七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

文字の大きさ
128 / 183
アリア編

128 第一回釣り大会

しおりを挟む
まずはアンナちゃん先生の一投目からだ。

アニキが教えた通りに指で糸を押さえて振りかぶる。
そして振り下ろすと同時に指を離すとビューンと飛んで行くのだが、このタイミングがちょっと難しいそうだ。
予想通り一投目は失敗。目の前にポテッと落ちた。指を離すのが遅すぎたな。
二投目はなかなか上手く行き、ヒューンと少し飛んで湖にポチャッと落ちた。

「よし!成功だ!」
「やったあ!」

あとはひたすら魚がエサに食い付くのを待つわけだが、なんかもういきなり魚がかかってるような・・・。

「なんかもう引いてね?」
「はやっ!」
「ん?」

あまり大きな魚だと、アンナちゃん先生が引っ張られて湖に落ちないか不安だったが、そこまでデカい魚では無かったようで一安心だ。

「このハンドルをこうやってグルグル回すんだ」

アンナちゃん先生が頑張ってリールを巻いて行く。
数分後とうとう釣り上げることに成功した!

「釣れたーーーー!!」
「いきなり釣り上げるとはやるじゃねえか!」
「アンナちゃん先生釣りうめえな!」

アニキが針から魚を外してやり、後ろに置いた棺桶9号の中に入れた。もちろん棺桶には聖水が入っている。ちなみに釣り上げた魚の名前はわからん。アニキもわからんようだ。
しばらく聖水の中を泳ぐ魚を三人で見ていたが、釣りを再開することにした。

「アンナちゃん先生だけに良い恰好はさせておけん。俺達も釣るぞ!」
合点承知がってんしょうち!」
「次もわたしが釣るのよ!」

次に釣り上げたのはまたもやアンナちゃん先生で、その次にようやくオレが釣って、アニキは最後だった。

「解せぬ!俺が一番最後とは・・・」
「わははははは!ビギナーズラックとか言うヤツだ!」
「釣りっておもしろいねえ!」


デットヒートのままお昼になったので軽く昼飯を食うことにした。
ただこの世界では1日2食が当たり前らしく、まず昼飯という発想が無い。だがオレもアニキもダンジョンで昼飯を食うことはほとんど無かったので、別に食わないなら食わないで問題無い体質に変化している。

なので昼飯はホントに軽い物にした。ドラゴンチャーシュー丼である。
作り方は簡単。まずお椀にご飯を盛って、アイテムボックスに入れてあるチャーシューを乗せる。そしてマヨネーズをピャーッとかけて完成。
重いだろ!って突っ込まれそうだが、帰ったら魚を焼いて食うのが確定してるで、ただ単に昼は量が少なめなのだ。

「おいしーーー!」
「ドラゴンチャーシューだから当然だな」
「夕食までにまた腹を減らしておかなきゃならんから、おかわりは無しな」
「焼き魚が待ってるしな!」

昼飯の後はまた釣りを再開した。





************************************************************





「結果発表----!」

緊張の一瞬だ。まあすでに結果はわかってるけど。

「俺9匹、コテツ11匹、アンナちゃん先生15匹」

「やったあーーーーーーーーーー!」
「ガッデーーーーーーーム!」
「大きさなら最後に俺が釣ったのが最強なんだが、今大会は数の勝負だったからアンナちゃん先生の優勝だ!」

パチパチパチと拍手を送る。

「優勝者にはまず優勝トロフィーが。そして副賞で景品が送られます。コテツ、出してくれ」

トロフィーはダンジョンで第四回ゴブリンカップの時に作ったヤツだな。
しかし副賞を話し合いナシでいきなり振られたぞ。んーー、何にしよう?

アイテムボックスを調べると、オレらには必要ないとお蔵入りになったアイテムがあったのを発見した。

「鉛筆の5本セット。そして雫のブローチだ!」

アンナちゃん先生に優勝者トロフィーと景品を授与した。

「このブローチを付けていると火や熱に強くなるという優れモノだ。そして鉛筆は字の勉強の時、紙に文字を書く時に使っているペンだ。これは新品だぞ!」
「やったあーーーー!ありがとーー!」


これにて第一回釣り大会はアンナちゃん先生の優勝で終わった。

そして帰ろうと魚いっぱいの棺桶をアイテムボックスに入れようとして、おかしなことに気付く。

「あれ?アイテムボックスに収納出来ん・・・」

試しにその辺の石を収納してみるとこっちは成功。

「もしかして生き物は入れられないのか?アニキのマジックバッグには棺桶入る?」

「あーダメだ。生き物は無理だったんだなコレ」

たしかに生きた人間とか入ったら誘拐とかされまくるよな。
とにかく一つ謎が解けたのは良かったと言えよう。

「となるとこれは、手で持って帰らなきゃならんくなったわけか」
「少し大変だがまあしゃーない。狭くなるけどこのままボートに乗せるぞ」
「お魚さんは元気ねえ~」

棺桶1個には入りきらず2つ目の棺桶も出してあるんだが、狭い場所に大量に入れてあるにも関わらず魚は超元気だ。これ絶対聖水パワー効いてるだろ。

なんとか2つの棺桶をボートに乗せ、狭い中湖の入り口まで戻る。

そしてアニキと棺桶を一つずつ持ち、三人は歩いて店まで帰ったのだった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】 気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。 手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!? 傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。 罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚! 人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...