七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

文字の大きさ
23 / 183
ダンジョン編

23 アニキの部屋

しおりを挟む
「なあアニキ、血抜きって何だ?」
「あん?獲物仕留めたとき血抜きしねーと生臭くて食えたもんじゃねえだろ。つかコテツの部屋にあった肉って血抜きしてねーの?アレ」
「しとらんぞ。清めただけだ」
「清め?ああ、泉にぶち込んだんだっけか。まあそれで美味くなるっつーんなら必要ないことかもしれんが、普通は血抜きするもんだ。コテツのは特殊なやり方だ」
「ほー、なるほど。泉はココにしかねーもんな。そっか血抜きなんてするのか」
「ドラゴンみたいなデケーのは大して血抜きも出来ないだろうが、このナイフがありゃ話しは別だ。とにかく今はドラゴンに集中したいから、道中の魔物は魔石取るだけにすっべ」
「わかったー!んじゃナイフはアニキが持ってて」
「あーそうだな。ナイフの強度わからんから戦闘には使わんでおこう。二度と手に入らんかもしれん物を壊すわけにはいかねぇ。んで俺のバッグだが、着替えた服しか入ってないがとりあえずそっちに入れといてくれ」
「オッケー、よし準備出来たぞ」

マジックバッグを肩から提げる。重くもないしそれほど戦闘の邪魔にもなるまい。
さーてサクサクっと魔石集めましょーかね!





************************************************************





「おー、ここだ。着いたぞ」
「ほんとに何もねーな、アニキの部屋」
「安全地帯としか思ってなかったからな。寝るのに使ってただけだ。でも解体には最適だろ」
「だな!んじゃドラゴン出すぞ」
「よーし、来い!」

どどーんとドラゴンが横たわった。やっぱデケーなこいつ。

「よし、んじゃ切断面のとこに黒ナイフ刺してみっか」
「ブラッディナイフって名前だぞアニキ」
「ほう。名前も物騒だな。お!確かに血吸ってやがる。すげぇけどエグいな」

おーすげー。こういう使い方が出来るとはやはり銀だけのことはあったか。
5分くらい経ったが、やっと斬りつけた足のほうまで吸った感じかな?吸ってる音しなくなった。

「よしそろそろオッケーだろ」
「アニキ、頭も一応やっといて」
「あーそうだな。そっちもやっとくか。出していいぞ」

出した。ウム、凶悪なツラだ。
ところでマジックバッグの中、血まみれじゃないだろうな?
ナース服を取り出してみる。なぜか大丈夫そう。不思議なバッグですな。

「よし、頭も完了だ!解体すっぞー」
「鱗とかツノとかキバとか、とにかく全部貴重な気がするぞコレ」
「確かにそうだな。なんせドラゴンだしな・・・しまった!もしかすっと血も貴重だったのかもしれん。もう遅ぇけど」
「たしかに。でも液体を大量に入れるような物ないし、まあいいんでない?どうせまた復活するっしょ」
「それもそうだな。とにかく鱗も皮も傷は最小限で慎重にいくぞ」
「おうともよ!解体は得意だぞ。アニキこのナイフ使ってくれ。前に何個か作ったんだ」
「お、流石だなコテツ。ブラッディナイフは血抜き以外では使わんことにしよう」

さーて、解体頑張るとしますかね!

まだ鍛冶職人極めてない頃に作ったナイフだから、解体に耐えきれるか不安だったが何とかなりそうかな?皮切るとき慎重にやらないと欠けそうだけど。

「皮さえ突破すりゃ、後は楽だと思うんだがな」
「ナイフ全部持ってきてないし、作ろうにもハンマー無いから凄く気を使うのがキツいな」


・・・・・


やっとこさ皮剥ぎが終わった。

「アニキー、これ清めとくぞ」
「ん?泉にか?・・・そういや皮の鞣し方なんてわからんが、もしや毛皮作った時もそうやって泉にぶち込んだんか?」
「そうだぞ。一晩浸けとくと穢れがとれて生まれ変わるのだ」
「ほー、間違いなく普通のやり方では無いが、すげぇ発見だなそりゃ」
「聖水だからな!邪悪なモンスターを清めるのだ」
「そうか。ドラゴンが邪悪なのかは知らんがまあやっとくべ」

さーて次は肉の切り分けだな。

「アニキ!カルビってどこだ?」
「腹だな。バラ肉との違いはちょっとわからんが、肉の部位のことならなら多少わかるぜ。肩のあたりがロースで腰んとこがサーロイン、そのあたりにヒレ肉あってあとはモモ肉か。ただドラゴンだから牛とかとまったく同じでは無いだろう」
「さすがアニキだ。なんとなく種類ごとに分けようぜ」
「そうだな。そのほうが食うときに楽しめそうだ」

肉質の変化を見分けながら分別していく。

「アニキ、出たぞ・・・大物だ」
「やっぱそうだよな?こんだけの獲物だ。あるとは思っていた」

土の魔石(大)を手に入れた!

「うおおっっしゃああああああああ!レジェンド来たーーーーーーー!」
「こりゃあドラゴンは優先して倒す必要性が出てきたな」
「フオオオオオォォ!石ゲットしただけなのに手が震えてきたぞ」
「まあ何にせよそれは肉食ってからだな。内臓には傷付けないように気を付けろ」


テンションが最大まで上がったので集中して解体を終わらせた。


・・・・・


「アニキ、骨とかもバッグにとっとくぞ?」
「おう。全部貴重だと思っていいだろう。速攻で木狩ってくるから、ドラゴン素材はバッグに入れといてくれ」
「わかったー、剣も5つくらいお願い」

やっと食えるぞー!調味料一式も出しておこう。今回はフライパンじゃなく、バーベキューみたいに焼いて食べた方がいいな。


「狩ってきたぞ。乾燥頼むわ」
「まかせろー、乾燥しろ!」

よーし、あとはバーベキューセットをちゃっちゃと作成だ。
その前にハンマー作りか。

「高温!」

剣の温度が急上昇し赤くなっていく、で床にコンコンコンっと。

「前も見てて気になったんだが、コテツって鍛冶するのに火使わねーよな」
「最初は火でやってたぞ。でも煤で黒くなるからヤメた。こっちのほうがすげー楽なのだ」
「魔法か・・・。ホント何でもアリだな」


あとはめんどいから泉で冷やしてー、っとハンマー完成。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】 気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。 手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!? 傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。 罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚! 人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...