クーヤちゃん ~Legend of Shota~ このかわいい召喚士は、地球からアイテムを召喚してしまったみたいです

ほむらさん

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第145話 ドラゴンのお披露目

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 歩みの遅いクーヤちゃんの奪い合いというアクシデントが発生したりもしたけど、一行はようやく街の南端にあるお化け屋敷に到着した。

 しかしこの場所が危険だってのもあり、ナナお姉ちゃんに抱っこされたまま屋敷の横を通り過ぎて裏の森へと向かう。


 ダン!


 その音に、クーヤちゃん以外の全員が冷や汗を流した。


「今の音ってガジェムだよな?」
「うん」
「ここに来ると大体いつも聞こえる音」
「あのお屋敷の壁にぶつかったの!?」
「走った方がよくない!?」


 結局走りはしなかったけど、誰もが早足で屋敷を通り過ぎて、裏にある小川の所まで移動した。


「ここまで来たらもう、ガジェムの通り道から外れてるよ!」

 それを聞いた全員がほっと胸を撫で下ろした。

「よくあんな屋敷に住んでたな!!」
「当たらなければどうということはないのです」
「謎生物だ!」
「野宿した方が安全なのっておかしくない!?」
「タマですら、あの家を秘密基地にするのは諦めた」

 若気の至りってヤツ?
 結構最近まで住んでたし、まだ5歳ですけどね。

 この小川の水が最強に美味いってのを教えたら、全員が水をがぶ飲みした。

「マジでうめーな!!」
「これは大発見だね!ウチの水より絶対美味しいと思う」
「美味しいけど、もうこんなとこ来たくないから!」

 ここからウチまで水を引きたいくらいだけど、西区までは遠すぎるよな~。


「メルドア消えろ。メルドア召喚!トナカイ1号から5号まで召喚!」


 目の前に召喚獣達が出現した。

 これからドラゴンの召喚が待ってるけど、メルドアさえ魔法を使わなければたぶん魔力は大丈夫だ。魔物との戦闘でお姉ちゃん達に怪我させるわけにもいかないし。


「お?シャンクルだ!!」
「うわ~~~!出たよ森の主!」
「えーと、これに乗って行くのかな?」
「乗るのはシャンクルの方ね!メルドアは道案内と護衛だから」
「トナカイが一番乗りやすい。好き」

 メルドアに今日のプランを伝えたら、快く了承してくれた。
 そして全員がトナカイに跨る。


「出発進行ーーーーーーーーーーーーーーー!」

「「オーーーーーーーーーーーーーーーーー!」」



 ◇



「いや~、しかし召喚士って便利すぎるだろ!」
「チームに1人は欲しいよね~」
「でも召喚士って、馬を連れた筋肉自慢しかいないよ?」
「馬を連れているのはまだ良い方だな。しかしアレを倒すだけでも死ぬほど大変らしいから、馬を手に入れたら大抵のヤツは馬車屋(運送の方)になっちまうし」
「う~ん、現実的なのはテイマーか~」
「移動するには良いかもしれないけど、冒険者ランクの低いテイマーはたぶんそれしか仕事しないよ?苦労してテイムした魔物が死ぬと困るからって」
「本末転倒だよね。何のために魔物を集めたの?って言いたくなる」
「戦闘に参加しねえのに分け前を4等分するってのが、どうもしっくり来ねえんだよな~。だったら今までのやり方でいいような気もするし」
「移動するだけだったら、クーヤちゃんにシャンクルを借りればいいんじゃ?」
「「それだーーーーーーーーーー!!」」

 お姉ちゃんズの視線がショタにザクザクと突き刺さった。

「ん~~~、貸すのは問題無いんだけど、出所を聞かれない?」

 それを聞いた三人が難しい顔になった。

「馬ならともかくシャンクルだもんな~」
「テイマーでシャンクル持ちっていたっけ?」
「ムラポンが連れていたような・・・。でもチーム以外の人にシャンクルを3体も貸し出すテイマーなんて普通いないよ」
「まあな~。でもシャンクル持ちがいるなら誤魔化せそうだぞ!」
「誰に借りたか聞かれても、『それは内緒』って言えばいいだけだよね」
「あっ、もう少しで森を抜けるよ!」


 森を抜けて草原に出た。
 ここを真っすぐ進むと、ゴーレムがいっぱいいる岩場に行くことが出来るのだ。

 しかし広い場所に出たかっただけなので、岩場まで行かずともこの場所で十分!


「ここで出すから、みんなトナカイから降りてね~」
「ん?ここでいいのか?」
「トナカイってのは、シャンクルのことだっけ?」
「クーヤちゃんって召喚獣にみんな名前を付けてるから混乱するよね!」
「でも『人間!』って呼ばれたら嫌じゃない?名前はあった方がいいよ」
「あーーーそっか!」


 なんか勝手に勘違いされてるけど、『ゴーレム2号』とか呼んでるから、全然名前じゃないしもっと酷い呼び方な気がしますよ?まあ、隠された真実は言うまい。

 さて・・・。

 20メートル級のドラゴンだから、10メートル先に呼び出してもギリギリだな。
 みんなには少し下がっててもらうか。いや、ボクが前に出ればいいのか!


「じゃあみんなココで待っててね!凄いのが出るけど、ビックリして死なないように心臓でも叩いてて!」

「とうとうご対面か・・・」
「魔物は見慣れてるから心臓が止まることはないと思うけど、何が出るんだろ?」
「クーヤちゃんをナメてたら死ぬよ!?ちゃんと心臓叩かなきゃ!」


 ナナお姉ちゃんが心臓を叩く姿を確認してから、10メートルほど前に出た。
 こんだけ距離があれば、たぶん丸ごと視界に入るでしょう。


「ドラちゃん召喚!!」


 そう言った瞬間、凄まじい量の魔力が一瞬でドラゴンに喰われた。
 でも何とか大丈夫だ。一気に気絶するまではいかなかったぞ!

 ここではドラゴンの足しか見えないので、みんなの所まで走って行った。


「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」


 三人のお姉ちゃん達が、口をあんぐりと開けたまま固まっている。
 心臓が止まってないだろな?


「ド、ドラゴン・・・」
「かハッ!ハヒューーー、ハヒューーー!心臓が止まるかと思った!!」
「あわわ・・・あわわわわわわ・・・」

「クーヤ!やっぱりドラゴン格好良い!もう仲間なんだよね?」
「うん!絶対にボク達を襲って来ることはないよ!」


 しかしこうしている間にも魔力がどんどん喰われていく。
 ボクの限界が来る前に、挨拶くらいは済ませておかなきゃだね!
 
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