七人の愚か者 ー最難関のダンジョンで出会った小学生と暴走族が脱出するために最強を目指す!ー

ほむらさん

文字の大きさ
151 / 183
アリア編

151 またもや揉め事が発生

しおりを挟む
街の散策がメインなので、アニキと二人でゆっくりとバイクを走らせている。
王都はかなり広いが、だからといって東西南北の街並みにそれほどの変化はない。
北は貴族街らしいから豪邸とか並んでるんだろうけどね。

そして相変わらずオレらは注目の的だ。まあバイク乗ってるしな。

「お?服屋があるぞ。覗いてみようぜ」
「いや、たぶん・・・というか間違いなく、俺らの着ている服の事を根掘り葉掘り聞かれてめんどいことになるぞ?」
「あーそっか!いい服着てるとウィンドウショッピングすらままならんな」

世間一般とオレらにズレが大きいから、動くたびに質問攻めなんだよなー。
正直な所、それを回避するためだけにローブ着てた方がいい気もしてくるよ。


「やっと見つけたぞ!」

その時不意に通行人に話し掛けられた。

「ん?オレか?」
「ムニョス子爵様がお呼びだ。ついて来い」
「誰だよ?そいつ」
「そいつだあ?口の利き方に気をつけろ」
「いきなり何なんだお前は?うぜえな」
「お前!子爵様に逆らうつもりか!」
「そんなヤツ知らんっつってんだろがい!」

「プぷッ!アーーッハッハッハッハ!」

なぜか変なおっさんと口論になった訳だがアニキめ、それ見て大笑いしてやがる!

「で、用事は何なんだよ?それも言わないでついて来いとか何考えてんだ?」
「お前らは黙ってついて来ればいいんだ!」
「行くかボケ!」

「そうか、わかった。お前ら覚悟しておけよ?ムニョス様に報告するからなッ!」
「知らんわ!そんなムニョムニョ星人なんか」

おっさんは顔を真っ赤にして去って行った。



「何だったんだよ?ホント」
「子爵とか言ってたから貴族なんじゃねえか?」
「説明もしないでついて来いって怪しさ満点だろ」
「初対面であんだけ高圧的に来られると、ぶん殴りたくなるな」

「ちょっとアンタたち!」
「「ん?」」

今度は白いローブを着た女の人が話し掛けて来た。

「思いっきり貴族に目を付けられたわね。大変なことになるわよ?」
「貴族ってそんな面倒なのか?」
「面倒どころか次はきっと私兵をいっぱい連れて来るわよ」
「しへいって、ああ兵隊か」
「この街から逃げたほうがいいんじゃない?」
「なんで逃げる必要がある?来たらボコボコにしてやんよ」
「ボコボコって・・・、まあ精々頑張りなさいな。それよりも!」
「ん?」

おっさんが去ったと思ったら今度は白いローブの女とか、ホント何なんだ?

「その乗り物は何なのよ?」
「バイクだぞ!」
「ばいく?」
「俺が作ったゴーレムだよ」

面倒くさいパートⅡと思って静観してただろうアニキが、話が変わったので参加して来た。

「ゴーレムですって!?これが?」
「その通り。完膚なきまでにゴーレムだ」
「・・・どうみても鉄じゃない」
「鉄だな」

「いやいやいやいや、鉄のゴーレムなんて・・・、え?作れるの?」
「作ったから今ココにあるのだろうが」
「そんなバカな・・・」
「違うぞ。そんなバナナだ」
「そこ!あーもう、とにかく少し話を聞きたいわ。どこか座れる場所に行きましょ」
「俺らこの辺来たの初めてだから何もわからんぞ」
「私が案内するわ。さあ発進よ!」
「おいコラ、何勝手に後ろ乗ってんだ!」

なんかうるさい女が一緒について来ることになったぞ。

「きゃーーーー!速い!!何よこれ!?」
「あーーもう耳元でうるせえな!つーかちゃんと掴まってないと落ちるぞ」
「あっ、そのお店よ!止まって」
「言うのおせーよ!」

仕方なくUターンして店の前まで戻って来た。

「あ~~、少しの距離走っただけなのにクッソ疲れたわ」
「わはははは!」

バイクを収納して店に入る。

「え?ゴーレムはどこに消えたの?」
「マジックバッグだよ」
「はあ~!?そんな物まで持ってるの!?」
「いいからとっとと中に入るぞ」

うるさい女のせいで、アニキがツッコミ星人になってしまったようだ。
女にモテたいアニキといえど、この女は間違いなく論外だろうな。

腹は減ってないがテキトーに軽い物を注文する。

「おい女、聞きたい事って何なんだ?」
「女って呼ぶのはヤメて。私はレベッカよ」
「キヨミツだ」「コテツだぞ」

とりあえず自己紹介から。

「鉄のゴーレムを作れるなんて聞いたことが無いわ。本当なの?」
「ふむ」

アニキがマジックバッグから骨剣を取り出しテーブルに置く。そしてその上に極小の魔石を置いた。
そして数秒後、剣がぐにゃりと変化していきミニゴブリンになった。
ミニゴブリンが向かいの席にいるレベッカの方へテクテク歩いて行く。

「ほ、本当だ・・・、しかも何なのよ?この精密なゴブリンは」
「だから作れると言っただろう?」
「キヨミツは土魔法使いで合ってるわよね?」
「そうだ」
「私も土魔法使いなのだけどここまで精密なゴーレムは作れないわ。・・・もしかして加護が違うのかしら?」
「加護?俺のは大地神ヴェルミヘイルの加護ってヤツだがレベッカのは違うのか?」
「え??何それ。大地神なんて加護は初めて聞いたわよ!」


どうやらアニキの持っている加護って普通のとは違うみたいだな。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】 気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。 手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!? 傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。 罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚! 人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...