赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!

ほむらさん

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507 ゴーレムを買ってみよう!

 高級宿に到着してすぐに清光さん虎徹さんと通信したわけだけど、あっさり魔石のばら撒き許可が出たことで、逆にもやもやする結果となってしまった。

 しかし魔石を得た甲斐の大名が相手でも負けない自信がある故の余裕なのだろう。

 ならば心配するだけ無駄というもの。
 だったらラッキーと思って派手にばら撒いてやろうじゃないの!

 ただあの二人と話をしていて、『魔石をばら撒いても構わない』ではなく『むしろ派手にばら撒け』って言われたような気がしたんだよね。

 ・・・これは何かあるな?


 それはともかく、高級宿とは名ばかり・・・ってこともなく、本当に素晴らしい宿屋だった!メシが美味いだけじゃなく露天風呂まであって大満足ですよ!

 ショーナンの南端で一泊した時に、宿にちょっとうるさいことが判明したゼーレネイマスのお墨付きが貰えるほど素晴らしい宿屋だった。

 高いけどな!!

 そして旅の疲れを癒した謎の集団は、衛兵に教えてもらった『ゴロンゴ工房』へと出発した。



 ・・・・・



「間違いなくココだろ!」
「中から大きな音が聞こえるね」
「でっかいお店にゃ!!」

 ゴマちゃんら三人が言う通り、このデカい建物がゴロンゴ工房なのだろう。
 初めてのゴーレム工房にワクワクしながら入り口のドアを開けた。

 ガチャリ

「「おおおおおおおおおおおおっっ!!」」
「こりゃあすげえな!」

 まるでレベッカさんの店のように、ゴーレムがずらっと何機も並んでいた。

「へい、らっしゃい!随分と派手な格好をした団体さんだな!」

 声のした方を見ると、筋骨隆々の40代くらいの男性が立っていた。

「あ、ども!こうやって近くでゴーレムを見るのは初めてなんで、ちょっとじっくり見させてもらってもいいかい?」
「ん?ゴーレムを見るのが初めてということは、他国の人かい?」
「昨日越後から来たばかりなんだ。それでゴーレムに興味が出たんで、一つ買ってみようかと思ってる」
「おお!?そいつぁ有難い話だが、操縦を覚える必要があるし結構高いぞ?」
「まあ操縦の方は実際に乗ってみなきゃ何とも言えんな。ゴーレムっていくらくらいするんだ?」
「ゴーレムの操縦席部分に値段が書いた紙を貼ってあるぞ。もちろん物が良ければそれだけ値段も高くなるがな!」
「なるほど・・・、まあちょっと見させてもらうわ」
「あいよ!」


 なるほど、すなわち紙が貼ってある所がコックピットか。


「80万ギラン・・・」


 ゴーレム一機で金貨80枚もするのかよ!!

 いや、ロボットって考えたらむしろ安いのか?
 そういやレベッカさんの店で買った動物乗り物は金貨30枚だったな。

 デカい買い物ってほとんどしたことが無いから高く感じたけど、軽自動車くらいって考えると妥当な金額な気がして来た。

 こっちのデカいヤツは150万ギランかよ!

 こんな大金を払うなら自作してえ・・・。
 俺に土魔法適性があれば絶対に本気出すのに!!

 しかしこの大きさだとエネルギーの消費も激しいんでないの?
 ちょっと聞いてみるか。


「店主!ゴーレムが素晴らしいのはわかるんだが、これだと結構魔石を消費するんじゃないか?」
「まあな。この大きさのゴーレムだと、丸一日稼働させるのに魔石(小)を24個消費するぞ」

 魔石(小)1個で1時間動かすことが出来るわけか。
 長距離移動するとなると、魔石が死ぬほど嵩張らないか!?

「一ヶ月720個ってやばくね?」
「いや、起動させっぱなしならその計算になるが、ゴーレムを使ってない時は魔石を抜いておくもんだ。農作業で1日10時間動かすことを想定すると、10日で100個。一ヶ月ならば300個といった具合になる」
「ああそっか!寝てる間は魔石を抜くわけね。しかし一般人が大勢ゴーレムを乗り回してるとなると、毎日莫大な魔石が消費されているわけだよな?甲斐や信濃にいる魔物を全滅させたとしても、まるで供給が追い付かなくないか?」
「ああ、お前さんは他国の人だから知らんか。甲斐にも信濃にもダンジョンがあるから、毎日兵士達がそこに入って狩りを頑張ってんだよ」

 ダンジョンか!!輸入に頼ったとしても圧倒的に計算が合わないから不思議に思ったけど、そういうカラクリだったのね。

 衛兵が言ってたのは、ダンジョンからの供給があっても需要に追い付かないから、魔石の輸入までしているって意味だったのだろう。

「なるほど!ダンジョンが二つもあるなら何とかなるか。腑に落ちたよ」
「それでも消費が半端ないからな。この国の魔石は高いぞ?」
「ちなみにおいくら?」
「値段はちょこちょこ変動するが、現在は魔石(小)1個で300ギラン。魔石(中)は驚きの1個20万ギランだ!」

 1個300ギランってことは、ゴーレム持ちは一ヶ月90000ギラン必要なのか。
 これをガソリン代として考えると、毎月90000円の出費って結構痛えな・・・。

「魔石(小)の値段には納得だけど、魔石(中)になると突然高いな!」
「ダンジョンで入手した高純度の魔石の大半はいくさで消費されてしまうから、ほとんど一般に流れて来ないんだ。なので希少性からこんな値段になる」
「戦に負けると全てを失う可能性まであるのだから、それはしょうがあるまい」
「出力の高い魔石に合わせて作ったゴーレムの方がやはり性能が良いから、軍用機は魔石(中)で運用するのを前提で作られているモノまであるんだぞ!」

 軍仕様の特別機か!
 どんな機体なのか見なきゃわからんけど、絶対格好良いんだろな~!

「こがっちー!あたいはコレが欲しいぞ!」

 ゴマちゃんの声が聞こえたから見てみると、中型機だけどなかなかセンスあるデザインのゴーレムを指差していた。

 その向こう側ではゼーレネイマスとケンちゃんが大型機を前に目を輝かせており、すぐ手前には小型ゴーレムで遊ぶ子供達二人の姿があった。

「店主、決めたぞ」
「お?買ってくれるのかい?」
「あの女の子が指差している中型ゴーレムと、男性二人が見ているあのデカいゴーレムと、子供達のオモチャになっている小型ゴーレムの3機を買おう!」
「3機も!?」
「そこで交渉の時間だ」


 店主の前のカウンターまで移動する。


 ジャラララララララ


 カウンターの上に魔石(中)をぶち撒けた。


「嘘だろ!?これ全部・・・魔石(中)じゃねえか!!」
「普通に金で買ってもいいんだが、こっちの方が嬉しいんじゃないのかい?」


 当然ながら、驚愕して口をあんぐり開けている店主の顔がそこにあった。
 
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