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第478話 古代の金貨が売れたらしい
しおりを挟むブオーーーーー
子供の小さな手で頭をこちょこちょされて、とても気持ち良さそうにしているチャムねえですが、実はこの人、少し前まで気絶していました。
その理由はですね、丸洗い券を使用したからです!
今日は召喚士達を集めて重大発表をしたり、ピコねえをジャーキー工房に就職させたりと、まあとにかくイベントが盛沢山で忙しい一日だったわけですが、病人二人を女神の湯に入れなきゃならないから、タマねえとアイリスお姉ちゃんとシーラお姉ちゃんだけ連れて空飛ぶ島にやって来ました。
本当はみんな休日にしてあげたかったのですが、ドラゴンにゴンドラを装着しなければならないから、必要最低限の人数だけ同行してもらったのです。
なんでこのメンバーになったのかというと、最近特にすることがなくて暇な人達だからです。ロコ姉ちゃんも暇勢なんだけど、ゴンドラを装着する時にボクと同レベルのポンコツだから、連れて来る意味がまったくありませんでした!
「はい、しゅうりょーーーーー!」
ドライヤーが終わったので、チャムねえが両腕を伸ばして『んーーーー!』と背伸びした。
「お疲れ様!」
「丸洗いどうだった?」
シーラお姉ちゃんの質問に、チャムねえがビクッとした。
「アレは超危険っス・・・。天国と地獄を同時に味わった感じっスね・・・」
「「アーーーーッハッハッハッハッハッハッハ!」」
「もちろん明日はベレッタお姉ちゃんの番でしょ?」
「丸洗い券持ってない」
「細かいことはいいじゃない。やっぱり一度は体験しておかないと!」
「ベレッタお姉ちゃんも丸洗いするっスか!それは面白そうっス!」
「そういえばベレッタお姉ちゃんはどこ?」
「丸洗いの話を聞かれたら警戒されちゃうから、外で待っててもらってる」
「えええーーー!可哀相だから早く合流しようよ」
「だね♪」
というわけで、丸洗い師のボクとタマねえの意志に関係なく、明日はベレッタお姉ちゃんを丸洗いすることに決まりました。
まあ、元々そのつもりでしたし、快気祝いってことでやりましょう!
ぶっちゃけ二人ともすごく元気だし、たぶんもうオルガライドの街に連れていっても大丈夫じゃないかと思ってます。
そろそろ、この先どうするかちゃんと話し合った方がいいかもしれません。
いつまでもこの空飛ぶ島に縛られてらんないですからね~。
************************************************************
今日は筋肉審査に合格した最優秀召喚士3名の訓練一日目ですが、その中に伯爵家の三女という超VIPがいるので、絶対に失敗するわけにはいきません。
本当はライガーさん1人で召喚士3名を指導する予定でしたが、必ずカロリーゼロを撃破させなければならなくなったので、今回は特別にリズお姉ちゃんとプリンお姉ちゃんがコーチに任命されました。
プリンお姉ちゃんが盾の指導をし、リズお姉ちゃんが疑似ゴーレム係ですね。
ライガーさんの時と同じく、訓練二日目の最後に本物のゴーレムパンチを受けてもらいます。ただギリギリ合格者の場合、三日間訓練するかもしれないとのこと。
臨機応変にいかないと失敗するかもしれませんからね~。
というわけで、とりあえずみんなでパンダ工房に向かいました。訓練の方が気になる人はそのままパンダ工房に残り、空飛ぶ島に行きたい人は、ボクがレミお姉ちゃんの家から戻り次第出発です。
パンダ工房に到着し、ジャーキー工房の方を見ると、入り口の前でピコねえとラン姉ちゃんが話してるのが見えた。
「じゃあ、ボクはちょっとレミお姉ちゃんの家に行ってきます!」
「ついでに映写機の改造の進み具合を聞いといてくれ!」
「了解なのです!」
専属SPのタマねえだけ連れて、ジャーキー工房前に移動。
「おはよー!ちゃんと起きられるなんて、ピコねえは偉いのです!」
「ナメるな小僧!30分くらい迷子になったけど間に合ったほど早起きしたわい!」
「えええーーーーー!?迷子になってたのですか!」
「ピコルの家って中央区にあるから、西区のことほとんど知らないみたい」
「中央区に住んでるのですか!なんかズルい!」
「勤務先がプルクックミィだった時は勝ち組だったのに、今や負け組ですよ!面倒だからこの辺に住みたいくらいだし」
「ほうほう。近い内に超最新型のアパートが建つから、そこに住みますか?」
「超最新型のアパート!?」
「っていうか、ボクん家の隣なんですけどね。お姉ちゃん達とお金を出し合ってアパートを建てたのです。まだ工事中だけど」
「「な、なんだってーーーーーーーーーーーーーーー!?」」
あれ?なんでラン姉ちゃんも驚いてるんだろ?言ってなかったっけ?
「何よそれ!あたしも初めて聞いたんだけど!」
「スイーツを持ってった時に言わなかったっけ?」
「あ、そういえば土地を買ったとか言ってたような・・・。でもアパートを建ててるなんて聞いてないから!」
「クーヤ氏、なんでそんなにお金持ちなの!?」
「外国で誘拐されたらお金持ちになったのです」
「ダメだ。ハイパー師匠まったく意味わかんねーーー!」
「いっつも意味不明だから気にしたら負けよ。でもお金を持ってるのは確かね。外国で買ってきたスイーツをお土産に持って来てくれたことがあるんだけど、パンダ工房のあの大きな食堂の床一面をスイーツで埋め尽くしやがったんだから!」
「なんじゃそりゃーーーーーーーーーー!」
マッチョ達がスイーツで動けなくなったのは本当に面白かったです。
「でもそのアパートに住みたいかも!家賃いくら?」
「まだちゃんと決めてないのです」
「決まったら教えてね!あんまり高くなかったら住むから」
「あい!」
「そのアパート気になるわね・・・。今度見に行こうかな?」
「あ、そうそう専務!昨日の金貨、すごい値で売れたから半分返すね」
「え、ほんと!?」
そう言ったピコねえが、バッグからお金を取り出した。
「見てよこれ!!」
ピコねえが扇状にお札を広げたので数えてみた。
「20万ピリン!?ってことは、金貨1枚10万で売れたの?」
「うん!凄くない?『千年前の金貨だから高く買って!』って30分くらい粘ってたら、オーナーが奥の部屋に入っていってさ、しばらくしてから現れて『1枚10万ピリンで買い取りましょう』って!」
「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
「たださ、『この金貨は貰い物ではないですか?とても高価な美しい装備を着けた女性達と、黄色い服を着たお子様の』って言い当てられて、『そう!その黄色に貰った金貨!』って言ったら、『100枚までならこの金額で買い取りますと伝えて頂けますでしょうか?』って伝言を頼まれたんだよね~」
・・・宝石屋さんのオーナー、恐ろしいほどのやり手じゃないですか!!
奥の部屋で金貨の価値を調べて、遥か昔の貴重な金貨だって確信したんだ。
そして少し前に金のインゴットを売りに来たボク達絡みじゃないかと。
しかも100枚まで買い取るだって?
えーと・・・、1000万じゃないかーい!!
「ジャーキーの誓いの金貨って10万もするの!?」
「一生遊んで暮らせるよ・・・」
「いや、一生は無理だから。でもクーヤ、あれ本当に貰っちゃっていいの?」
「一度あげた物を返せとか言う人ってクズじゃないですか。ボクはこの街一番の紳士ですから返品は受け付けません。だからピコねえのお金も受け取りません」
「この街にまだこんな素敵な紳士がいただなんて!」
「プルクックミィでも妙に紳士にこだわってたけど、真の紳士だったんだわ!」
むぎゅむぎゅっ
「にょわっ!」
ピコねえとラン姉ちゃんに左右から抱きしめられた。
たしかに今のは自分でも紳士だと思ったので、ツンデレがデレてしまうのも無理ありませんね。
それはそうと、ママさんを待たせてるの完全に忘れてました!
急いでレミお姉ちゃん家に行かなきゃ!!
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