でも召喚獣を使って悪いことをしたら全部タマねえにバレそうな件。
 いや、しませんけどね!!


「さて、決戦まであと少しだ。召喚獣達にはドラゴンに突撃してもらうけど、タマねえはボクから離れないでね!みんなの後ろから物を投げまくってドラゴンを怒らせるのが目的だから」
「うん。怪我でもしたらクーヤの足を引っ張るだけだから無茶しない」
「さすがタマねえだ。それがわかってるなら話が早い!ドラゴンが見えたらドル箱を渡すね」
「わかった」



 ◇



 ボク達が住んでいる『オルガライドの街』の南側には、森があったり岩場があったりするんだけども、北側はほとんど草原というとても美しい風景だ。


 ―――――大地を埋め尽くすほどの魔物さえいなければ。


 そしてその魔物が視界から消えるとどうなるか?


「やっとクーヤちゃんにもドラゴンが見えましたよ!」
「この位置から見えるなら視力はなかなか良い」


 このウルトラボディーの性能はまだよく分からんけど、生前も視力だけは良かったのですよ。両目とも2.0ありました!

 結構早くからドラゴンが見えていたタマねえの視力なんて3.0以上ありそうだな。

 ・・・それにしても何なの?この2.0って数字。

 低すぎだろ!!最高が2.0とかだから目の悪い人は0.1とか意味わからん変な数字になるんじゃないの?誰だよこれ決めた奴!!

 一番上が100とかだったら、『くそ~視力26かよ!』『俺なんか15しかないぞ!』みたいなわかりやすい会話になるのにさ。

 って、視力の数字にツッコミいれてる場合じゃなかった!!
 ドラゴンを目前にして、クーヤちゃんは一体何をやっているんだ!?


「まだ遠いからわかりにくいけど、めっちゃデカくない?」
「あっちの木より大きい。倒すのは無理かも」
「倒すどころか、今すぐ逃げ出したいくらいなんですけど?」
「逃げるなら北の方角じゃなきゃダメ!」
「ヤツの横をすり抜けるだけでも地獄じゃよ・・・」


 トナカイが言っていたように、ドラゴンの身体の色は真っ赤だ。

 細長くてニョロニョロした東洋龍タイプではなく、ゲームに出てくるような西洋ファンタジーっぽい、ずんぐり体型のめっちゃ重量感があるドラゴンの方でした!

 最初は緑色のドラゴンが見たかったんだけどな~。
 いきなり赤いのが出てくるとか、ちょっと順番がおかしくないですかね!?

 いやまあ、ゲームをやってるわけじゃないんだけどさ。

 けど小説やアニメなんかでは、人間の言葉を話すドラゴンがいたりするよな?
 怒らせる前に、一度話し掛けてみた方がいいのだろうか・・・。

 上手くいけば世界の半分がもらえたり!?

 ・・・いやそれバッドエンドじゃん!

 ってか、近付いた瞬間に炎を吐かれでもしたら即死してしまうよな。
 そんなリスクを背負うくらいなら最初から敵対した方がマシか。


「なんか全長20メートルくらいあるような気が・・・」
「これはちょっと予想外」


 ゲームでは当たり前のように『レイドバトル』なんてのが用意されていたりするけど、実際に目の前でドラゴンを見ると、『冒険者って命知らずの馬鹿なの?』って言葉しか出てきません。

 こんな怪物と戦うなんて、もう死んで当たり前って状況だと思うんだけど・・・。

 でもタマねえが、『冒険者が数百人集まってドラゴンを討伐しに行く』とかいう話をどこかで聞いたらしいから、たぶん実際に起きた出来事なんだよな。

 ちょっと冒険者をナメてたかもしれない。
 こんなのと戦う勇気があるってだけでも尊敬しますよ・・・。


「ずっとこっちを見てる」
「だだっ広い草原だからね~。すごく目立ってると思うよ」


 こんなクソヤバイ相手に喧嘩を売ろうとしてる自分に笑えてくる。


「なんでクーヤは笑ってるの?」


 タマねえが不思議そうな顔でショタを見つめる。


「だって、二人の小さな子供が最強のドラゴンと戦おうとしてるんだよ?」
「戦わない。怒らせて逃げるだけ」
「まあそうなんだけどさ!もし生き残ることが出来たら、悪そうなお兄さんに自慢してやろう!」
「ドラゴンを追っ払ったなんて言っても信じるわけない」
「あはははははははははははははははは!」
「ぷっ!あははははははははははははは!」


 数百人で挑むようなラスボスに二人で特攻とか、クレイジー過ぎるだろ!
 絶対の強者を前に、恐怖を通り越して笑いが止まりません!


「さーて、戦闘開始だ!!」



 ―――二人の狂った子供とドラゴンの物語。ここに開幕―――


 
しおりを挟む
感想 174

あなたにおすすめの小説

魅了だったら良かったのに

豆狸
ファンタジー
「だったらなにか変わるんですか?」

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ) そこは、剣と魔法の世界だった。 2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。 新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・ 気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

俺の伯爵家大掃除

satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。 弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると… というお話です。

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

処理中です...