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アリア編
123 先生探し
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「まず思いついたのは、ギルドの掲示板で先生を募集することだ」
「なるほど」
「だがこれは却下だ!」
「ええーーーー!?」
「考えてもみろ。ギルドの掲示板に、『字を教えてくれる先生募集!連絡はコテツ、キヨミツまで』と受付のねーちゃんに書いて貼ってもらったとする」
「募集するならそんな感じか」
「紙を見た人だけじゃなく下手するとほぼ全員に、俺らが赤ちゃんだという噂が広まっちまう!!!」
「ああああああああ!!ダメだあああああああ!それだけはダメだ!」
「そういう理由からギルドは却下だ。どこで募集すりゃいいんだろなあ・・・」
「その辺の通行人でいいんじゃね?」
「間違いなくナンパとか悪者と間違われるぞ?」
「ぐぬぬぬ・・・」
「とりあえず知ってる人に当たってみるか」
「武器屋のおっちゃんとかか?」
「いや、武器屋の知り合いって冒険者くらいだろ。ギルドに募集かけるのと変わらん結果になる」
「ぐぬぬぬ。あとは宿屋の女将さんと金貨売った店くらいか」
「女将さんは仕事忙しくて無理っぽいからトーレス商会行ってみっか」
「だな!」
トーレス商会に到着。
カランカラーン!
「いらっしゃいませー」
お?いいタイミングだったようで店の中に客がいないな。
「悪いんだが今日も普通の買い物じゃないんだ。一つ聞きたいことがある」
「ああ、昨日のお客様!あの後、店長の機嫌が凄く良かったですよ」
「それは良かった。んで聞きたいことなんだが、字を教えてくれる人っていないだろうか?」
「字ですか?」
「理由があって今俺達は字が書けない状態なんだ。書けるんだが書けないんだ!」
「は、はあ・・・。字を書ける人なら誰でも宜しいので?」
「子供だろうが老人だろうが構わない。あ、ボケてる老人は勘弁願いたい」
「ふむふむ。心当たりはありますが・・・」
「お?昨日のお客様じゃありませんか!」
奥から店長が現れた。
「あ、店長!このお客様がですねえ、字を教えてくれる人をお探しのようです」
「ほう。字をですか」
「報酬は1日金貨1枚。期間は俺達二人が字を覚えるまで。でどうだろう?」
「1日金貨1枚!?多くないですか?その半分でも十分ですよ」
「いや、その条件でいい。誰か心当たりはないだろうか?」
「店長!私がやりたいのですが!!!」
「却下だ!君は仕事があるだろう」
「ちぇ~っ」
このおねえさんでもいいんだけどなー。
「店長、アンナちゃんとかどうです?修行の一環としてアリだと思うんです。それに報酬が貰えるとなると、きっと喜んで引き受けると思うのですが」
「アンナか・・・。字は書けるが、人に教える事が出来るかどうか」
「あーそれは問題無い。求めているのは教師ではなく字が書ける人なんだ。ぶっちゃけると誰でもいい」
「ほう。ならばアンナに声をかけてみよう。今すぐという訳にもいきませんので、明日また来てもらって構いませんか?」
「了解した。それで頼む」
「よっしゃ!先生ゲットだな!」
「ぷぷっ、アンナちゃんが先生・・・」
「じゃあまた明日、これくらいの時間に」
「はい、お待ちしております」
トーレス商会を出た。
「よっしゃー、先生は決まったな」
「いや、まだ声をかけてみると言われただけだぞ」
「あーそっか」
「ただ今日は暇になってしまったな」
「ギルドでも行ってみる?」
「いや、あそこに行くのは字を覚えてからだ」
「赤ちゃんだってバレたらマズイもんな」
「今日も街の散策だな。まだ行ってない所だらけだし」
「どっか面白いとこあるといいな」
ってことで街の散策の続きだ。
露店で買い食いしながらブラブラとテキトーに歩く。
金は腐るほどあるので、何かどデカい買い物とかしてもいいんだけどな。たとえば家とか。まあここに永住するつもりも無いんだけどさ。
テキトーに脇道に入って行ったりしてたら、いつも間にか寂れた街並みに変わっていた。ぶっちゃけ街並みがさっきまでと全然違う。
「なんか変なとこに来ちまったな」
「建物もなんかボロっちいぞ」
戻ろうかと思ったけど、まあコレも一興などと言いつつ先に進む。
そして20人くらいの人に囲まれた。
「そこで全部脱げ!」
またチンピラか。
「ダメダメ~こんな所に武器も持たず入って来ちゃ~さあ」
「とっとと脱げっつってんだろ!」
「武器も持たずに、か」
「なんかここチンピラ多くね?」
どう見てもコイツら全員悪者だよな?武器はアイテムボックスに入れてあるだけで、いつでもすぐ取り出せるんだけどな。重いの我慢してずっと持ってるとかアホだろ。
「もういい、やっちまえ!」
チンピラが一斉に殴りかかって来た。
ドガッ!
「ぐあっ!」
「グヘっ!」「ガッ」「な、なんだ?」
武器を使うほどでも無いので普通に殴り倒す。
数分後、そこにはチンピラが死屍累々と転がっていた。(※生きてます)
逃げたのも何人かいたようだけど、めんどいから追うようなことはしない。
「弱えな」
「こいつらどうする?」
「ほっとけ」
興が削がれたので、先へ進むのはヤメて引き返すことにした。
「たぶんあそこって貧民街とかスラムなんだろな」
「世紀末みたいなとこだったな!」
ちょっと迷い込んだら、リアルでヒャッハーを見ることになるとは予想外だった。
「なるほど」
「だがこれは却下だ!」
「ええーーーー!?」
「考えてもみろ。ギルドの掲示板に、『字を教えてくれる先生募集!連絡はコテツ、キヨミツまで』と受付のねーちゃんに書いて貼ってもらったとする」
「募集するならそんな感じか」
「紙を見た人だけじゃなく下手するとほぼ全員に、俺らが赤ちゃんだという噂が広まっちまう!!!」
「ああああああああ!!ダメだあああああああ!それだけはダメだ!」
「そういう理由からギルドは却下だ。どこで募集すりゃいいんだろなあ・・・」
「その辺の通行人でいいんじゃね?」
「間違いなくナンパとか悪者と間違われるぞ?」
「ぐぬぬぬ・・・」
「とりあえず知ってる人に当たってみるか」
「武器屋のおっちゃんとかか?」
「いや、武器屋の知り合いって冒険者くらいだろ。ギルドに募集かけるのと変わらん結果になる」
「ぐぬぬぬ。あとは宿屋の女将さんと金貨売った店くらいか」
「女将さんは仕事忙しくて無理っぽいからトーレス商会行ってみっか」
「だな!」
トーレス商会に到着。
カランカラーン!
「いらっしゃいませー」
お?いいタイミングだったようで店の中に客がいないな。
「悪いんだが今日も普通の買い物じゃないんだ。一つ聞きたいことがある」
「ああ、昨日のお客様!あの後、店長の機嫌が凄く良かったですよ」
「それは良かった。んで聞きたいことなんだが、字を教えてくれる人っていないだろうか?」
「字ですか?」
「理由があって今俺達は字が書けない状態なんだ。書けるんだが書けないんだ!」
「は、はあ・・・。字を書ける人なら誰でも宜しいので?」
「子供だろうが老人だろうが構わない。あ、ボケてる老人は勘弁願いたい」
「ふむふむ。心当たりはありますが・・・」
「お?昨日のお客様じゃありませんか!」
奥から店長が現れた。
「あ、店長!このお客様がですねえ、字を教えてくれる人をお探しのようです」
「ほう。字をですか」
「報酬は1日金貨1枚。期間は俺達二人が字を覚えるまで。でどうだろう?」
「1日金貨1枚!?多くないですか?その半分でも十分ですよ」
「いや、その条件でいい。誰か心当たりはないだろうか?」
「店長!私がやりたいのですが!!!」
「却下だ!君は仕事があるだろう」
「ちぇ~っ」
このおねえさんでもいいんだけどなー。
「店長、アンナちゃんとかどうです?修行の一環としてアリだと思うんです。それに報酬が貰えるとなると、きっと喜んで引き受けると思うのですが」
「アンナか・・・。字は書けるが、人に教える事が出来るかどうか」
「あーそれは問題無い。求めているのは教師ではなく字が書ける人なんだ。ぶっちゃけると誰でもいい」
「ほう。ならばアンナに声をかけてみよう。今すぐという訳にもいきませんので、明日また来てもらって構いませんか?」
「了解した。それで頼む」
「よっしゃ!先生ゲットだな!」
「ぷぷっ、アンナちゃんが先生・・・」
「じゃあまた明日、これくらいの時間に」
「はい、お待ちしております」
トーレス商会を出た。
「よっしゃー、先生は決まったな」
「いや、まだ声をかけてみると言われただけだぞ」
「あーそっか」
「ただ今日は暇になってしまったな」
「ギルドでも行ってみる?」
「いや、あそこに行くのは字を覚えてからだ」
「赤ちゃんだってバレたらマズイもんな」
「今日も街の散策だな。まだ行ってない所だらけだし」
「どっか面白いとこあるといいな」
ってことで街の散策の続きだ。
露店で買い食いしながらブラブラとテキトーに歩く。
金は腐るほどあるので、何かどデカい買い物とかしてもいいんだけどな。たとえば家とか。まあここに永住するつもりも無いんだけどさ。
テキトーに脇道に入って行ったりしてたら、いつも間にか寂れた街並みに変わっていた。ぶっちゃけ街並みがさっきまでと全然違う。
「なんか変なとこに来ちまったな」
「建物もなんかボロっちいぞ」
戻ろうかと思ったけど、まあコレも一興などと言いつつ先に進む。
そして20人くらいの人に囲まれた。
「そこで全部脱げ!」
またチンピラか。
「ダメダメ~こんな所に武器も持たず入って来ちゃ~さあ」
「とっとと脱げっつってんだろ!」
「武器も持たずに、か」
「なんかここチンピラ多くね?」
どう見てもコイツら全員悪者だよな?武器はアイテムボックスに入れてあるだけで、いつでもすぐ取り出せるんだけどな。重いの我慢してずっと持ってるとかアホだろ。
「もういい、やっちまえ!」
チンピラが一斉に殴りかかって来た。
ドガッ!
「ぐあっ!」
「グヘっ!」「ガッ」「な、なんだ?」
武器を使うほどでも無いので普通に殴り倒す。
数分後、そこにはチンピラが死屍累々と転がっていた。(※生きてます)
逃げたのも何人かいたようだけど、めんどいから追うようなことはしない。
「弱えな」
「こいつらどうする?」
「ほっとけ」
興が削がれたので、先へ進むのはヤメて引き返すことにした。
「たぶんあそこって貧民街とかスラムなんだろな」
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ちょっと迷い込んだら、リアルでヒャッハーを見ることになるとは予想外だった。
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