七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

文字の大きさ
71 / 183
ダンジョン編

71 今頃気付く

しおりを挟む
マジックバッグを見つめる。


このバッグの中は時間の流れがゆっくりなんだよなー・・・。
時間がゆっくりじゃなく停止ならばドラゴン腐らなくて済んだのに。
大量のアイテムを入れることが出来るってことは、中の空間が広げられてるってことか。

見れば見るほど不思議なモノで、どうやってこれを作ったのかが気になってきた。

そういやアイテムって言葉で思い出したけど、ゲームにアイテムボックスってのあったよな?
中に聖水や肉とか入れてても、ずっと最後まで腐るなんてことは無かった。すなわち中は完全に時間が停止してるってことだ。


・・・これって時空魔法で再現出来るんじゃね?





************************************************************





今日は休養日とし、アニキは「この大量のミノタウロスの角で麻雀牌を作る!」と張り切って麻雀牌を製作中。ならば必要だろうと思い、彫刻刀セットと絵の具を貸し出した。
オレも何か作ろうと思ったけど、昨日考えたアイテムボックスを習得することに決めた。

マジックバッグの仕組みを頭の中でイメージする。そして中は時間がゆっくりじゃなく、時間を停止させなければならない。

完全にイメージ出来るまで精神を集中する。
ガチャで何度も精神を研ぎ澄ましているのでこういうのは得意だ。

よし、行ける!

「アイテムボックス!」

瞬間、MPがゴッソリ減ったのがわかった。
空間が開いた。
どこに?
・・・わからん。
だがそこからさらに空間をどんどん広げる。同時に時間停止を意識し続ける。

もう無理って思いながらも限界まで空間を広げ続け、ついには気絶した。


・・・・・


「よっしゃーーーーーーーーーー!完成じゃい!フハハハハハ!何という美しさだ。なあコテツ!これを見てくれ・・・って、寝てんのか?」

遠くでアニキの声が聞こえる。
気怠い中ゆっくりと目を開く。・・・あれ?もう朝か。

「おはよー」
「おはよーって、もうたぶん夕方くらいだぞ?ココはずっと明るいから時間わからんが」

なにい!?いつの間にか寝てたのか!・・・ってオレ何してたんだっけ?

「あ!」

・・・思い出した。アイテムボックス作ってたんだった!

「そうだ!アイテムボックス作ってて、・・・最後に気絶したのか」
「なぬ!?よくわからんが大丈夫なのか?」
「ちょっとダルいけど・・・大丈夫だ、問題ない」
「非常に問題がありそうなセリフだが、まあ見た感じ普通だな」

問題があるとしたら、アイテムボックスが成功したのかどうかだな。

試しに毛皮を一枚アイテムボックスに入れてみよう。
ん?そういや、どうやるんだろ?

「入れ。入りたまえ!収納!」

手に持っていた毛皮が消えた。

「おお!!!成功か!?」
「なんか毛皮が消えたぞ??」

場所は説明しにくいが毛皮が入ってるのが脳内イメージでわかった。

「よっしゃ成功だ!!!毛皮出てこい!」

目の前に毛皮が出現した。

「お?毛皮だ」
「アイテムボックスの完成じゃーーーーーーー!!!」

アニキが首をかしげながらパチパチと拍手している。

「アニキ、これすげーんだぞ!?マジックバッグじゃなく謎空間に入れたんよ。しかもだ!まだ試してないけど、アイテムボックスの中は時間停止するハズ!」
「マジか!?肉腐らんのか?」
「たぶんね。温かい物入れたらずっと温かいままの予定」
「もしそうなら凄い事だぞ!?実験してみようぜ」


ということで聖水を鍋にかけて沸騰させた。

「ここに沸騰した聖水があります。それを鍋のままアイテムボックスに収納!」

鍋が消える。

「フム。鍋が消えたな」

「んで、あとは時間が経つのを待ちます」

「・・・・・待ってる間すごく暇だな。あ、そうそう!麻雀牌完成したぞ!見てくれ」
「ああ、ミノタウロスの角で作ってた奴だな!」

アニキのプチ工房に移動。

「おおおおーー!!!」
「見ろ、この美しい麻雀牌を。ミノの角で作ったのはやはり正解だった!」

麻雀はやったことないけど麻雀牌は見たことがある。たしかにこんな感じだった。
絵の具でちゃんと色も付けてあり、ミノの角という素材が良かったせいか凄い高級感だ。

「ただ四角く切ったわけじゃないぜ?角に丸みを持たせたから、手を切ったりはしないハズだ。このイーソーを描くのが一番苦労したわ。たぶん孔雀だと思うんだが、記憶を限界まで呼び覚まして、ある程度再現出来たと思う。ピンズも苦労したなあ・・・、ただの丸じゃねえんだよコレが!」

アニキが力説してるが正直さっぱりわからん。でも綺麗だってのはわかるぞ。

「麻雀したことないからわからんけど、麻雀牌が凄い出来だってのはわかる!アニキもとうとう職人の仲間入りだな!」
「コテツが職人にハマった理由が少しわかった。物作りも楽しいもんだな!」

ウンウン。職人は孤独な戦いだが、職人仲間が出来たのは嬉しいねえ。

「あっ!そろそろ鍋の聖水が冷めるくらいの時間経ったぞ?」
「そうだった!よし、どうなったかかチェックだ!鍋出てこい!」


出てきた鍋はアツアツで、聖水に指を入れてみたら火傷した。アニキも火傷した。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】 気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。 手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!? 傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。 罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚! 人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...