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第403話 ハムちゃん達を迎えに行く
しおりを挟むゆっさゆっさ ゆっさゆっさ
何ですかこれは?すごい勢いで揺さぶられてますぞ!?
「え?なにごと??」
気付くと目の前にレオナねえがいて、右にクリスお姉ちゃん、左にお母さんという、完璧なフォーメーションで囲まれていた。
「あっ!クーヤちゃんが復活したわ!」
「良かったわ~~~~~!」
「何だよ、驚かせやがって!!」
意味がわかりません。ホント何があったの?
「えーと・・・、どうしてボクは揺さぶられていたのですか?」
「お前がアホ面で気を失っていたせいだろ!」
「えええええ!?そんなことになってたの!?」
「にへらっと笑って、これ以上ないくらいアホ面だったわよ!」
「なんてこったーーーーーーーーーー!ハム姫のせいで、家族のみんなにアホ面を晒すことになるなんて!!」
「ハムヒメ?ああ、ハムちゃんのお姫様のことか?」
「説明しましょう!くつろぎタイムに突入したので、ボクはソファーに座ってハムちゃん通信をしてたのです。お姫様がどうなったのか気になったので」
「ほうほう。で、どうだったんだ?」
「でね、お姫様に『近くに王様とかいるの?』って聞いたら『目の前にいるじゃない!ほら!』って返され、その瞬間、ギュン!ってボクの意識がハムちゃん村に連れていかれたのです!」
「「な、なんですってーーーーーーーーーーーーーーー!?」」
いや~、アレは本当に驚きましたぞ!
「目の前にハムちゃんがいっぱいいてね、焚火を囲んでバッファローのステーキを食べていたのですよ!ペカチョウやハム助もみんないたよ!」
「何それ!私も見たかったなーーーーー!」
「意味が分からん。クーヤはその風景をどこから見たんだ?」
「お姫様と視覚を共有してたみたい!自分では目を動かせなかったのです」
「マジかよ!召喚士ってそんなことまで出来たんだな~」
すごいよね!ボクの意志で出来るようになったら重宝しそうな大技です!
「それでですね~」
ハムちゃん村で体験した一騒動を、家族のみんなに全部話した。
「まさか王様が召喚獣に憧れてしまうとはな・・・」
「ハムちゃん憧れの職業ナンバーワンなのです!」
「でもみんなを召喚獣にするわけにはいかないよね?あんな可愛い子達を絶滅させちゃったら世界の損失だよ!」
「ですよね!?だから15歳になったら召喚獣になれるってことにしようかと思っているのです。20歳に設定すると老人ホームになってしまいますので」
「ハムちゃんは20歳でお年寄りなのかな?」
「お姫様が言うには、最年長で25歳みたいでした」
「テミテミよりちょっと長生きできるって感じだね~」
そういえば『テミテミ』ってまだ見たことないんだよな。
勝手にフェレットみたいな動物だと思ってますけど。
「そう考えると15歳は悪くない年齢かもしれねーな。子供を産むにはちょっと厳しい年齢だし、それ以上いくと大きな病気を患ってしまう可能性がある」
「いいんじゃない?でもやっぱり、それによってハムちゃんが絶滅しちゃうといけないから、産めよ増やせよって指示を出すとかは?」
「クリスお姉ちゃん、それだーーーーーーーーーー!」
単純に、今よりいっぱい子供を増やせば解決なのです!
食糧支援が必要になる可能性があるから、こっちで数の調節しなきゃだけどね。
というわけで、方針が決まりました!
ちょっと老ハムちゃんが増えそうだけど、最初はしょうがないです。
************************************************************
夕方迎えに行く予定だったけど、なんか色々と時間が掛かりそうだったので、気持ち早めにアルペジーラの森までやって来ました。
ハム姫と通信し、ボク達が村に入っても攻撃しないようお願いした。
昨日と同じメンバーで森に入って行き、村のすぐ手前で軽く作戦会議をする。
「ナナ、お姫様に話は通ってるみたいだけど、魔法が飛んで来る可能性がゼロってわけじゃないから、一応魔法障壁を張ってくれ」
「うん、任せて!」
村の入り口でもある開けた場所に突入し、ナナお姉ちゃんが魔法障壁を張った。
「「・・・・・・・・・・・・・・」」
魔法は飛んで来なかった。
その代わり、ハムちゃんの大群が駆け寄ってきた!
『主~~~~~~~~~~!』
もふっ もふもふもふもふっ
次から次へと専属ハムちゃんらが抱きついてきて、感動の再会なのです!
「「ハムちゃん天国やーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
でも普段はこんなにサービスが良くないので、『ボク達はこんなに可愛がられているんだぞ!』という自慢なんじゃないかと思ってます。
まあそれはいいでしょう。
いつも頑張ってるご褒美みたいなもんです。
ようやく少し落ち着いたので、村の中央まで移動してから、王様と王妃様と向かい合った。
彼らはまだ召喚獣じゃないから直接会話することが出来ないので、お姫様に通訳を頼みました。
「お姫様から話は聞いてますね?」
ハム姫が、王様と王妃様にボクの言葉を伝えた。
『チュウ!』
「「・・・・・・・・・・・・・・・」」
「いやお姫様!王様が何て言ったのがボクに伝えて下さい!そこまで丁寧にやるのが通訳のお仕事なのです!」
『そうなの?えーとね、スパッとやってくれたまえ!って言ったのよ』
「展開が早いな!でもそれは、もう少し話を聞いてからです!」
出会って早々死ぬ気マンマンって何なのさ!?
「えーとですね~、王妃様に質問です。15歳ってまだ余裕で子供が産める年齢なのですか?それともそろそろ出産が厳しい年齢ですか?」
お姫様が王妃様に向かってチュウチュウ通訳しています。
『チュウ』
「通訳よろしく」
『んと~、身体の弱い子が生まれるかもしれないから、もう子供を作るのはやめましたわ。って言ったのよ』
へーーーーー!ハムちゃんってすごく頭良いんだな~!
自主的にストップをかけるとか、全然野生っぽくないです。
「それなら15歳で決まりですね!」
話の流れをレオナねえ達に説明すると、満場一致で、スカウトの年齢が15歳で決定した。
もう子供を産まないのなら少子化に影響しませんからね!
戦力低下の問題はあるかもですが、召喚獣ハムちゃんを村に1体置いていけばその問題はクリアできますし、何ともでもなりそうです。
お姫様の通訳で、アルペジーラ達から歓声があがった。
「ところでそこに立ってるアルペジーラですが・・・、なんかプルプルして死にかけてませんか?顔色も毛並みも悪いし」
お姫様が、ボクが指差したアルペジーラを見た。
『あたしのおじいちゃんだよ!もう25歳だから大変なの!』
「はい?『25歳とかもいた気がする!』って他人事みたいに言ってたのに、自分ちのおじいちゃんだったんかい!!とにかく本当に限界が来てそうだから、おじいちゃんから先にやります!」
『やった!おじいちゃん元気になるかなあ?』
「わかんないけど、今よりは元気になると思うよ」
一刻の猶予も無さそうだったので、おじいちゃんの周辺にいたアルペジーラ達を避難させ、カブトムシを1体空に飛ばした。
ターーーーーーーーーーン!
村の中央に立っていたおじいちゃんがパタリと倒れ、血溜まりができた。
「公開処刑にしか見えんな・・・」
レオナねえ・・・、ボクも同じこと思いました!
「ストック!」
倒れていたハムちゃんと共に血溜まりも消えた。
召喚獣リストの文字を『おじいちゃん』に変更する。
「おじいちゃん召喚!」
そして村の真ん中で、おじいちゃんが復活。
『『チュウーーーーーーーーーーーーーーー!!』』
初めて召喚を見たアルペジーラ達から大歓声があがった。
うん。顔色も良いし、毛並みもふさふさになったので、若返ったように見える。
顔も凛々しくなっていて、他の若いハムちゃんとほとんど変わらない感じ。
『な、なんじゃこれは!?この溢れ出すパワーは一体・・・、フオオオオオオオオ!漲ってきたあああああーーーーーーーーーー!』
蘇ったおじいちゃんが、ものすごい速度で走り出した。
村の端まですっ飛んでいって、樹に駆け上がって大きくジャンプ。
隣の樹を蹴って着地し、元の位置まで戻って来た。
そして空に向かって石礫をマシンガンのように放出。
ダダダダダダダダダダダダダダダ
・・・うん。これが死にかけていた25歳のおじいちゃんって誰が信じます?
一連の流れを見ていたアルペジーラ達が呆然としていたのが印象的でした。
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