131 / 217
ルシウス君、称号ゲット!からのおうちに帰るまで
料理人のオヤジさんに特級認定を!
しおりを挟む
「特級、いいねえ。何でもいいから同じ特級持ちが5人以上、その人に特級の資格有りと認定すると発生するんだ。ちなみに私は“魔法魔術開発”の特級ランク持ち」
はい、とこちらもお代わりの殻の皿を持ってきた魔術師のフリーダヤ。
彼は魔力使いの世界を新旧に分断した、環という術式の開発者として、世界で最も有名な魔力使いの一人である。
「私はオヤジさんに調理スキル、特級ランクの資格有りと認めるよ。いや~ここに来てから(初日を除いて)美味しいごはんが楽しみでねえ」
「私は“直観系スキル”の特級。私も認めるわ。飯ウマ万歳。あ、お代わり半分でお願い」
こちらは聖女のロータス。
聖なる魔力の持ち主には優れた直観や、それを元に人々に助言するための忠告スキルがある。
彼女の場合はそれの最上級ランクの能力の持ち主ということになる。
「ならギルドマスターの俺が認めねえわけにはいかねえな。ゲンさん、大剣使い特級の俺も認定するぜ!」
おっと、ギルマスのカラドンも特級持ちだった!
彼はレアなSSランク冒険者でもある。納得だった。
「んー……」
二杯めのクラムチャウダーをもぐもぐしながら、ルシウスは自分のステータスを確認している。
ルシウスにも特級ランクの項目があった。
(“愛情(限定)”ってなにこれ? でも特級ランクなんだよなー)
「僕も属性に特級ランクがあったからオヤジさんを特級の資格有りと認めるよ」
「お、おう。ありがとさん」
「これで4人め」
「てことは」
「あと一人か!」
食堂内を見回すが、残りの面々はぷるぷると否定に首を振ったり、手を振ったりだ。
残念、他に特級はいないらしい。
「今のココ村支部に集まってるだけで、通常は特級持ちなんか、そうはいないですもんねえ」
「あ、僕もうひとり特級ランク持ち知ってる。“王”の特級でね。故郷の先王様なんだけど」
「それって」
「ヴァシレウス大王じゃん。マジで王特級? 大王じゃなくて?」
「王特級だから、大王の称号を貰ったんじゃなかったっけ? オヤジさんの料理を送ったら王族の皆さんすごく喜んでくれたってお手紙貰ったし。事情を話したら認定してくれるんじゃないかな」
話の流れにオヤジさんがちょっと青ざめている。
何やら大ごとになってきた。
王族、マジか。
「あ、いや待って。……オヤジさん、ちょっと君を人物鑑定させてもらってもいい?」
「あ、はい、どうぞ」
魔術師のフリーダヤがオヤジさんに人物鑑定スキルを使っている。
「あれ!? オヤジさんにもう調理スキルの特級ランク付いてるぞー!?」
更に深くステータスを見ていくと、オヤジさんの特級認定者の名前が出てくる。
「私、ロータス、カラドン、ルシウス……ルシウスで二人分になってるって何でだろ?」
「そりゃそうでしょ。今の僕は特級二つあるもん。“魔法剣士(聖剣)”と、何かよくわかんない性格に関するやつ」
「と、特級ランクの複数持ちか! これまたレアなやつだ」
というわけで、朝食の短い時間だけで料理人のオヤジさんのランクアップが果たされてしまったわけだ。
「こ、こんな簡単にランクアップできるなんて」
当の本人が一番ビックリしている。
「調理スキルは上級以上になると薬師スキルと互換性があることは知ってるかい?」
「あ、はい。ただ、薬師の師匠に伝手がなかったのでそっち方面はサッパリで」
「私たちのファミリーに薬師の子がいるから、近いうちに呼び寄せてあげる。良い機会だから、薬師のレクチャーを受けるといいよ」
「そうですね……ありがたくお受けします」
あっという間にレクチャーの話まで、魔術師フリーダヤとオヤジさんの間で付いていた。
「ファミリーの薬師ってどんな人?」
「リコっていうの。腕が良いからあちこちから引っ張りだこの人気者でね。お酒好きの愉快なおじさんよ」
遅寝して遅れて食堂にやってきていた女魔法使いのハスミンに聞いてみた。
話を聞く限り、少なくともフリーダヤやロータスのようなフリーダムさではなさそうだ。
「ポーション作りの名手でね。忙しいから、ココ村支部に常駐はできないと思うけど……」
「そうなんだー」
何かつい最近、ポーションの話を聞いたような覚えが。何だったっけ?
はい、とこちらもお代わりの殻の皿を持ってきた魔術師のフリーダヤ。
彼は魔力使いの世界を新旧に分断した、環という術式の開発者として、世界で最も有名な魔力使いの一人である。
「私はオヤジさんに調理スキル、特級ランクの資格有りと認めるよ。いや~ここに来てから(初日を除いて)美味しいごはんが楽しみでねえ」
「私は“直観系スキル”の特級。私も認めるわ。飯ウマ万歳。あ、お代わり半分でお願い」
こちらは聖女のロータス。
聖なる魔力の持ち主には優れた直観や、それを元に人々に助言するための忠告スキルがある。
彼女の場合はそれの最上級ランクの能力の持ち主ということになる。
「ならギルドマスターの俺が認めねえわけにはいかねえな。ゲンさん、大剣使い特級の俺も認定するぜ!」
おっと、ギルマスのカラドンも特級持ちだった!
彼はレアなSSランク冒険者でもある。納得だった。
「んー……」
二杯めのクラムチャウダーをもぐもぐしながら、ルシウスは自分のステータスを確認している。
ルシウスにも特級ランクの項目があった。
(“愛情(限定)”ってなにこれ? でも特級ランクなんだよなー)
「僕も属性に特級ランクがあったからオヤジさんを特級の資格有りと認めるよ」
「お、おう。ありがとさん」
「これで4人め」
「てことは」
「あと一人か!」
食堂内を見回すが、残りの面々はぷるぷると否定に首を振ったり、手を振ったりだ。
残念、他に特級はいないらしい。
「今のココ村支部に集まってるだけで、通常は特級持ちなんか、そうはいないですもんねえ」
「あ、僕もうひとり特級ランク持ち知ってる。“王”の特級でね。故郷の先王様なんだけど」
「それって」
「ヴァシレウス大王じゃん。マジで王特級? 大王じゃなくて?」
「王特級だから、大王の称号を貰ったんじゃなかったっけ? オヤジさんの料理を送ったら王族の皆さんすごく喜んでくれたってお手紙貰ったし。事情を話したら認定してくれるんじゃないかな」
話の流れにオヤジさんがちょっと青ざめている。
何やら大ごとになってきた。
王族、マジか。
「あ、いや待って。……オヤジさん、ちょっと君を人物鑑定させてもらってもいい?」
「あ、はい、どうぞ」
魔術師のフリーダヤがオヤジさんに人物鑑定スキルを使っている。
「あれ!? オヤジさんにもう調理スキルの特級ランク付いてるぞー!?」
更に深くステータスを見ていくと、オヤジさんの特級認定者の名前が出てくる。
「私、ロータス、カラドン、ルシウス……ルシウスで二人分になってるって何でだろ?」
「そりゃそうでしょ。今の僕は特級二つあるもん。“魔法剣士(聖剣)”と、何かよくわかんない性格に関するやつ」
「と、特級ランクの複数持ちか! これまたレアなやつだ」
というわけで、朝食の短い時間だけで料理人のオヤジさんのランクアップが果たされてしまったわけだ。
「こ、こんな簡単にランクアップできるなんて」
当の本人が一番ビックリしている。
「調理スキルは上級以上になると薬師スキルと互換性があることは知ってるかい?」
「あ、はい。ただ、薬師の師匠に伝手がなかったのでそっち方面はサッパリで」
「私たちのファミリーに薬師の子がいるから、近いうちに呼び寄せてあげる。良い機会だから、薬師のレクチャーを受けるといいよ」
「そうですね……ありがたくお受けします」
あっという間にレクチャーの話まで、魔術師フリーダヤとオヤジさんの間で付いていた。
「ファミリーの薬師ってどんな人?」
「リコっていうの。腕が良いからあちこちから引っ張りだこの人気者でね。お酒好きの愉快なおじさんよ」
遅寝して遅れて食堂にやってきていた女魔法使いのハスミンに聞いてみた。
話を聞く限り、少なくともフリーダヤやロータスのようなフリーダムさではなさそうだ。
「ポーション作りの名手でね。忙しいから、ココ村支部に常駐はできないと思うけど……」
「そうなんだー」
何かつい最近、ポーションの話を聞いたような覚えが。何だったっけ?
23
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる