七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

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ダンジョン編

78 コテツママ

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「コテツ!起きろー!」

ほっぺをピシャピシャ叩かれて痛みで目が覚める。

「ハッ!?」
「1分持たなかったぞ?」

そうだ!人魚の歌に耐えてたんだった。くそお!寝ちまったか。

「1分も耐えれんかったのかー!何ということだ!」
「まだまだ修行が足りんな。次は俺が手本を見せてやるから刮目するといい」

人魚を倒してしまったので1時間待ちだ。戻って海産物集めをした。


「んじゃ俺の番だな。後ろで寝るなよ?絶対寝るなよ?」

それは寝ろっていう振りですか?
・・・いやここで寝たらガチで死ねるから真面目に頑張ろう。

「さすがに後ろの人が寝たら冗談じゃ済まないからな。大丈夫だ、任せろ!」
「マジで頼むぞ!」

ということで今度はアニキが人魚に近寄り所定の位置についた。


・・・・・


それにしてもアニキすげー頑張るな~。

・・・ん?人魚がアニキに近づいて来てね?
しかしアニキは反応なし。

まさか!?

全力で走って人魚を討伐した。
後ろを振り返ってアニキを見ると、思った通り、立ったまま寝ていた。

「アニキ―、起きろー!」

アニキの頬をピシャピシャ叩いてみる。

「うう・・・ハッ!?」
「起きたみたいだな!」

「もしかして寝てたのか?俺」
「スヤッスヤだったぞ」
「ぬううう、いつの間に落ちたんだ・・・」
「アニキ!立ったまま寝るの禁止!!後ろからじゃ見た目でわかんないんで普通に待ってたら、人魚がジリジリと近寄って来てたんだぞ」
「そいつはスマン!俺もまさか、立ったまま寝る事が出来るとは予想外だ」
「次からはちゃんと横になって寝ること!」
「立ったまま寝て叱られる日が来るとは・・・。ウーム、わかった。次からは限界が来たらちゃんと横になる。・・・いや、そんな余裕があったらまだ起きてられないか?」
「寝なさい!アニキが根性あるのはわかったから!」
「お、おう。なんか理不尽だなあ・・・母親に叱られてる気分だ」


というわけで順番に耐性上げを頑張りまくった。





************************************************************





「ほう。コテツも耐えるようになったな・・・」


~30分経過~


「なあアニキ」

「ん?」
「もう十分耐性ついたんじゃね?余裕だぞ」
「コテツも余裕になったか。ならそろそろやめっか」
「ミッションコンプリートだな!」

ということでアニキがサクッと人魚を倒して魔石をゲット。
途中からは人魚が干からびて見えるようになっていたので、幻惑耐性もバッチリだ。

「人魚が美人だったから倒すのに毎回少し苦痛感じてたが、正体はコレだしなあ」
「武器持って無いけど近づいて来たから、もし寝てたら生気吸われてこっちも干からびてたかもしれないぞ」
「たぶんそういう攻撃なのだろう。耐性Lv7まで上がったがそっちはどうだ?」
「えーとね・・・、魅了耐性がLv9で、睡眠耐性と幻惑耐性がLv7になった」
「同じだな。魅了耐性が少し高いってことは、他にも魅了使う魔物がいたのかもな」
「誰が犯人なんだろ?犬かな?最初吸い寄せられたし」
「犬?・・・ああ狼か。別に俺は吸い寄せられなかったが」

あの時はモツゴロウさんを信じていたばっかりに、危うく噛まれるとこだった。

「今何時くらいなんだろ?かなりの時間やってたよね?」
「倒したら1時間待ちだったしな。もう今日は赤ゴブんとこで修行はやらんだろ?」
「腹減ったし今日はもういい」
「んじゃ帰るか。今日は予定通り、豪華絢爛ごうかけんらんカニづくしだぞ」
「うっひょーーーー!よし帰ろう!すぐ帰ろう!」
「ハッハッハ、準備はいいぞ」
「んじゃ転移!」


・・・・・


酷い目に合ったばっかりなので、今回さすがに生はやめた。
なのでこの日のために作って置いた大鍋でカニをぐつぐつ茹でてます。

「赤くなってきたーー!」
「どれくらい茹でればいいのかわからんくて、火から降ろすタイミングが難しいな」
「でっかいからなあコイツ」
「まあ茹ですぎても不味いってことはあるまい。半生よかいいハズだ」
「もう腹壊すの嫌だからウェルダンで頼む」
「それは焼き方だぞ。茹でるのにその言葉は使わん」
「んじゃ何て言えばいいんだ?」
「はて・・・確かに茹で加減の言葉って聞いた事がないな。パスタならアルデンテとか言うんだが」
「ゆで卵は半熟とかだよな」
「何かあるのかも知れんが、それはまあいいだろう。そろそろいいかな?」
「アニキ、足一本千切ってくれ!それで判断する」
「OK!よっと。あー蟹バサミ欲しかったな。ホレ」
「うおああ、アッチィ!!」

茹でたてのカニは激熱だった。ぐぬぬ・・・どうやって殻を割ろう?

「コレで豪快に斬り裂け!」

アニキが骨剣を渡して来た。なるほど、いいだろう。

「ジャスティス!」

身をあんまり傷付けないように殻だけを狙って斬り裂いた。

「おし!まあまあ上手くいったぞ。さて、試食ターイム!」

分厚い身を口に放り込み、ゆっくり咀嚼する。


「うめえええええええええええええ!!!最強キタコレ!!!」
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