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番外編 異世界板前ゲンジ、ルシウス君と再会す
揚げ物の少ない食文化
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メニューには、リースト伯爵家の良質の鮭を使った西京焼きがまず浮かんだ。
先王と国王は酒好きでライスワインもいける口だそうで、酒の進む料理だろう。
王家の皆様は好き嫌いはなく、肉も魚も両方好きとのことなので、遠慮なく鮭を中心にメニューを組み立てていった。
ところで懐石の場合、前菜や煮物ときたら揚げ物なのだが、アケロニア王国は揚げ物をあまり使わない食文化の国だという。
「もう随分昔のことになるが、揚げ物料理が流行した頃に油の深刻な食中毒事件が起こったと言われている。長期間、交換せず使い続けた油が酸化して大変な猛毒になったと」
これはルシウスの兄伯爵カイルが教えてくれたことだ。
油の食中毒の話は、日本の調理師学校を卒業したゲンジはもちろん知っている。
日本は先進国で衛生観念のしっかりした国だから少ないが、途上国の屋台などだと食用の油脂を交換せず使い続けて食中毒事件が起こることがままある。
あるいは賞味期限を何年も過ぎたカップの油揚げ麺の害は教科書でもピックアップされていたものの一つだ。
「そういう質の悪い油を使った料理が体内に入ると、魔力を乱すことが判明している。そのため、時の国王陛下が国民の食生活の中から揚げ物料理を減らすよう指示されたそうだ」
「新鮮な油を使って、夕食会の一回こっきり使いっきりでなら大丈夫でしょうか?」
王族を招いての会食には、リースト伯爵家からは前当主メガエリス、現当主カイルと夫人ブリジット、そしてルシウスの4人。
今回はまだ幼いヨシュア坊ちゃんは別室でお留守番だ。
王族は先王ヴァシレウス大王、現国王テオドロス、それにグレイシア王女の3名。
7人分の揚げ物を一食分だけなら油の劣化を心配する必要はそうない。
実はゲンジは揚げ物料理には自信がある。
まだ駆け出しの調理師だった頃、最初に修行したのが天ぷら専門店で、賄いでは天ぷら以外の揚げ物も先輩たちからたくさん教えを受けていたものだ。
カイル伯爵は渋っていたが、ブリジット夫人の口添えで会食に出す予定の揚げ物をいくつか実際調理し、料理と残った油の品質調査を行なってようやく許可が出た。
先王と国王は酒好きでライスワインもいける口だそうで、酒の進む料理だろう。
王家の皆様は好き嫌いはなく、肉も魚も両方好きとのことなので、遠慮なく鮭を中心にメニューを組み立てていった。
ところで懐石の場合、前菜や煮物ときたら揚げ物なのだが、アケロニア王国は揚げ物をあまり使わない食文化の国だという。
「もう随分昔のことになるが、揚げ物料理が流行した頃に油の深刻な食中毒事件が起こったと言われている。長期間、交換せず使い続けた油が酸化して大変な猛毒になったと」
これはルシウスの兄伯爵カイルが教えてくれたことだ。
油の食中毒の話は、日本の調理師学校を卒業したゲンジはもちろん知っている。
日本は先進国で衛生観念のしっかりした国だから少ないが、途上国の屋台などだと食用の油脂を交換せず使い続けて食中毒事件が起こることがままある。
あるいは賞味期限を何年も過ぎたカップの油揚げ麺の害は教科書でもピックアップされていたものの一つだ。
「そういう質の悪い油を使った料理が体内に入ると、魔力を乱すことが判明している。そのため、時の国王陛下が国民の食生活の中から揚げ物料理を減らすよう指示されたそうだ」
「新鮮な油を使って、夕食会の一回こっきり使いっきりでなら大丈夫でしょうか?」
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今回はまだ幼いヨシュア坊ちゃんは別室でお留守番だ。
王族は先王ヴァシレウス大王、現国王テオドロス、それにグレイシア王女の3名。
7人分の揚げ物を一食分だけなら油の劣化を心配する必要はそうない。
実はゲンジは揚げ物料理には自信がある。
まだ駆け出しの調理師だった頃、最初に修行したのが天ぷら専門店で、賄いでは天ぷら以外の揚げ物も先輩たちからたくさん教えを受けていたものだ。
カイル伯爵は渋っていたが、ブリジット夫人の口添えで会食に出す予定の揚げ物をいくつか実際調理し、料理と残った油の品質調査を行なってようやく許可が出た。
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